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第三章 王都編 第五話 新しい仲間

 黒のエプロンをしてカウンターに立ちながら、コップを磨いていた。

 マリナは店の奥の机で硬貨を数えている。


 OPEN(オープン)からCLOSE(クローズ)に変えたハズの扉が、カランと音を鳴らして内側に開き、リオルクさんが入って来た。

 そして一言僕に告げた。


 「店主、ここで働かせて欲しい」


 アイリスさんの言う通りになっちゃったよ……。


 「うーん、レストランの副料理人だよね? 抜けてしまって大丈夫?」


 「はい。 もうレストランは辞めて来ましたし、引き継ぎもして来ました」

 めっちゃ行動力あるなあ……。


「僕としては調理できる人が増えてくれた方が、料理の幅が広がるから嬉しいんだけど、暫く調理法を独占しておきたいんだよね。 だから一番心配なのは情報管理。出来る?」


 〈スキル 鑑定〉


 「必要なら教会や商業ギルドで契約を行います」


 「いや、契約は良いよ。 試して悪かった」


 「マスター。 初日の売り上げが出ましたので報告させていただきます。ロールパンが三千五個で、金貨四枚と大銀貨五枚と大銅貨七枚と銅貨五枚になりました」

 

 「続けて食パンが、三千百二十斤で、金貨七枚と大銀貨八枚になりました。」



 「え?」



 僕は言葉を失った。 まさかそんなに売れてたなんて。

 ほら、リオルクさんを見てみなって無表情が崩れて驚いてるよ。


 持ち帰り用のパンだけでも、六千百二十五個で大体、大金貨一枚と金貨二枚と大銀貨三枚の売り上げだよ?

 商業ギルドに五分の一の硬貨を納めても、金貨九枚と大銀貨八枚 と銀貨四枚残っちゃうよ?



 大商会の一ヶ月分の売り上げが大金貨5枚程なのだが、それを開店初日で5分の1、稼いでしまった。

 特に王家御用達を取られた店からは、逆恨みされそうなんだよね。



 「リオルクさん、改めてこのカフェシエルのマスターをしている、ユウト・サトウと言います。まだまだ開店したばかりで持ち帰りに殺到してるのが現状ですが、よろしくお願いします」


 「平民のリオルクです。 歳は二十二。 同僚からは真面目、堅物と呼ばれてました。 こちらこそよろしくお願いします」


 「それで、マスター、そちらの女性は……」


 「メイド型オートマタのマリナと申します。 従業員がいない為、マスターに駆り出されております」


それさっきも言ってたよね。


 「オートマタ?」


 「機械人形でございます」


 「どういうことですか? マス『バァン!!!』」


 勢いよく扉が開かれ、その大きな音がした扉の方を見ると、リアさんが肩で息をしていた。


 「リアさん。 店は閉店しましたよ。 忘れ物ですか?」


 リアさんは僕の目の前まで駆け寄り、勢い込んで話し出した。


 「はい! そうなんです! 忘れ物をしました! このカフェシエルで働くにはまず、お互いの事を知るのが必要だと思い、自己紹介をしに来ました! リオルクさんも来るだろうと思ったので、走って来たんですが、もう着いていたんですね!」


 「リアさん……さっきと全然雰囲気が違うね」


 「あ、あれは緊張してて」


 「まあ自己紹介ならさっき済ませたところだよ」


 「ええーーーーー!!」


 「リオルクさん、二十二歳で無表情イケメン。 こっちは、メイド型オートマタ……機械人形のマリナ。 僕が、シエルのマスターであり冒険者業もしてるユウト。 はい、次はリアさんの番」


 「は、はい! えっと、昨日まではノクターン酒場で、看板娘をしてましたリアです」

 

「酒場の雰囲気に合わなくて辞めてフラフラしてたところ、商業ギルドマスターのアイリス様に喫茶シエルを勧められました。 精一杯頑張りたいと思います!」


読んでいただきありがとうございます。

カフェシエルのメンバーが続々と集まります。

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