表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/172

王宮での会食1

 シャフリと会えたことで、何とか王宮に入れる状態に戻った私は、ジークの後について行った。


「キャー!! 王宮には入れるなんて、幸せすぎる~」


 シャフリうるさい。


「コラ! 約束しただろ? 子供じゃないんだから、静かにしなさい!」


 シャフリの父……えっと、名前は……。


「ミーナお嬢様を見習いなさい! 堂々として、おしとやかじゃないか!」


 いや、ただ緊張しているだけだし、他人の目が気になるだけなんだけど……。


「皆様。約束の時刻が迫っています。急ぎ、中に入りましょう」


 懐中時計で時刻を確認したジークが、シャフリの父に声を掛ける。


「おお。すまない……えーっと」


「直接会うのは初めてでしたね。私はミーナお嬢様にお仕えしているジーク・アルヴェルドです。以後お見知りおきを」


 ジークの名前を聞いた途端、シャフリの父が笑みを浮かべて、ジークの同意を得る前に握手を交わす。


「おお!! そうだった!! そうだった!! サロミア殿から名前は聞いていたが、話すのは初めてだった!! 私は……」

「バルディゴ・クリスティさんですね。ゆっくりお話ししたい気持ちは山々ですが、中に入りましょうか」


 長くなると判断したのか、ジークはゆっくりとシャフリの父、バルディゴさんの手を放し、私に近づいてきた。


「行きましょう。お嬢様」


 ジークは優しく私の手を握り、王宮の中へとエスコートし始めた。


 突然手を握られた私は混乱し、恐らく顔を赤くしていただろう。


「え? ちょ、ちょっと!!」


 ふとシャフリの方に視線を向けると、ニヤついた表情を浮かべて口に手を当てていた。


 何笑ってんのよッ!!




 ◇◇◇




 バルディゴさんがいたお陰で、難なく入宮審査を通過できた私たちは、客間で待機していた父と母、そして護衛モードに入っているカーリーと合流する。


「あら? やっと来た……と思ったらバルディゴも一緒だったの?」


 待っているのに飽きてしまったのか、母はダランとした体勢でソファーに座り込んでいた。


「これはサロミア殿。いやはや、偶然ミーナお嬢様と一緒になってしまいまして」


 すると母は肘置きに肘を置き、頬杖をついて、バルディゴさんに目を向ける。


「……私の可愛い娘に触れてないでしょうね?」


 気色悪い!! いつも可愛いとか言わないのに、ここぞとばかりに言うんじゃねえよ!! クソババァ!!


「触れてませんよ」


「ミーナちゃんのお母さん、お父さん。そして、カーリーさん。こんにちは!」


 屋敷に遊びに来たときの口調と変わらず、シャフリは挨拶をする。


 父とカーリーはペコリと頭を下げ、シャフリの顔を見た母は、満面の笑みを浮かべて、姿勢を正す。


「あら~。シャフリちゃん、こんにちは。今日は魔法使いの正装?」


 今日のシャフリはいつもの白黒姿ではなく、白のシャツとスカート。白い魔法使いハットに白いブーツ。全身白一色の服装で、胸ポケットやハットに装飾品をつけ、いつも持ち歩いている魔道書を腰のベルトからぶら下げていた。


「はい! 本当はもっと可愛くしたかったんですけど、お父さんがこれにしておきなさいって……」


「ふむふむ」


 母はシャフリの姿を数秒観察し、バルディゴさんに視線を向ける。


「……妻バカね」


「なッ!!」


 バルディゴさんは噎せ返り、意味が分からないシャフリは首を傾げる。


「だけど……その服、とても似合っているわよ。私はバルディゴの思いを尊重するわ」


「そう……ですか?」


 数秒ほど母の言葉の意味を考えていたシャフリだったが、面倒くさくなったのか、笑みを浮かべて、母の向かいのソファーに座る。


 シャフリの後を追うように私もソファーに座り、ジークは私の背後に待機する。


 一息つこうとするが、間が悪く入り口の扉がノックされる。


「失礼します」


 客間に入ってきたのは相応の階級を持っている兵士1人と大臣3人だった。


「ミストレーヴ家とクリスティ家のみなさん。本日はヨハネス・アルカディア国王様との会食に参列していただき、感謝を申し上げます」


 兵士が感謝の言葉を述べ、背後にいる大臣3人と共に頭を下げる。


「会食の前に、国王様が皆様に、改めて感謝の言葉を贈りたいとのことです。お疲れの中、申し訳ございませんが、移動を願います」


 すると母がゆっくりと立ち上がり、腕を組んで兵士と大臣に言葉を返す。


「あの人はいつから私を動かせるくらい偉くなったのかしら?」


 母の一言はその場の空気を凍らせ、父以外の全員が気まずそうな顔を浮かべる。


「さ、サロミア殿?」


 母は深くため息をついて、仕方なさそうな表情を浮かべる。


「まあ、良いわ。案内してもらおうかしら」


 兵士は顔を引きつりながらエスコートを始め、何事もなかったかのような顔で、母は後に続く。


「僕たちも行こうか」


 父も腰を上げ、バルディゴさんやカーリーも足早に客間から出て行った。


「……何か一気にヒリついたね」


 シャフリが思ったことをそのまま口にし、スカートの折りを正して、私の手を引く。


「行こう。ミーナちゃん」


「……うん」


 一瞬だけ背後にいるジークに目を向けた私は、ジークの表情を見て確信する。


 何が気に食わなかったのか、母は兵士と大臣たちに……殺気を向けていた。

いつもご覧になっていただき、ありがとうございます!

そして、遅くなってしまって申し訳ございません。


続きが気になる方は、ブックマーク登録よろしくお願いします!

誤字脱字、文章的におかしな部分がありましたら報告お願いします。

評価や感想を送っていただけると、今後の励みになります。差し支えなければよろしくお願いします!


先日ブックマーク登録していただいた方、ありがとうございます!

この後書きにて失礼しますが、感謝の言葉を贈らせていただきます。


これからも楽しんでいただけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ