第1話 火星沖海戦
……求む!感染体カル…………による攻撃を………ている!救援求む!!
前田「これが先程届いたサツマからの救難信号です。ハグロが救助に向かいましたが、ハグロからも救難信号が届きました。それと…謎な侵蝕体の攻撃を受けている…という文も…」
侵蝕体?侵蝕体なるものは観測されていないはず…………わからんな…
土代「救助に向かったハグロからも救助信号が?それに謎の侵蝕体?一体なんなのだ?その侵蝕体とやらは。」
前田「そこが謎なんです。侵蝕体とか言う物は帝國の記録には存在しない。世界中の歴史にも存在しない。存在しないはずだった物です。」
存在しないはずの侵蝕体が存在している…寄生虫の類の物か?それともシステムごと乗っ取るような宇宙生物か?
土代「その言い方は…何か知っているな?」
前田「流石は司令本部長官。先程火星に配備されていた重巡モガミが救難信号を出した2隻を目視で確認したところ…艦体には赤く固まった血のような物を艦体にまとい、見た目はまるでゾンビのようだったと語っています。小型ドローンで味方の識別信号を出しながら接近したところ、攻撃を受けました。おそらく、その侵蝕体にシステムごと乗っ取られている可能性があります。」
やはりシステムごと乗っ取るような宇宙生物の類いだったか…ん?
突然ドアがノックされ焦った顔の一般兵が入ってくる。
一般兵「会議中失礼します!!報告です!前田中尉が仰っていた例の侵蝕体ですが、シラヌイ型重巡洋艦六番艦タカオと7番艦ムラサメ!ポレート連邦海軍の第二遊撃艦隊所属の空母フレイラナ戦艦ベネテクス駆逐艦S級が感染しました!連邦海軍のフレイラナ ベネテクス S級はムサシが沈めましたが、シラヌイ型は波動防壁を展開している為、撃沈不可です!」
ポレート連邦海軍の連中までやられたか…シラヌイ型の撃沈には火力が必要だ。二番艦と8番艦を回すか…
土代「シラヌイ型の二番艦と8番艦を迎撃に向かわせろ。なるべく距離を取って戦うように。」
一般兵「了解!!」
さて…また感染する事態になったら例の”新型航空戦艦”を出撃させるか……
その頃火星沖では
数多のビームが飛び交う戦場となっていた。
モガミ戦術長「艦首魚雷発射!!1番砲塔はタカオを、二番砲塔はムラサメを狙え!艦橋を撃つんだ!艦橋を潰せば艦は制御不能になる!」
砲手「了解!!」
砲手が力強い声で返事をし、1番2番砲塔はそれぞれの目標をロックオンし、発砲する。
青色のビームがムラサメとタカオの艦橋を完全にロックし、命中したかと思われたが、直前で波動防壁を展開し、防がれてしまう。
艦長「やはり防がれたか…1隻だけでも沈める。波動砲発射用意!」
戦術長「了解!波動エンジン内圧力あげろ!非常弁全閉鎖
機関長「エンジン圧力あげます。非常弁全閉鎖」
戦術長「波動砲への回路開け。」
機関長「回路、開きます」
戦術長「薬室内圧力上昇。」
機関長「全エネルギー波動砲へ。強制注入器作動。」
戦術兵「波動砲、安全装置解除」
戦術長「安全装置解除。セーフティーロック0。圧力発射点へ上昇中…あと、0.2。最終セーフティー解除。圧力限界!」
戦術長「目標感染体重巡タカオ!ターゲットスコープオープン!レーダー連動!目標自動照準!耐ショック耐閃光防御!!発射10秒前!9.8.7.6.5.4.3.2.1!!波動砲!!発射!!」
艦首から放たれた青き閃光は真っ直ぐにタカオに進んでゆく。タカオは波動防壁で防御するも破壊され、艦体が真っ二つに分断され、爆沈した。
クルー「やったぁぁぁ!!」
勝利の余韻に浸っていたその時、衝撃の内容の無線が入る。
無線「囮本土配備のシェンバー型重戦車2両と震電改5機に感染。感染体は制圧された。そして、侵蝕感染体は感染体を撃破すると死ぬ事が判明した。司令本部は緊急配備命令を出した。金剛型戦艦はボストン帝国との戦争に駆り出されているため、使用出来ない。例の新型航空戦艦と重巡12隻で対処せよ。おわり。」
戦術長「緊急配備命令!?」
艦長「例の新型航空戦艦か…」
ムサシ…ムサシが出る程の緊急事態…
艦長「1度基地に帰還する。基地に補給の後に、ムサシと共に出撃する。」
戦術長「艦長!!ムラサメとアマゴはどうするのですか!?」
艦長「あの様子じゃ、地球へはこないだろう。」
戦術長「………了解。帰還します。」
第1話 火星沖海戦。終了。2話にご期待下さい。