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暗躍の従者1

「ねえ、あなた」


 サロミアは執務室の机に頬杖をついて、エディックに尋ねる。


「どうしたの? サロミアちゃん」


「ジークくんはミーナちゃんを必ず王宮へと連れて行くって言っていたけど、本当に出来ると思う?」


 エディックは渋い表情を浮かべ、顎に手を当てる。


「……難しいな。僕たちの接し方を見ても、まだまだじゃないかな? 今回は一緒に来てくれないと思う」


「だよね~。でも、国王は楽しみに待っているって……」


 サロミアは国王から届いた手紙を見て、深くため息をつく。


「ミーナと国王が会ったのは、ミーナが生まれてすぐの時だったからね。久しぶりに見たい気持ちは分からないこともないけど……」


 王宮訪問の件で、2人が深く悩んでいたその時、誰かが扉をノックする。


「どうぞ。入りなさい」


 サロミアが扉の向こうにいる人物に、入室を促す。


「失礼します」


 部屋に入ってきたのはメイド長のカーリーだった。


「途中経過を報告しに参りました」


 報告という言葉を耳にしたサロミアとエディックは真剣な表情を浮かべる。


「カーリーちゃん。ミーナちゃんとジークくんに動きはあった?」


 カーリーは首を横に振り、申し訳なさそうな表情を浮かべる。


「残念ながら、王宮絡みの話はなく、いつも通りお嬢様のお世話をしています」


「そう……分かったわ」


「申し訳ございません」


「カーリーくんが謝ることないよ。誰も悪くはないし、ジークくんの事だ。策でもあるに違いない」


 エディックが気落ちしているカーリーに、優しい口調で話しかける。


「で? 王宮の調査の方も途中経過を聞こうかしら」


 サロミアの問いかけにハッとなったカーリーは真剣な表情に変わり、扉の外に誰かいないかを確認する。


「……誰もいないわね。奥様、旦那様。今から話すことは他言無用でお願いします」


 自然と空気がヒリつき、サロミアとエディックはカーリーの調査結果を耳にする。




 ◇◇◇




 4時間ほどぶっ通しで魔法の基礎練習を行った私の精神は、限界どころか崩壊しかけていた。


「……もうダメ。ベッドで横になりたい」


「まあ、数時間練習した割には結構上達しているし、今日は終わりましょうか」


 おお!! 神様、仏様、シャフリ様!! その言葉を私は待ち焦がれていました!!


「やっと終わったぁ……って、もう15時じゃないッ!! お昼どころか、お茶の時間に踏み込んでいるじゃないッ!!」


「あ、もうそんな時間だった?」


 教える側なんだから、せめて時間くらい把握してよ!! ああ……集中が途切れたら、お腹が空いてきた。


「……お願いだから、ご飯くらい食べさせてよね。と言うか、ジークは何処行ったのよッ!!」


 いつもならお昼時になると、ワゴンにランチを乗せてやってくるのに、顔すら出さなくなった。一体何処で何しているのかしら!? あのバカ執事は!!


「ジーク! ジーク!!」


 私の呼び声に反応するかのように、扉がノックされる。


 外で待っていたのか……。


 しかし、部屋に入ってきたのはジークではなく、古株メイドだった。


「あれ? ジークはどうしたの?」


 すると、メイドは淡々とした口調で私に言葉を返してくる。


「ジークさんから伝言を預かっております。軽食はワゴンの2段目に入っています。紅茶はもうしばらくお待ちくださいとの事です」


 シャフリがワゴンの2段目を確認すると、大皿に乗った数種類のサンドウィッチが入っていた。


「あ、入ってるよ」


「もうしばらくって……外出でもしているの?」


「すみません。私も深くは聞かなかったものですから……」


 全く……肝心な部分を聞いていないなんて……まあ、良いわ。


「分かったわ。下がって良いわよ」


「失礼します」


 伝言を伝えたメイドは部屋から出て行き、シャフリと私は用意されていたサンドウィッチを食べ始める。


「ところでさ。ミーナちゃん」


「何よ」


「普通、用意してあったらワゴン持ってきたときに言うよね? ジークさん言い忘れたのかな?」


 確かにシャフリの言うとおりだ。何故、先輩メイドに伝言したんだろう?


 首を傾げつつも私はサンドウィッチを口に運び、空腹を満たす。




 ◇◇◇




 王宮周辺の繁華街にて、住民や商人、衛兵たちが行き交う中、細い路地に息を潜める1人のフード男が王宮の外周を観察していた。


「……ふむ。さらっと一周見てきた感じ、警備が手薄なのは東側と西側の入り口か」


「熱心に調査しているようだけど、私の立場も考えなさいよね」


 フード男に話しかけたのは、黒いスーツを身に纏ったカーリーだった。そして、フード男はフードを取り、正体を現す。


「奥様や旦那様に嘘をつくのは嫌なんだけど? ジークくん」


「気を遣わせてしまって申し訳ございません。メイド長。しかし、お嬢様が無事に王宮で会食を楽しめるよう、下見をしておくのは従者の役目」


 カーリーは腕を組んで、呆れた表情を浮かべる。


「意外と無鉄砲ねあなた。お嬢様の事になると自分の危険を顧みずに動くなんて呆れるわ……まあ、私も同じだけどね。それと、王宮内の下見をする前に、あなたにも伝えておかなきゃいけないことがあるわ」


 ジークは目を細めて、カーリーの瞳を見つめる。

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