Eternal Fortitude 2
しばらく忙しくて休んでいました。ログインできない間も、読んでいただき、また、評価・ブックマークしていただきありがとうございます。
ゴブリン、ダンジョンといえばゴブリンと言われるほどの有名なモンスターだ。
身長は140センチメートルくらいで、体格は痩せ型、頭が体に比べて大きく、顔は醜い。彼らは生物ではなく妖精に該当する。
モエレ山ダンジョンの2階層が彼らのすみかだ。
2階層の序盤は1匹ずつ現れることが多い。中盤には2匹以上がデフォだ。
レベルを上げることも大事だが、安全に怪我なく倒すことが大事だ。そして、盾の使い方を鍛え、ヒーローとしての戦いに備えるのだ。ほら、防御は最大の攻撃だし。童貞を守ることには定評のある椿吾郎としても鍛えたいところだ。
淡く洞窟の壁が輝いており、視認性は良好であるが、当然相手からもこちらは丸見えだ。
しばらく道なりに進むと、ゴブリン第1号と出会った。
彼は僕を見つけるや否や、走り込み持っていた棍棒を振りかぶった。
僕は心拍数を上げながら、盾を構えて踏ん張ると、衝撃とともに左腕に痺れを感じた。普通にガードしてはいけない、勢いを流さなければ思うが、とっさになんてなかなかできない。
右腕に持った棍をゴブリンにめがけて振るうと、ゴブリンの頭が潰れ、そのままゴブリンは倒れた。
ゴブリンの死体はすぐに消えて、その場には緑色の液体が入った三角フラスコが落ちていた。
ドロップアイテムのポーションだ。飲んだり傷口に垂らすと回復するというアイテムだ。一応、一本だけ用意してはいたが、回復薬が増えるというのはいいことだ。
ゴブリン第一号に感謝をしながら、ポーションを鞄に収納した。
しばらくゴブリンを倒しながら進み、強めの一発をもらってしまい、先程のポーションを一本飲み干すと、打撲の跡が引き、少しだけ体力も回復した。
一呼吸をつけるために座り心地の良さげな石の上に座り、コンビニで買ったシーチキンマヨネーズのおにぎりをかじる。カロリーはかなり消費していると思うから、さらに板チョコレートを食べようと鞄から取り出しながら、ステータスの上昇を確認する。
ステータスオープンと念じると自分の顔の前にA4サイズくらいの半透明の板が現れ、そこに数字などが記載されていた。
椿吾郎
レベル10
力 59
体力 58
素早さ 57
魔力 36
運 52
ステータスは1レベルあたり3〜5程度上昇する。レベル10を超えるとボーナスで、通常の1レベル上昇分の3倍程度のステータスの値が上昇がある。
僕は魔力は低いがそれ以外なら平均値よりも高めだった。ヒーローに変身することを考えればまあまあいい方だろう。
このステータスの値は人それぞれに個人差があるが、レベル1の一般的な人とレベル10の人とのステータスの差は概ね10倍くらいになる。でも、ステータスの値がそのまま実際の能力に反映されているわけではない。レベル1とレベル10で腕力を比べると、だいたい2倍くらいの差だ。レベル1とレベル20で比べると3倍くらいだ。
とりあえず、これからは僕はいつもの税金に50万円が加算された高額納税者だ。税金を多く払っている僕に頭を深く垂れるといい。でも、この2階層やその奥にいる方々はもともと高額納税者だ。僕が頭を垂れなければならない。
僕はゴブリンを黙々と攻撃を受けては、脳天を潰す作業を繰り返す日々を続けた。
多分、ゴブリンたちには飽きられていると思うくらいひたすら続けた。
時々、ハウンドドッグというハスキー犬を1.5倍くらいの大きさにした犬にも襲われた。
腕や足を噛まれてもぎ取られそうになったり、そのワン公に囲まれ、腹を噛まれ、内臓を食いちぎられて生死を彷徨うこともあった。
パイソンというでかい牛のツノがケツに刺さって、2個目のケツの穴を作られたこともあった。
死にそうになった時は、ポーションがぶ飲みしてしのいだこともあったが、親切な冒険者家業の人たちの助けもあったおかげで奇跡的に生き延びたことの方が大きかった。
そんなわけで、とうとうレベル19まで上昇した。
これで、普通の人の約3倍弱くらいの能力となったはずである。ヒーロー変身をすれば、今までの2倍くらいの力と素早さが期待できる。きっと打たれ強さも2倍になっていると信じて星5つ。
モエレ山ダンジョンから出てきた僕は、得た素早さを確かめるために、ゲーセンに立ち寄ることとした。
ゲーセン、それはまた一つの魔境だ。
いつまでも取れないクレーンゲーム。プリクラコーナーにいるカップルども。球体の筐体に入って己の戦争をしている兵。終わりが見えないコインゲーム。
そして、その中の音ゲーコーナーに僕は向かう。音ゲーは正直いかれている。リズムに合わせてボタンを押しましょう、ステップを踏みましょう、太鼓を叩きましょう、とか説明しているが、画面に表示される、ここでボタンを押してください、という感じのあの記号とかめちゃくちゃ早いじゃん。どこのボタン押せばいいのかわからないじゃん。無理じゃん。今までアクションRPGだったのに音ゲーに変えるなよふぁっく、みたいなことを僕は思うわけです。とにかく、僕が言いたいのは音ゲーやばい、音ゲー好きなやつもっとやばい。
大昔からある音ゲーの金字塔、ダンスダンスレボリューション。
画面に表示されたマークが画面の下の横線に重なる瞬間にステップを踏む、あのゲームだ。
とにかく、そのマークが重なりまくっていて、初心者にはステップなど踏めずにハードラックとダンスっちまうやつだ。
あえて初心者の自分がどれだけスピードについていけるのか試しておきたい。




