第二章 管理者編 第六話 不正?
資格剥奪?!
「このカードは処分し冒険者資格を剥奪する!」
「「「「え?」」」」
四人分の声が綺麗に重なって、静寂が訪れた。
「それがサブギルドマスターとしての判断ですか?」
僕の問いに、ニヤニヤしながら口を開き言い放った。
「今日登録した平民の冒険者が、大量の討伐証明と魔石を持ってこれるハズがない! 不正をしたに決まってる! よってサブマスの権限で資格を剥奪する。 何か言いたいことはあるか? 今なら謝罪を受け付けるぞ?」
話を聞けば聞くほど、このサブギルドマスターの判断がただの憶測だということがわかる。
「憶測で語るのは自分の無知っぷりを晒している様で、恥ずかしいですよ? サブギルドマスターは憶測で判断して横暴をする人なんですね」
面と向かって伝えると拳を握り右腕を振りかぶり殴りかかってーー
これなかった。
サブギルドマスターの腕をエルフの男性が掴んでいたからだ。
「やめるんだ」
「ゲドー、この少年から離れその袋を渡しなさい」
ゲドーと呼ばれたサブギルドマスターは、袋をエルフの男性に渡して応接室の真ん中程まで離れた。
「ユウト……くんといったかな、私はこの王都本部冒険者ギルドのギルドマスター、ギリックと言う。 この魔道具は嘘をついたら赤くなり音が鳴り、真実なら何も反応しない物なんだ」
カチッ
「改めて確認させてもらうよ、ゴブリンを討伐し討伐証明を集めて持ってきたのは君かい?」
「はい。 ついでに、ウルフ十匹も討伐しました。」
「「「「「…………」」」」」
「うん、反応しないね」
「これで、嘘をついてない事が証明されたね」
「さて、ゲドー。 君はどうするんだい? まさか謝罪するだけではないだろう?」
サブギルドマスターのゲドーはギロリとユウトを睨み、苦々しく口を開いた。
「憶測で勝手な判断をし、申し訳ありませ「謝罪は必要ないです」は…?」
「睨んだまま反省の色も見えないのに、欠片も心のこもってない謝罪は必要ありません」
サブギルドマスター、ゲドーの謝罪が終わる前に言葉をかぶせて言ったところ、ギルドマスターのギリックさんが頷き、衝撃の言葉を口にした。
「王都本部冒険者ギルドマスターの権限で、不当な判断で不正と決めつけ横暴な発言をしたことに対して、サブギルドマスターであるゲドーの任を解く。 今日までご苦労だったね。 この事はきっちり陛下へ報告させてもらうよ」
「「…………」」
まさか、解雇するとは思ってなかった僕とゲドーは言葉を失った。
その後ゲドーは退出し、オルストンさん、ギリックさん、ミリアさん、僕の四人で話し合いを行った。
最終的にF級ランクから一気にC級ランクまで上がり、解散となった。
自分の言動には責任を持ちましょう。
読んでくれてありがとうございます!
今日は、あと二話で止めておきたいと思います。