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ミーナの力5

 ソフィアとサラスを背に、私はアルカディア兵士たちに尋ねる。


「質問をさせてもらうわ。ウチの従者に何の用?」


「き、貴様!! 我ら王国兵士になんてことを!!」


 質問返してよ。

 まあ、やろうとしていることを邪魔されたら頭に来るわよね。


「話が通じないのは分かったわ。最後に私から一言」


 地面に刺さっているフレア・ソードを引き抜き、切っ先を兵士たちに向ける。


「もうやめなさい。今なら目をつぶってあげる。私は意味のないことをするのが嫌いなの」


「ミーナお嬢様……彼らは」


 掠れた声で私に話しかけるソフィア。

 私は背を向けたまま、2人に言葉を返す。


「ソフィア。サラス。安心して。あとは私に……いや、私たちに任せて」


 言葉を言い切った瞬間、空からジークとシャフリが降りてきて、ソフィアとサラスに肩を貸す。


『ジークさん!? シャフリ様!?』


「お2人とも、無事でしたか?」


「今は逃げましょう。私たちが手を貸しますから」


 この場から去ろうとするソフィアたちを見て、兵士たちが逃すまいと一歩踏み出そうとする。

 私は目を細めて、彼らの足元にフレア・ソードを出現させる。


「な、何だ!?」

「炎の剣が……地面から生えた?」


「悪いけど、このまま帰ってもらうわ。もし、不満なのであれば……私が相手をするわ」


 私が足止めしているのを目にしたジークが声をかけてくる。


「お嬢様……」


「ジーク。シャフリ。2人を頼んだわよ」


「ミーナちゃん……」


「私を慕ってくれる従者を……家族を……守るのが私の役目。ここは任せて。さっさと終わらせるから」


 血の入った試験管を手に持ち、2人に見せる。

 ジークとシャフリはコクリと頷いて、飛行魔法で空へ退避する。


「逃すか!!」


 兵士数名が属性魔法を唱えようとしていた。

 それに気づいた私は、ジークの血が入っているであろう試験管を開けようとする。


 あれ……開かない。


 試験管のゴム栓を見ると、血が少し固まっており、開けにくい状態になっていた。


 今にも魔法を放とうとする兵士たち。

 間に合わないと察した私は翼を羽ばたかせ、勢いよく飛び立つ。


「ええい!! 開かないならそのまま……」


 手に持っていた試験管を口に運び、躊躇うことなく噛み砕く。

 そして血を取り込んだ私はあの時同様、左目が紅色から青色に変わり、左手に鬼神の黒い炎を纏う。


「鬼神!!」


 ジークたちに向かって放たれた属性魔法全てを、鬼神を纏った左手で触れていく。

 触れた属性魔法は消滅し、兵士たちは動揺を隠せなかった。


「な、何だアイツは!?」


「属性魔法が……全て消えた?」


 私はジークに視線を向けると、ジークは満面の笑みを送り返してくる。


「ミーナお嬢様が……」


「ジークさんと同じ鬼神を……」


 事情を知らないソフィアとサラスは目を丸くする。

 徐々にジークたちが離れていき、私は改めて兵士たちに目を向ける。

 ゆっくりと降下し、フワリと地面に足をつける。


「もうやめなさい。これ以上は無駄よ」


「クソッ!! 何なんだ!! お前は!!」


「……おい、コイツまさか!」


 兵士の1人が私の顔に見覚えがあったのか、顔を青くさせ、一歩退く。


「どうした?」


 怯えた兵士に声をかける周りの兵士。

 その兵士は武器を落とし、膝をつき、完全に戦意を喪失させる。


 左手の鬼神を維持しつつ、私は右手に炎の剣を生成し、握りしめる。


「ミストレーヴの令嬢、ミーナ・アリスト・ミストレーヴだ!!」


 私の名前を聞いた兵士たちは、驚きの顔を浮かべて私を見る。


「コイツが……あのミストレーヴ家の」


「それならあの理解し難い現象は納得できる……」


「だが……我々はもう後には退けない。それにコイツもターゲットの1人だ。始末できるなら、ここで始末する!」


 性懲りもなく立ち向かってくる。

 正直、鬼神の力を長く使える自信はない。

 さっさと終わらせるなら、脚や急所を狙えば良いけど……私は。


「死ねッ!! ミストレーヴ!!」


 3人の兵士が剣を持って私に突撃してくる。

 冷静に動きを見て、剣の軌道を見抜いて躱し、3人の剣にフレア・ソードを振る。

 フレア・ソードに触れた剣が突如発火し、音を立てて壊れる。


『なッ!!』


「やめろって言ったわよ」


 武器を失った兵士に対し、私は容赦なく鬼神を纏った左拳を当てる。

 兵士たちは派手に吹き飛び、それを見ていた他の兵士たちが怯む。


「ひ、怯むな!! 魔法を使って討ち取れ!!」


 1人が兵士たちを鼓舞し、魔法で私に攻撃するよう指示する。

 空中に逃げ、弾幕を躱すが、撃破対象が多く、私は困り果てる。


「弱ったわね。少人数なら鬼神でもフレア・ソードでも対応できるけど……10人以上になると、魔法を使わないと……」


 魔法という言葉を呟いた瞬間ある人物を思い浮かべ、私は父から貰ったもう1つの試験管を手にする。


「これは……シャフリの」


 父の言葉、私は他人の血の影響を受けやすい……その言葉を信じることを決めた私は、シャフリの血が入った試験管を口に運び、噛み砕く。


 お父さん。その仮説がもし正しかったら……今度から素直に言うこと聞いてあげても良いかな?


 シャフリの血を取り込んだ瞬間、左手の鬼神が消えてしまったが、代わりに私の周りに魔力を持った紅い球体が8つ出現する。


「……失敗したわ。素直に言うこと聞くなんて思わなければ良かった」

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伊澄ユウイチです!


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