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それなりには俺、住山達也すみやまたつやは頑張ったつもりだった。

そう思いながら俺は激高しながら家を後にした。

それから俺は「クソッタレ」と呟きながら歩いていた。

何が起こったかといえば妻の橋田ゆかり(はしだゆかり)に浮気された。

26歳にして初めて受けた屈辱だった。


「...」


俺は頭を片手で抑えながら人ごみの中を歩く。

まさか夜になってこんな事になろうとは。

俺は「酒でも飲むか」とやけ酒の為にコンビニに向かう。

その為に通った路地裏で「離して!」と大声がした。

俺は「?」を浮かべて何事かと思い路地裏の先の人気の無い路地裏に向かう。

するとそこでは男が2人居て...若い女を連れ込んでいて。

しかも性行為をしようとして...っていや。

これ見た感じ強姦だわ。


「良い女だな」

「そうっすね」


それからハンカチをその女子の口に突っ込もうとしている。

俺はその様子に鞄で110番してその場に捨てた。

そして俺は「オイ」と2人に声をかける。

女は俺を見てから涙目で驚く。

男達は不愉快そうに俺を見ていた。


「なんだお前?」

「ああ。お前らな。その女の子嫌がってんだろうが。何してんだ」

「知らねぇよ。お前消えろよ」


近付くと幼い顔だ。

大学生の様なクソガキ2名は俺を無視して女に向く。

俺はその姿に「いい加減にしろ」と怒る。

すると大学生は「消えろって。じゃねーと痛い目に遭うぞ」と俺に拳を振り上げた。

空手をしていた俺にそれは動きが止まって見える。



「あ、ありがとうございました」


結構な美人の女子は俺に頭を下げる。

茶色の髪の毛。

長髪でかなりグラマナスな感じの体つき。

胸も大きいし...とにかく美人だ。


俺はその姿を見てやって来た警察に事情を説明する。

そして「じゃあな。こっち通るの気をつけな」と言いながら俺は救急車で運ばれるその女子を見送る。

それから俺は警察に説明をしてから帰宅しようとした。

コンビニに寄るつもりだったのになんか失せたな。


「言ってもあの家に帰るのもなぁ」


そんな事を呟きながら俺はコンビニにやっぱり寄ってから缶ビールとつまみを買ってからそのまま酒盛り有りのネカフェに泊った。

それから一晩経ってから俺は家に帰宅した。

取り合えず今の時間ならあいつも居ない。

スーツとか取りに行ける。

就業が遅く始まる職場で良かった。



俺はダボッとしたぶすっとした感じで会社に来てからいつも通り働き。

夜、ネカフェに帰宅しようとして歩いていると「あ」と声がした。

背後を見るとなんとあの妖艶な感じの女子が居た。

見た感じ20歳ぐらいの。


「ああ。アンタか」

「昨日ぶりです。昨日はありがとうございました」

「気にすんな。...俺なんかですまないな。助けたのが」

「いえ。とても勇敢でしたよ」

「まあありがとうな」


胸が大きい。

そう思いながら俺は、いかんいかん、と思いながら「それじゃあな。あの場所は本当に気を付けろよ。ごろつきがいっぱいだから」と言いながら俺は手を振る。

すると女子は「待って下さい」と言う。


「お礼がしたいんです」

「お礼?」

「はい。ヒーローさんにお礼を。あ、私。墨田香織すみだかおりっていいます」

「俺は住山達也だが...あまり遅くはなれない。...俺には一応、妻が居るから」

「あ、じゃあ居酒屋とかは行けないですね」

「俺には缶ビール奢る程度でいいよ」

「じゃあそういう事で...」


それから俺は、まあいっか。関係めちゃくちゃで時間も潰せるし、と考え墨田さんに付いて行く。

例のコンビニで缶ビールを買ってから公園で乾杯する。

それから俺は缶ビールを飲みながら空を見上げる。

星々が連なっている。

むなしい。


「本当に助けてくれてありがとうございました。怖かったんです」

「...だろうな。ああいう場所には人が本来なら来ないしな」

「お兄さんは勇敢ですね」

「...おっさんだよ。お兄さんじゃない」

「え?でも同じ20代ですよね?私、22歳です」

「...年を簡単にばらすもんじゃない」


てへっと拳を頭に添えて言う墨田さん。

俺はその姿に盛大にため息を吐きながら空を見上げる。

すると墨田さんが「その。奥さんはどういう人なんですか?」と聞いてくる。

街灯の下で缶ビールを飲む墨田さんに俺は「実は浮気された」と答える。

まさかの言葉だったのだろう。

墨田さんは「ほえ?」となってしまう。


「関係は...めちゃくちゃだよ」

「浮気...不倫みたいな感じですか?」

「そうだな。将来の設計図がめちゃくちゃだ」

「...そうだったんですね」


墨田さんは考え込む。

それから「...大変ですね」と俺を見る。

俺は「不倫相手に会ったら真面目にぶっ殺す自信がある」と苦笑しながら言う。

というか嘲る様に。

墨田さんはそんな俺の姿に「その。大変ですね...。私、恋を知らない大学生ですけど...そんな真似されたら屑って罵る自信が...」と言う。

肩をすくめてから缶ビールを飲む。


「だな。俺も同意見だ」

「...なんでそんな真似が出来るんですかね」

「知らんな。それは奴に聞かないと」


するとそんな寂しげな俺に墨田さんは「その。今日泊まる場所は?」と聞いてくる。

俺は「まあ関係がギスギスしているから今日もネカフェだな」と苦笑した。

墨田さんは俺をじっと見てくる。

そしてこう言った。


「じゃあ私の家に泊まりませんか」


思ったがこれが変わり始めた第一段階だった。

ヘブンズゲートが開く...いや。

ヘルゲートかもしれないが...だ。

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