童貞よ、永遠に 6
いつも読んでいただきありがとうございます。
文章量が中途半端になってしまって、短くなってます
ヘリコプターのバババババと鳴り続けるローター音を聞きながら、僕こと美少女童貞ヒーロー椿吾郎はヒーロー課から渡された端末に緊急と表示された画面を見た。
スクランブルよりもヤバい時に表示されるという超絶勘弁してほしい画面だ。
気づかず画面を見なければ良かったと心から思った。
まじか、本当にまじか?、いやマジでしょ、と心で呟きながら、大きくため息を吐いて画面をタップした。
表示された画面は地図の表示画面で、ピンが指しているのは我らがヒーロー局札幌支部です、本当にありがとうございました。
襲撃、至急向かわれたい、とかピンに表示されているとかマジで勘弁してほしい。他にもヒーローいるでしょ。Eランだよ、僕。Fの次に弱いEだよ、馬鹿なの。そう思いながら隣で携帯電話を向かいでいじっている僕の変身後の姿なら双子のように見える顔つきの元道りなを見た。
「あのー、元道さん、ヒーロー課の端末に何か表示されてませんか?」
僕の控えめな感じにだけど、ローター音でかき消されないよう大きく声を出した。
「はい? ヒーロー課の端末? 何も表示されてないけど」
と僕にヒーロー課の端末を面白くなさそうに向けた。お前電源切ってね?、と思ったが、回復ヒーローは即戦力として招集しないのでしょうね、きっと。まじふぁっく。
ヘリコプターのパイロットが僕の方に顔を向けた。
「椿さん、臨場指示です。戻っている丘珠基地の直線上に札幌支部があります。屋上にヘリポートがありますのでそこで降りてください」
ああ、無慈悲。まごうことなき無慈悲。絶対的なんとか的無慈悲。
「そちらにも連絡あったのですね。危険だと思いますので付近まで近づいてくだされば降下します」
「装備のつけ方わかりますか?」
「私、頑丈なので大丈夫です」
良かれと思って気を使ってくれたパイロットさん、すまねえ、マジで行きたくないんすわ。普通、ヒーロー局の拠点だったら、警備員とかいるじゃん。それで対応できないにしても、なんか近くにとか、むしろ建物自体にヒーローが詰めてそうじゃん。それでもダメなんでしょ。僕Eランっすよ。ふぁあああっく!
「元道さん、少しの間私は任務解除になったそうです。安全に配慮して基地から出ないようよろしくお願いします」
僕は元道に気を使わせないようにそういうと本人は全く我関せずというか意味がわかっていないようで
「はいはい、よくわからないけど頑張ってね」
と携帯電話をまだいじっていた。知らないって幸せだぜコンチクショウ。
パイロットが間もなくヒーロー局札幌支部の直上であることを僕に伝えたので、ハッチを開け飛び降りた。
「え、ちょっとあの子、馬鹿の子なの!? 初めてひもなしバンジー……というかパラシュートなしスカイダイビング見たわ」
僕をディスる元道の声が一瞬で聞こえなくなり、強烈な空気を切り裂くような音と迫りくる地表と煙を上げるヒーロー局の建物が僕をビビらせた。
いつもブックマーク、感想等ありがとうございます。
夕方か夜にもう一話アップロード予定です。
 




