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第三章 王都編 第六話 新しい仲間 その二

王族と公爵家が加わります。

 開店初日から1週間が過ぎた。

 相変わらずパンの持ち帰りは盛況で、長蛇の列は中々途切れる事がない。

 いやむしろ列が伸びる一方だ。

 

 何故なら昨日、メニューにあるアンパンとクリームパンの持ち帰りを追加したからだ!

 店内の値段と変わらず販売してる。

 「石パンを食べるくらいならシエルでパンを」っていう噂が広がってるのを聞くと、石パンを売ってる店にとっては大ダメージだと思う。


 一日に五千個程パンを販売しようとすると、浮遊城のオートマタたちに負担がかかる為シエルでも、パンを作っては焼いてる。

 リオルクさんには、酵母菌の作り方から覚えてもらった。

 出来上がりをリオルクさんに見てもらうと、いつかのリアさんの様に「石パンじゃない」と呟いていた。


 カラン


 「いらっしゃいませ」


 配膳を終えて、来客を告げる音の鳴る方へ振り向くとそこには、ギルドマスターがいた。


 「アイリス様?!」


 「うむ、上手くやっとる様じゃのお」

 「ユウトはいるかの」


 「はい! 少々お待ちください」



 リオルクさんにプリンの作り方を教え、実践してもらっているとリアさんが駆け込んで来た。


 「アイリス様がマスターを呼んでます。 休憩スペースに案内しました。」


 「わかった。 すぐ行くよ」




 アイリスさんは、二階の従業員休憩部屋に連れの人と思わしき、男女三名と座っていた。


 「すいません、遅れてしまって」


 「いや、突然訪問したのはこちらじゃからの」

 

 「今日来たのは、やっと見つかった信用出来て働ける者を連れてきたからじゃ」


 「まず、私の方から自己紹介させていただきます。 シャルルと言います。 一児の母です」


 「僕の名前はシャーノア、成人前の十四歳です。」


 「俺はガリム。 二十二だ。社会勉強の為と言われた。 よろしく頼む」



 「カフェシエルでマスターをしています。 ユウト・サトウ、十三歳で、冒険者ランクはA級です。 店ではマスターと呼んでください。 シャルルさんには下で接客をお願いしたいので、リアさんに手順等を教わってもらって良いですか?」

 

 「シャルルさん以外の方にお話があるので、終わり次第雇用内容などを詰めていきたいです」


 「わかりました。 席を外しますね」


 シャルルさんは席を立ち、頭を下げて部屋を出てくれた。


 周囲の声を外の人に、聞こえなくする魔道具を取り出して起動する。


 「わざわざ、すまんのお」


 と、カップに次々とディンブラを注ぎながら言うアイリスさん。


 「アイリスさん。 お2人を鑑定しましたが、どういうことですか?」


 「鑑定結果の通りじゃ」



 「何で、王族と公爵家の方がいるんですか!」


 そう、王族と公爵家なんだ。

 姿と名前を変えてるけど、鑑定結果がそうなってる。


 「改めて自己紹介させていただきます。 僕は、ファジール王国の王子、キオラール・トルテ・ファジールです。 父……陛下に社会勉強の為、カフェシエルで働くよう勧められました。 ファジール魔術学園二年生なので、学園が終わってからの参加になりますが……」


 「因みに偽名を考えたのは、わしじゃ」


 「次は俺……いや、私だな。 私の本名はガリューム・フォン・ファジール。 公爵家の長男です。 父上に社会勉強の為と勧められました。 冒険者ランクはB級です。 キオラール様の事をシャーノアと偽名かつ呼び捨てにするのは、気が引けますがよろしくお願いします。」


 「という風に、2人の父である、陛下もオルストン公爵も承知の上での事じゃ。 念の為に光魔法で姿は変えておるがのお」



 「マスター、僕は父からある重要な任務を頼まれています!」


 任務……任務ね。 嫌な予感がするけど……。


 「新作が出来たら持って帰る様に言われてます! なので今日はアンパンとクリームパンを持って帰ります!」



 新作……あれー? 頭に料理が次々思い浮かぶぞー。



 僕は頭を抱えた。

読んでいただきありがとうございます。


次回、雇用。ガリムさんもビックリの給料です。

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