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俺は彼女に。
墨田さんに「家に来ませんか?」と言われたが。
女子大生の部屋におっさんが単体で行く訳にもいかず丁重にお断りした。
それから飲み交わしてから俺はネカフェに向かう。
そしてネカフェで一晩を過ごした。
正直...絶望に一筋の光が差し込んだ気分だった。
墨田さんに声をかけられたのが。
☆
翌日になりネカフェを後にして俺は自宅に帰る。
奴とは時間がズレているので本当に安心だ。
正直、他人の竿をくわえた馬鹿野郎と一緒とは吐き気がするのである。
だからこそ時間をずらしている。
「よし」
そうして髭とか剃り整えながら家を後にして会社に行こうと思い歩いていると。
「先輩」と声がした。
背後を見るとそこに梶原由香が居た。
1年年下の後輩である。
25歳。
黒のゆるふわウェーブの髪。
顔立ちは少しだけ幼い感じの美人の女の子。
いつもフレッシュな爽やかな香りがする。
シャンプーとか何を使っているのやら?
「梶原。おはようさん」
「はい。先輩。おはようございます」
「どうした?今日は。朝早いな」
「先輩が居るかなって思って朝早くに来てみました!」
梶原はそう言いながらニコニコする。
美人に朝早くに付き纏われるおっさん。
まあ悪くは無いとは思うんだが。
そう考えながら居ると梶原は「奥さんはお元気ですか?」と聞いてくる。
俺は眉を顰めた。
それから「まあな...」と話す。
その様子に直ぐに察された。
「何かあったんですか?」
「梶原。内緒にしてくれるか?」
「はい?」
それから俺は梶原に自らの妻が浮気した事を告げた。
すると梶原は「...信じられない」と怒りを露わにした。
そして俺に「本当ですか」と聞いてくる。
俺は「マジだな」と返事をした。
梶原は「...」となりながら眉を顰める。
「...汚らわしい。ありえない」
「まあこうなった以上、ってかもう色々と捨てて良いからさっさと離婚手続きをしたいんだが...なんか奴が拒んでいてな。困ってる」
「なんかよく分かりませんね。それ」
「協議離婚とか色々あるらしいがいずれも同意が必要らしくてな...手続きが大変だ」
そんな感じで話しながら歩いていると梶原は「先輩はどうするんです?」と聞いてくる。
俺は「こうなった以上は俺はなんとしてでも別れたいんだがな」と言う。
すると梶原は「ですね」と同意した。
梶原は足を止めた。
ん?
「先輩。まあでも別れなくても大丈夫ですよ」
「え?しかし別れないと困るだろ」
「私はその必要はないと思ってます」
「...?」
俺は梶原を見る。
梶原は「そんなに苦労するなら私がなんとかします」と言い出した。
なんだそれは。
そう考えながら俺は梶原を見る。
梶原は薄ら笑いを浮かべた。
は?
「私、先輩の事が気になりますから」
「気にな、え?」
それから梶原と俺は会社に来てからエレベーターに乗り込んでから離れた梶原の背を見る。
どういう意味だ。
そう考えながら眉を顰めた。
☆
結論から言って俺はかなりの状況下に置かれている。
まあクソみたいな状況下だが。
そう考えながら俺は「...」となる。
仕事に手が付かない。
困ったな。
「...」
しかし先程の梶原の言葉は?
意味がよく分からない。
まさか既婚者の俺が好きとか?
まあ無いわな...とは思う。
にしてもそれは良いが離婚...だよな。
「ったくあのクソ女」
そう吐き捨てながら俺は天井を見上げる。
それから俺はゆっくり前を見てから仕事をし始める。
作成しなければならない書類がある。
ボンヤリしている暇はない。
「先輩」
「?...どうした。梶原」
「この書類なんですけど」
梶原が書類を持って来た。
俺は書類を見る。
そこに付箋があった。
それにはこう書かれている。
(仕事が終わったら飲みに行きませんか。先輩)
俺は「...」となり梶原を見る。
梶原はニコニコしながら俺から離れ手を振っていた。
俺は溜息を吐きながら手をしっしっと蹴散らす様にする。
業務中だってのに何を考えてんだ。
☆
残業が無かったので俺と梶原は酒場に行った。
生ビールと焼き鳥を注文してから梶原を見ると梶原はニヤニヤしていた。
なんだよ。
「一緒に来てくれてありがとうございます」
「...まあな。じゃあ仕事に関して話そうか」
「馬鹿なんですか?女子と一緒なんですよ?」
「話す事がそれしかないんでね」
「馬鹿なんですか?」
二度も言うな。
ジト目をするな。
そう考えながら俺は梶原に苦笑した。
梶原は頬を膨らませていた。
「まあどうでも良いけど。飲むか」
「今日は私がお金出します。付き合ってもらってますから」
「アホ言うな」
それから俺は梶原を見る。
そして梶原に俺は「で。朝はなんの意味だったんだ?」と聞いてみる。
すると梶原は「はい。浮気しましょ」と言った。
あ?今何つった。
「先輩。奥さんが先に浮気したなら私と浮気しましょ」
「アホ言うな。お前俺が好きなのか?なんの取り柄もないおっさんが...」
「好きですよ?」
梶原の言葉に顎が落ちる。
は?という感じになる。
既に酒が1杯入っているが...流石にジョークよな?
俺は首を振る。
梶原はジョークが好きなんだな。
「ジョークを言うな」
「ジョーク?酔ってませんよ?私。先輩がマジに好きです。一人の異性として」
「...!」
「なんですか?セックスもキスも出来ますよ?やろうと思えば躊躇いなく」
まさかの言葉に俺は「...するわけ無いだろ。全く」と言いながら梶原から目を逸らす。
梶原は「私はジョークは言いません。ジョークが嫌いなので。先輩は既婚者ですけど浮気されていますよね?なら私と一緒に一晩過ごそうが相手に文句言えます?」と話した。
胸のボタンを1つ外した。
谷間が露わになる。
俺は首を振ってから「アホが」と言いながら怒る。
「ここ、個室で良かったですね」
「?...なにが」
「...先輩」
梶原は足を伸ばす。
座席から足を伸ばして俺の股間に触れた。
まさかの行為に「こら」と声を発する。
すると梶原は人差し指を唇に立てた。
「見事に硬く反応してるじゃないですか。パイセンのエッチ」
「止めろっつーの。全く」
「...」
梶原はボタンをまた1つ外す。
すると下着が露わになり始めた。
俺はその姿に「梶原...!」と慌てた。
梶原は「えへ。パイセンのエッチ。かったい」と言いながらニヤニヤし始める。
こ、この野郎!