ミーナと遊戯4
ヤバい……このゲーム、超面白いんですけどッ!!
変質者みたいって馬鹿にしていたけど、インディアンポーカー……中々面白い遊びね。確かに駆け引きは大事だけど、このヒリつきがまた面白い。
「それでは良いですか? せーの!」
ジークのかけ声によって、私とカーリーは同時に額にカードを当てる。
ほほぅ。カーリーは4……ジークはクイーンか。ジークに勝つのは難しそうだけど、カーリーには勝てそうね。
「メイド長。今回は変えた方が良いですよ?」
ジークがカーリーに揺さぶりをかける。
「え~? どうしよっかな?」
揺さぶりに踊らされるカーリー。
既にカーリーは5回やって3回負けている。罰ゲームに一番近い立場。是が非でもここは勝ちたいところだけど、ここで焦ったらその後はメチャクチャ。深読みしすぎて、自分を信じ切れなくなる。
勝利に近づくなら……さりげなく仕掛けるのが1番!
「私は変えない方が良いと思うよ」
「え~? どっちなんですか?」
困惑してる、困惑してるぅ~。良いね。困ってるカーリー見るのも悪くないね。さあ……どうする? カーリー?
「ミーナお嬢様も変えた方が良いと思いますよ」
カーリーを仕留めようと夢中になっているところに、ジークが私にカードチェンジを勧めてくる。
「は、はぁ? なんで私が変える必要があるの? どう見たって……あ」
余計なことを口走った私は、即座にカーリーに目を向ける。
「え~そんなに私の数字弱いんですか? それなら変えます」
カーリーは額に当てているカードを中央に出す。
「おお……4は危なかったですね……。お嬢様、私を陥れようとしたでしょ?」
そのまま勝負すれば良いものをッ!! まあ、良いわ。次引くカードが4……またはその前後の数字でもカーリーの不利は揺らぐことはない。
「さてと、次のカードは良い数字でありますように」
カーリーは山札から新たなカードを額に当てる。
カーリーの新たな数字は7……微妙なラインだが、まだ勝機はある。
さっきジークは私に変えた方が良いって言っていたな……ジークの性格上、真面目な性格だから、私の数字が低いから変えるのを勧めたのね。真面目な性格が裏目に出たわね、ジーク。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらって……。
「私も変えるわ」
私はカードを中央に出す。
そして私が額に当てていたカードは――――キング。
おい!! めっちゃ強いカードじゃないの!!
「き、キングぅ!? このクソ執事!! 私を嵌めたわね!!」
「嵌めたつもりはありませんが、キングに勝つ自信は自分もなかったので、仕掛けさせてもらいました」
平然と人を嵌めてくる……このゲームを勧めてくるだけのことはあるわね。
「……まあ、捨ててしまったものは仕方ないわね。また強いカードを引けば良いだけのこと」
どこから出ているのか分からないが、妙に自信はあった。とにかく、カーリーの7を超える数字のカードを持ってくれば良いだけのこと。
そう……それだけのこと。
ただカードを引くだけなのに、緊張する……心臓の音が聞こえる。
私は引いたカードを額に当て、覚悟を決める。
「自分はこのまま勝負します。みなさんよろしいですか?」
私とカーリーは頷き、3人同時にカードをテーブルに叩きつける。
そして、私は自分が持っていたカードを見て、真っ白になる。
「さ……3?」
「お、クイーンでしたか。危うく負けるところでしたね」
「はああ……良かった~。4敗になるところだった~」
「ふざけるなぁぁ!! 私のキング返せぇぇ!!」
あまりの落差に私は取り乱してしまう。
「ジークくんの揺さぶりに引っかかったお嬢様が悪いですよ。勝負事ですけど、遊びなんですから落ち着いてください」
すると私の視界の端にティーカップが入り込み、私はそれに目線を向ける。
「申し訳ございません。ミーナお嬢様。ですが、メイド長の言うとおりでございます。どうか、紅茶でも飲んで気を落ち着けてください」
私はジークからティーカップを奪い、ふて腐れながらも黙って紅茶を飲む。
流石はジーク特製の絶品の紅茶……怒り狂っていた私の気持ちをも鎮め、冷静さを取り戻させた。
「ふぅ……確かに大人げなかったわね。続けましょうか」
ゲームが再開し、何度も勝負が繰り返され、約30分後に勝敗が決まった。
「……嘘よ……こんなの、嘘よ」
「まさかキングを捨ててから、お嬢様が連敗するなんて……私的には助かりましたけど」
「これでお嬢様が10敗ですね。一番勝ったのは自分ですね」
冷静さを取り戻したからと言って、運が私に味方することはなかった。
その後も弱カードを引かされたり、強いカードを持っているのに揺さぶりをかけられて手放したり……また人が信用できなくなるわ。
「がぁぁもうッ!! 仕方ないわッ! 私の負けよ! 負け! さあ、何でも命令しなさい」
「命令……ですか?」
ジークはキョトンとした表情を浮かべ、頬をポリポリと掻く。
「そうよ。そういうルールだったでしょ。さあ、覚悟は出来てるわ」
するとジークは微笑を浮かべて、私にある命令をする。
「それではミーナ・アリスト・ミストレーヴさん」
覚悟はしていたものの、その場に緊張が走り、私は唾を飲み込む。
「明日も楽しい遊びを紹介しますので、一緒に遊びましょう」
私は目を丸くし、第三者として見ていたカーリーが笑みを浮かべる。
「ほぇ?」
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