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ミーナの力6

 父の推測、私は他人の血の影響を受けやすいというのは当たっていた。


 シャフリの血を取り込んだ瞬間、魔力が溢れ出てくる。だけど制御できないわけじゃない。何なら今までで1番魔法を扱える気がする。


「な……何だ!?」


「左手の黒い炎は消えたが……」


「魔法も……使えるのか? 本当に人外種なのか?」


 兵士たちも私の魔力を感じ取り、驚きの表情を浮かべる。

 

 正直、私自身も驚いている。


「さっきから人外種、人外種って……良いことを教えてあげる」


 左目の視力が上がっているのを感じた私は右目の瞼を閉じ、左目で未だに戦う意志を持っている兵士全てを捕捉する。


 そして紅い球体に魔力を送り、自分の左手にも魔力を集中させる。


「私は半分人間で半分吸血鬼。奇跡の混血で、奇跡の存在よ!!」


 完璧に狙いを定めた私は超級の炎魔法を、紅い球体と共に放つ。


「フレア・バースト!!」


 9つの紅い光線が兵士たちの持っている武器のみを貫き、使用不可にする。


「バカな……全ての武器が破壊されただと?」


 呆然と立ち尽くす兵士たち。


 私は彼らを見て、戦意がないことを確認する。


「これで分かったでしょ? さっさと帰って。もし、まだ戦うというのなら……」


 私と紅い球体は兵士たちに再び魔法を放とうとする。


 流石に敵わないと思ったのか、兵士たちは私に背を向けて走り去っていく。


 無意味な戦いが続かなかったことに安心した私はホッと胸を撫で下ろし、屋敷へ向かって羽ばたく。


 気を緩めた瞬間、紅い球体は消え、左目も元の紅色に戻る。


「やれた……私はやったんだ。みんなを守れたんだ」


 自分の左手を見つめ、ギュッと拳を作る。


 しかし、ジークの血を取り込んだ時同様、シャフリの血を取り込んだ私のあの力も……私の力じゃない気がする。


「ミーナちゃーん!」


「お嬢様ー!」


 私を呼ぶ声に反応して前を見る。


 行く先には、ジークとシャフリが手を振って私の帰りを待っていた。


「ジーク! シャフリ!」


 私は勢いよく2人に抱きつき、満面の笑みを見せる。


「私……私やれたよ! 出来たよ! みんなを守れたよ!」


「見ていたよ! ミーナちゃん! 凄かった! もの凄かったよ!」


 相変わらず凄いとしか言わないシャフリ。


 いつもなら腹ただしくもなるが、今日に限っては嬉しい気持ちに満たされていた。


「お嬢様」


「ジーク」


 ジークも嬉しそうな笑みを浮かべ、私の頭を撫でる。


「ちょ!」


「お嬢様の鬼神……見させてもらいました。良い思いの込め方でした。流石です」


「しゃ……シャフリの前よ。少しは場所を考えてよぉ……」


「ミーナちゃん照れてる〜。やっぱり好きな人から頭を撫でられるのは恥ずかしい?」


 シャフリこの野郎……数時間前は冷やかしてこなかったのに。


「うっさい!! アンタもいつまで撫でてるのよ!!」


 大声を出す私を見て、2人は笑い声を上げる。


 恥ずかしがっていた私だったが、笑う2人を見てこっそり笑みを浮かべる。


「ミーナお嬢様〜」


 地上から声が聞こえ、私は視線を地上に向ける。


 そこには手を振っているカーリーと、お互いに肩を貸し合っているソフィアとサラスがいた。


 私たちは高度を下げ、ゆっくり地面に足をつける。


「ソフィア。サラス。無事で良かった」


「ミーナお嬢様……何とお詫びを申し上げれば良いか……」


「足を引っ張ったのは私です。どうかソフィアだけはお許しを……」


 帰ってくるなり頭を下げて謝るなんて……やっぱり真面目すぎるわ。この2人。


「気にしないで。2人とも。本当に無事で良かった。今回の件についてはお母さんにも話さないといけないど、私から2人の罰は軽くしてくれって頼んでおくわ。とにかく休みなさい。カーリー。悪いけど門番の仕事、もう少しだけやってくれない?」


「分かりました。ミーナお嬢様」


 私はソフィアとサラスの首に手を回し、背伸びをしながら抱きしめる。


「私は2人を信頼しているわ。本当の家族みたいに。だから気にしないで」


 2人の耳元で呟いた私は2人から手を離し、屋敷の中へと向かっていく。




 ◇◇◇




 エディックが見晴台から戻り、執務室の扉を開けると、ソファーで足を組んで座っているサロミアがいた。


「サロミアちゃん? 寝てたんじゃないの?」


「寝てたけど……あの子の力を感じてね」


「なるほどね……でも、疲れてない? もう少し休んでも良いんだよ?」


「あら? 心配してくれてありがとう。だけど、今からミーナちゃんが来そうだから遠慮しておくわ」


「そう……」


 サロミアはタバコを取り出し、慣れた手つきで火をつける。煙を吐き出し、エディックに笑みを見せる。


「ごめんなさいね。大変な時に寝ていて」


「いや。大丈夫だよ。それにミーナの力もやっと分かったことだし」


「へえ……それは残念ね。見てみたかったわ」


「まあ、僕の憶測は正しかったよ。ミーナは血の影響を受けやすいってね」


「何を言ってるんだ? エディックくん。あれは血の影響ではなく、あれこそがミーナの力だ」


 突如入り口から声が聞こえ、エディックとサロミアは驚きの顔を浮かべる。


「お父様!?」

「お義父様!?」


 旅立ったはずのジアスを見て、2人は思わず大声を出す。

 

 ジアスは表情を崩すことなく、2人を見つめて、ため息をつく。


「戻ってきただけで、そんなに驚くことないだろ……」

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伊澄ユウイチです!


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