Ecstasy9
いつも読んでいただきありがとうございます。
連続投稿できる分を書けましたのでアップロードしました。
不快になられる内容かもしれませんのでお気をつけください。
ススキノの風俗店といえば、パブ、クラブ、ホストクラブ、キャバクラという素敵なお姉さん等とお酒を飲むところと、所謂ヌキというサービスがある、ピンサロ、メンズエステ、ヘルス、デリヘル、お風呂場でばったり会った男女が性行為を行うという理屈で脱法しているソープランドがある。
素人童貞なんて格好悪いぜ、俺は妖精になるんだ、と心に決めている僕はソープランドなんて行きたくない。ぶっちゃけ、性病が怖い。ススキノは抗生剤の効かないスーパー淋病が出たという噂を聞いたことがあるのでなおさらだ。
そうなると、別のお客さんの粘膜を触った手で触られるピンサロ、メンズエステ、ヘルス、デリヘルなんかも危険な感じがする。
性病が怖いと思ったらもうどこにも行けなくなりますね。
後は若いお姉さん方がお酒を注いでくれるサービスのお店ぐらいしかない。
でも、北海道だ。ディープなお店が北海道にはある。
北海道のキャバクラは全国的なキャバクラとは違い、全国的にいうキャバクラは北海道ではクラブに相当する。また、北海道のキャバクラは、ソフトキャバクラとハードキャバクラの2種類に分類される。
ソフトキャバクラとは、所謂オッパブというやつだ。店舗の中で一人に一人お姉さんが付き、片足に足を絡められて、楽しいお話をしながらお酒を飲んでいると、15分か20分に一度ダウンタイムというやつがある。
ダウンタイムとはどんなものかというと、元々薄暗い店内の明かりがより暗くなり、黒服お兄さんが急にマイクでノリノリなアナウンスをすると、いったいどういうことでしょう、お姉さんは我ら男性の腰にまたがって、上に羽織っていた服を脱いでお胸をさらけ出して、お客さんが自由に触ったり揉んだりぺろぺろしたり吸ったりできる時間帯なのです。
童貞をこじらせた僕でもギリギリ行けるレベルだ。
ちなみにソフトキャバクラは胸を触れるが、ハードキャバクラは性器も触れる店だ。
もちろん、これら北海道のキャバクラが法律に触れているか触れていないかは聞かないでくれ。
ハードキャバクラは先ほど言った性病が怖い童貞戦士には無理な話なので、僕は賢者の指輪の性能チェックのためにソフトキャバクラへ行くことに決めたのだ。
僕はススキノの中にある案内所に行った。案内所がどこを案内するのか、というと当然風俗店だ。案内所には先ほどのキャバクラなどお酒の出る風俗店のフリータイムチケットがある。
フリータイムチケットとは、何時間でもいてもいい、という意味ではない。隣に付くお姉さんは選べない、という意味のもので、30分または40分でおしまいのコースだ。お値段も3000円から5000円くらいである。このチケットを貰わないで同じフリータイムで入ると2000円くらい差が出たりする。ススキノ初心者には痛い出費だ。成人になりたてのチェリーボーイたちは気をつけるんだ。
なんで僕がこんなに詳しいかって、そりゃ童貞こじらせて35年だぜ。ネットで情報を探しては、結局行かない、というチキンを繰り返しているんだぜ。
僕はとある店に対応するフリータイムチケットを貰いその店に歩いていく。
先ほどの案内所の周囲や店舗に行く途中で、
「うちの店で遊んでいかない」
「お兄さん、お店決めたの?」
などと声をかけてくるお兄さんたちがいる。これは客引きである。こんな人たちに連れて行かれる店はろくなものではない。最悪、無許可営業の風俗店の可能性があり、ホイホイついて行って、全裸でウホホーイと遊んでいたら、警察が踏み込んできて「動かないでください」と言われて写真を撮られるはめになるのだ。
そもそも、よく考えてほしい。薄汚い服を着た知らないお兄さんが声をかけてきて店を勧めてくるとかそうとう胡散臭い。しかも、35歳のおっさんに声をかけている時点でかなりヤバい。35歳の童貞おじさんなんて存在自体がそうとうヤバい。早く妖精になって飛んで行ってほしいもんだ。
僕はススキノのちょっとディープな風俗店街へ足を踏み入れる。街ゆく酔っぱらった男性グループがそこかしこに歩いていた。
僕は鼓動を高めながらとあるソフトキャバクラのフリータイムチケットを握りしめて、当該店舗の入り口を踏み入れる。ちなみに風俗店の一番の興奮ポイントは店に入る瞬間、とエリート風俗戦士が言っていた。賢者の指輪のおかげか、興奮はしないが、緊張感はぱねぇっすわ。
店舗の入り口には小型の無線機を着けた黒服のお兄さんが一人立っていた。お客さん対策なのか警察対策なのか、僕にはわからないが、ダンジョンのような異質な空間に入ったような気分になった。
店内に入ると黒服のお兄さんが接客してきたので、フリータイムチケットを渡すと前払いだということでお金を渡した。店内で指名したりするとフリータイムチケットの値段ではなくなると言われたり、延長すると当然料金が加算されると言われた。うっかりいい気分になって居残らないように気を付けよう。
黒服のお兄さんに店内を案内されて、席に座るとすぐに大学生くらいの年のなかなか可愛い女の子が横に座った。服装はほとんど下着だろう、というようなヒラヒラしたベビードールを着ただけだった。
女の子は
「足いいですか?」
と言いながら僕の片足に足を絡めた。初めてのことで心拍数が上がってくる感じがするが、賢者の指輪の効果は抜群で、一切股間に反応がないし、性的な欲求が膨らむような感じもなかった。
その後は、女の子はいろいろと僕に話を向けてくれるが、童貞でコミュ障の僕はこちらからどうやって話を広げれば良いかわからない。
キャバクラってお酒を飲みながら女の子と楽しく話す場所なのに、コミュ障で童貞を患った僕には苦行だった。
しばらく、修行僧のように滝に打たれる気持ちで苦行をしていると、薄暗い店舗はさらに暗くなり、ノリノリな男性の早口で低い声のアナウンスと共に艶やかな音楽に店内のBGMが変わった。
女の子は僕の腰にまたがり、吐息を出した。女の子の体って意外と軽く感じたけれど多分50キログラムはあるはずだ。これは多分、興奮のせいではなくて冒険者としてレベルを上げてしまったからだろう。こんな店の中で頭はしっかりとしているせいで、少し悲しい気持ちになってきた。
女の子は可愛いのに妙に悩ましい気持ちになるような表情で僕を見つめながら、ベビードールの肩ひもを外し、胸をはだけた。そして、僕の手を取り胸へ持ってこさせ、指先が触れた。
異性の胸なんて、母親の母乳を飲んでいた時くらいしかないと思いながら、しっとりとしていて艶のある胸を揉んだ。女の子はその間僕の片耳を舐めたり甘噛みしたりし始めた。
僕は指先に神経を集中させて揉んでいると、ふと気が付いた。
「あれ、ここにしこりある」
女の子は艶のある表情から急に覚めて、
「え、本当、ん……小さいけど、なんかある。ほんとだ。しこり……かな。私も、他のお客さんも気が付かなかったのに……凄いね!」
なんていうのだろう。
こっちは全く下腹を熱くさせることなく、一部を固くすることもなく、むしろ胸の内部の硬くなっている部分を見つける始末だ。
胸を触診するお医者さんってこんな気分なんだろうか。
女の子からは感謝されて店を出た。
40分、結局緊張したが、一部が膨張することもなく賢者の指輪の効果(副作用)を強く実感した。
費用は女の子が頼んだドリンク代が追加されて2000円取られ、5000円の出費だった。全く、コミュ障に対してとんでもない商売してやがる。5000円あればちょっと贅沢なラーメンが5杯食べられる。
悔しいので、石狩市に本店がありススキノの外れくらいにある味噌ラーメンが旨いことで有名な店に行って信州みそラーメンを大盛で食べよう。
そんな風にして、僕の人生初のキャバクラはクソみそに終わった。
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