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ミーナとひょっこりちゃん5

「はぁ……」


 深くため息をつくサロミアに、エディックが声をかける。


「どうしたの? サロミアちゃん。ため息なんてらしくないよ」


「ごめんなさい。実は、バルディゴの娘ちゃんに、ミーナちゃんの魔法指導をお願いしたんだけど……」


「あー……察するよ」


 サロミアは頭を抱えて、解決策がないか考え込む。


「色々考えすぎて、仕事にならないわよ~」


「バルディゴの娘ちゃんを拒むようなら、2週間後の王宮も無理そうだね」


 それを聞いたサロミアは机に顔を伏せる。


「そうね……無理そうよね」


 その時、執務部屋の扉がノックされ、サロミアとエディックは一斉に扉の方に視線を向ける。


「誰だ?」


 エディックが扉の向こうにいる人物に尋ねる。


「私です。カーリーです」


「おお。入って良いよ」


「失礼します。奥様、旦那様。お客様がいらしてますが、如何なさいますか?」


 サロミアとエディックは同時に首を傾げ、カーリーに訪問者の名前を聞く。


「今日は訪問してくる人はいないはずだけど……誰なの?」


「バルディゴ・クリスティ様です」


 名前を聞いた瞬間、サロミアは固まり、エディックは気まずそうな表情を浮かべる。


「ご面会なされますか?」


 淡々とした口調でカーリーは2人に尋ねる。


「あー……サロミアちゃん?」


「追い返すわけにはいかないでしょ。応接室へ案内しなさい。もう少ししたら私も行くから」


「承知しました。では、クリスティ様を応接室にてお待たせしておきます。失礼します」


 カーリーが部屋を出て行くのと同時に、サロミアは深く項垂れる。


「大丈夫だって! サロミアちゃん! 顔を上げて!」


「あのクソ真面目な魔法使いめ。何しに来たのかしら……ってなんとなく察しはつくけど」




 ◇◇◇




「おっかしいわね~? ジーク。本当に敷地から出て行ってないの?」


「はい。シャフリ様が出て行った報告は聞きませんでした。まだ敷地内にいるはずです」


 私はジークが得ている情報を頼りに、シャフリを探していた。


 しかし、屋敷の中や中庭、外庭全てを探し歩いたが、シャフリを見つけることが出来なかった。


「空を飛んで出て行った可能性はないの?」


「私も最初は考えました。人外種なら自分の翼や能力を使って飛ぶことは出来ますが、シャフリ様は人間。翼はありませんし、空を飛ぶ場合、魔法を使うはずです。しかし、魔法を使った形跡はなく、目撃情報もありません」


「じゃあ、何でいないのッ!? 透明人間にでもなったの!?」


「考えが極端すぎます。お嬢様。それに、まだ探していない場所があるはずです」


「まだ探していない場所?」


 ジークの助言を聞いて、私は屋敷の敷地内で探していない場所を、脳内でピックアップする。


 キッチン……隠れる場所もないし、そこにいたとしても、誰かが目撃しているはず。


 庭にある用具庫……手入れ道具など保管していて、隠れる場所にはもってこいだけど、ジークが探しに行った時には誰もいなかったはず。


 地下室……万が一のためのシェルター代わりの部屋。だけど、地下に行く通路は隠されていて、誰かが侵入すれば、警報ベルが鳴る。警報を解除するには暗証番号が必要だし、シャフリがそこに行った可能性は低い。


「あとは……」


「お嬢様。お嬢様がよく知っている場所で、まだ探していない場所があります」


「私が知っている場所?」


 私は顎に手を当て、再び考え込む。


 考えに行き詰まっているのを察したジークは、屋敷の通路から見えるある場所を指さした。私はジークが指さす方向に目を向け、ハッとなる。


「見晴台はまだ探していませんよね?」


 私のお気に入り場所ぉぉぉぉ!!


「完全に忘れてた……ジーク、行きましょう」


「御意!」


 私はジークを連れ、お気に入りの場所である見晴台へと向かった。




 ◇◇◇




 見晴台の最上階で風に煽られているシャフリは、悲しげな表情を浮かべていた。


 そこに、ミーナがいつも餌付けしている小鳥が集まり、1羽がシャフリの肩に止まる。


「……こんにちは。ごめんね。今は何も持ってないの」


「チィ?」


 小鳥は少し首を傾げ、怯えることなく、シャフリの肩に留まり続ける。


「慰めてくれるの? ありがとう。だけどね……もう諦めるの。他人の意見を無視して、何度も距離を縮めようとした結果、自分が傷ついて、他人から嫌われる。昔に経験していたのに、また私の悪いところが出てしまって……バカだよね。私」


 シャフリはゆっくりと立ち上がって、見晴台から身を乗り出そうとする。


「そろそろ帰らなくちゃ……あなたたちの場所を取ってしまってごめんね。落ち込んだままの顔で帰ると、お父さんが心配しちゃうから」


「チュン!」


 一向に飛び立とうとしない小鳥に、シャフリは困った表情を浮かべる。


「あ、あの~。そろそろ降りてくれるかな? あなたを連れたまま、帰るわけには……」


「チィ??」


「良くやったわッ!! みんなありがとう!!」


 突然の大声に驚いた小鳥たちは一斉に飛び立ち、シャフリは声が聞こえた方向に目を向ける。


「み、ミーナちゃん!?」


 そして、飛び立った小鳥は逃げるのではなく、ミーナの周辺に集まり、翼をたたんで待機する。


「シャフリ……やっと見つけた」

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