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お父さんも遊びたい1

 気持ちが落ち着き、次の日を迎えた私はジャージに身を包み、ジークと共に中庭でストレッチを行っていた。


「お嬢様。しっかり体を伸ばしましょう」


「イタタタタッ!! ちょっと! 痛い! 押さないでぇ!!」


 ジークに背中を押してもらい、前屈をしているが、手が足に触れることはなく、痛みに必死に耐えていた。


「しっかり伸ばさないと、この前みたいに怪我しますよ」


「うぐッ……流石に怪我するのはヤダ」


「では、しっかりストレッチしましょう」


 笑顔を浮かべたまま、ジークは容赦なく私の背中を押す。


「アバババババッ!!」


「大げさですよ。さあ、準備完了です」


 ジークが私の手を引き、私は何とか立ち上がる。そして、ボールを手に取り、地面に数回弾ませる。


 やっとできる。自業自得でお預けになっていたけど、体を使う遊びなんて8年ぶりね。


「嬉しそうですね。お嬢様」


「べ、別に嬉しくなんかないわよ」


「そうですか」


 ジークはクスクスと笑い、口に手を当てる。


「では、バスケットボールの基本。ドリブルからやってみましょうか」


 片手でボールを地面に何度もバウンドさせて、歩き始めるジーク。


 私も見様見真似でボールを地面にバウンドさせるが、中々上手くバウンドさせることが出来ず、思わぬ方向にボールが飛んでいく。


「わッ!! 何これ……結構難しいわね」


 何度も何度も失敗し、ボールに振り回された私はイラつき始める。


「なあぁぁ!! もうッ! 全然上手く出来ない! こんなことよりもシュート打ちたい!!」


「焦る気持ちは察します。ですが、シュートよりも重要なことなので、ゆっくりで良いのでしっかり身につけましょう」


 私は顔を膨らませ、いかにも不満があると言わんばかりの表情を浮かべる。


「ブー……分かったわよ」


 引き続きボールを弾ませる私だが、やはり上手くボールをコントロールすることが出来ない。


 すると、暇なのかジークはゴールに向かってシュートを放つ。ボールが吸い込まれるようにゴールに入り、バウンドしているボールに向かってジークは駆ける。再びボールを手にしたジークは、ボールを直接ゴールに入れようと、高く跳ぶ。


「高ッ!?」


 ジークの跳躍力に驚いた私は思わず声を上げてしまう。


 その時、私の横を誰かが通り、ジークが持っていたボールを弾く。


「おや?」


 一瞬の出来事にキョトンとするジークは、ボールを弾いた人物に視線を向ける。


「高く跳ぶね~。ジークくん」


「お見事です。旦那様」


 現れたのは、父エディックだった。


「な、なんでここにいるの? 仕事はどうしたの?」


 私は父とジークに駆け寄り、思いを口にする。


「今は休憩時間なんだ。中庭覗いたら面白そうなことしていたから、つい乱入しちゃった」


「しちゃったじゃないわよ」


 私は呆れ顔を浮かべ、父に背を向けてドリブルをつく。


「旦那様。もし宜しかったら一緒に遊びますか?」


「良いのかい?」


 良くねーよ。さっさと帰れ。


「では、お嬢様と一緒にドリブルからやってみますか」


 ジークは転がっているボールを父に渡し、父は嬉しそうな表情を浮かべてボールを優しく撫でる。


 どーせ私と同じで、上手くボールをバウンドさせられないだろうなぁと思っていたが、父がボールをつき始めると力強いドリブル音が響いた。


「え?」


 私は呆気にとられ、教える側のジークも思わず苦笑いを浮かべていた。


「お、意外と力を入れなくても弾むなぁ」


 そのまま父はドリブルしながら駆け出し、自由自在にボールを操る。


 私は開いた口が塞がらなくなり、唯々父がドリブルしながら移動している姿を見続けた。


「素晴らしいですね。旦那様」


 ジークが父に褒め言葉を贈り、調子に乗った父は地面を思いっきり蹴って、ボールをゴールに直接入れた。


 不覚にも、一瞬だけ父がかっこよく見えてしまい、私は持っていたボールを地面に落とす。


「こんなものかな?」


 ドヤ顔を浮かべつつ、私やジークに視線を向けてくる父。ジークは軽く拍手をしながら父に歩み寄る。


「完璧ですね。因みにバスケットボールをやったことは?」


「いや、ないね。外界のスポーツでやったことあるのはベースボールくらいかな?」


「おお~。ベースボールをやってられたのですか」


「まあ、ガッツリやったことはないけどね。このバスケットボールってヤツも面白いね」


「お気に召してもらって何よりです」


 私を無視して2人は勝手に盛り上がる。

 

 その時、私の脳内にある考えが浮かび上がり、2人に近づく。


「ねえ、ジーク」


「どうされましたか? お嬢様」


「2人で勝負してみてよ」


「勝負? ……ですか?」


「そう。褒めるわけじゃないけど、アイツは運動能力が高いの。そして、この遊びの経験者であるあなたとどっちが強いのか気になっちゃった」


 ジークは一瞬だけ父の方に視線を向ける。すると父はコクリと頷き、私の提案を了承する。


「それに、やってみるのも面白いけど、見てみるのも面白そうだし、やって」


「かしこまりました。それでは旦那様、宜しいですか?」


「遠慮はいらないよ。全力でかかってきなさい」


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