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Eternal Fortitude 7

まとめて書いた分です。

文章量が短かく、前の文章に混ぜるのも区切りがイマイチな気がして分けています。

「雨でも降るのかな」

 曇り空になった天気を見上げて僕はつぶやいた。

 田舎の人間は雨の匂いがわかると言われる。僕もその一人だ。埃っぽいような匂いで『ペトリコール』と呼ばれるらしい。

 モエレ山ダンジョンはいつも通りの活気で、冒険者家業の者や観光客がたくさん行きかい、露店ではダンジョン産の怪しいものや装備が売られている。

 僕は露店の店主にポーションを一瓶売ってくれと話していた。露店の店主は僕がいつもここで買ってくれるからと言って一割引きにしてくれると言っていた。ポーションを受け取りながらありがとうと言ったのだが、そんな会話が僕にはうまく頭に入ってこなかった。心ここにあらずのような感じだ。自分自身でレベルを上げようと思って張り切ってきたのに。できればもうここから帰りたいと思い始めていた。

 なんか嫌な予感がする。

 ポーションの真偽とかじゃない。なんかヤバい感じがする。

 急に光が地上から上空に向かって飛んで行った。光の部分の雲が消えて空の明かりが差し込んだ。

 するとほぼ同時に爆発音と衝撃が僕の体を襲った。屋台も屋台の店主も近くにいた冒険者も観光客も吹き飛んで行った。


 数秒だったのか数時間だったのか、僕は意識を無くしていた。真っ暗な世界にいた僕は、しばらく冷静に考えると体は瓦礫の下に埋もれているはずだろうと思って、ポーズを決めているわけではないので変身できるかどうかわからないが奇跡を信じてヒーロー変身を願うと、いつもの銀髪赤目の美少女ヒーローに変身した。瓦礫を起こしながら体を這い出すと、運よく壊れていなかった携帯端末が振動していた。端末の振動は『避難しろ』との指示の場合だ。

 ヒーロー局がヒーローに出動要請する場合は、出動要請に応じないと恥ずかしい気持ちを出させるために音を出している、というところもある。避難指示を出す『振動』は、ヒーローが周囲の住民の期待する視線に仕方なく応えようとして無駄死にさせないための助け舟である。今の衝撃波だけで一帯が救助すら絶望的な状態にした怪人・怪獣がおり、そんなのFランヒーローには荷が重すぎるということだ。それに身をもって知ったしね。

 ポーションを手に持った瞬間、衝撃波を食らい、割れたポーションが運がよく自分にかかったおかげで死なずに済んだのかもしれない。

 とにかく、変身してしまった以上は、周囲の生き残りの人を探しながら安全圏に避難しなければ。

 僕は屈みながら周囲を見回すと瓦礫を突き進む、アルマジロみたいな恰好をした男が見えた。

 そのアルマジロ男に向かって走ってきたヒーローがいた。B級戦隊モエレンジャーだ。地元を愛して、地元を守るヒーローの聖地『モエレ沼公園』が破壊されたのだ。黙っていられるわけがないのだろう。

 アルマジロ男の頭が急に、パッカーンと開いた。開いた先には筒状のモノがあった。

 おいおい、亀の頭かよとかゲスいこと考えながら、じっとそこを見ていると、そこに急に光が集まり、モエレンジャーのいた場所に向かって放たれ、後に轟音が続いた。

次の話でまとめ書き分終了です

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