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殺し屋探し1

「えーっと……ミーナちゃんは何やっているの?」


 門から少し離れた場所でかかし相手に木製の剣を構え、ずっと反復横跳びをしているミーナを見て、シャフリは門の前で様子を見ていたソフィアとサラスに尋ねた。


「あ、お帰りなさいませ。シャフリ様」


 ニッコリと笑みを浮べ、シャフリを迎えるサラス。


「いやいや、お帰りなさいませじゃなくて、ミーナちゃんは何しているんですか!?」


「剣の練習です」


 シャフリに目を向けることなく、ソフィアが言葉を返す。


「いや、見たら分かりますけど……」


「少し問題があって、急ピッチで作ったかかしに練習相手になってもらっています」


「どういった経緯で剣の練習をしているのかを聞きたいんですけどぉ!?」




 ◇◇◇




 ソフィアから経緯を全て聞いたシャフリは、温かい眼差しでミーナを見つめる。シャフリの視線に気づくことなく、ミーナはかかしに対して剣を構え続ける。


「そっか……私やお父さんのことを思って」


「まあ、他にも理由がありそうでしたが、深くは聞いていません」


 シャフリとソフィアは静かにミーナを見守り、剣の構えが良くなったと判断したソフィアはミーナに声をかけようと立ち上がる。


「さて、そろそろ良いでしょう。ミーナ様」


 ソフィアはミーナの所に行ってしまい、シャフリは門の前に座り続ける。


「……分かってはいたけどミーナちゃん、頑張り屋さんだね」


 瞼を閉じて、今日1日の出来事を思い出したシャフリは、覚悟を決めて勢いよく立ち上がる。


「よし! 私も頑張るよ!」


 シャフリは屋敷の中に入っていき、ある場所に向かった。




 ◇◇◇




 喫茶店の個室でエディックからバルディゴが残した言葉を聞いたジークは、表情を崩すことなく紅茶を一口飲む。


「驚かないのか?」


「予想は出来ていました。バルディゴさんを始末した後、次に標的になりそうな人物は……奥様だろうと」


 バルディゴが残した言葉。それは、次の標的はサロミアであると言うことだった。


「まあ、奥様が簡単に殺されることはないでしょう。無警戒のように見えますが、結構警戒心が強いお方です。エディックさんも知っているでしょう?」


「……まあ、そうだが」


「通信バットを使って、後で奥様に事情を説明しますが……それよりもエディックさん。バルディゴ様を襲った殺し屋……点数を付ければ、何点くらいになりますか?」


 するとエディックの表情が曇り、エディックが拳を作ったタイミングで口が開く。


「決まっているだろう。0点を通り越してマイナスだよ。とても一流とは呼べない仕事だ。利口な点を挙げるとしたら、1人になったタイミングで襲ったこと。銃を使わずに刃物で殺そうとしたところだな。刃物は銃弾よりも足がつきにくい。この点は結構評価に値するが、段取りが悪すぎる。焦りでもあったのか、明るい時間帯に襲うのはナンセンスだ。それに完全に殺しきれていない。信用問題に関わることだ。クライアントは今頃激怒しているだろう」


「流石は元殺し屋……結構見ていますね」


 するとエディックは頭を抱え、手を横に振る。


「昔の職業病が再発しただけだ」


「いえ……エディックさんのお陰で、結構状況は理解できました。感謝します」


 ペコリと頭を下げたジークは即座に通信バットを取り出し、サロミアとの通信を試みる……が、サロミアが応答することはなかった。


「もしかして……サロミアちゃんが!」


 流石のジークも不安になり、何度も通信を試みるが結果は変わらなかった。


「まさかとは思いますが……」


「サロミアちゃんが……」


「応答しないわねぇ……」


 数秒ほど通信バットを見つめるジークとエディックだが、その場にいないはずの人物の声が聞こえ、同時に入り口に目を向ける。


「さ、サロミアちゃん!?」

「奥様!?」


「ズルいわよ~。2人とも! 私もゆっくりお茶したいのに~」


 心配していた2人を余所に、サロミアはエディックの隣に座り、厨房に紅茶のオーダーを出す。


「奥様……良くここが分かりましたね?」


「ん? このお店のオーナーさんとの商談が終わったときに、たまたま声が聞こえてね~。時間も余裕があったし、入らせてもらったわ」


 2人は顔を引きつりながらサロミアを見つめ、深くため息をつく。


「……断片的だけど、話は聞かせてもらったわ。私が狙われているそうじゃない」


 狙われているのに楽観的に離しているサロミアを見て、エディックが思わず声を大にする。


「のんきなこと言ってないで、今日は帰ってよ! サロミアちゃんに何かあったら僕は……」


「気持ちは嬉しいけど、仕事が終わらないから帰れないわ」


「ううぅ……サロミアちゃん」


 泣きながら抱きつくエディック。そんなエディックの頭を笑みを浮べながら撫でるサロミア。


 その時、険しい表情を浮かべているジークを見たサロミアはニッコリと笑みを浮べて、声をかける。


「あらあら……真剣な顔しちゃってぇ。もう少し余裕を持ちなさい」


 何か言いたそうな顔をするジークだが、言葉を飲み込む。


「そんな2人に有力な手がかりよ」


『え?』


 サロミアは2人の前にある物を見せ、2人は目を丸くする。

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