魔王と幸運な厨二病
登場人物:厨二病 (ボケ)、魔王 (ボケ)、魔王の側近 (ツッコミ)
場所:道端
()の時は心の声です。
魔王「ようやく来れたぞ……人間界!」
魔王の側近「長かったですね、魔王様」
魔王「とりま人間界滅ぼしとく?」
側近「『とりまビール頼んどく?』みたいなノリで滅ぼさないでください。まずは情報収集からです」
魔王「滅ぼし方についてか?」
側近「馬鹿ですか魔王。ここがどういう所か街にいる人間に聞くんですよ………ほら、あそこに人間がいますから、魔王様直々に聞いてきて下さい」
魔王「任せろ。あの挙動不審な男に世界の滅ぼし方を聞けばいいんだな?」
側近「いいえ。あの挙動不審な男にこの世界がどういうのかを聞くんです。さぁ行ってください」
魔王「……おい貴様。少し聞きたい事が─────」
厨二病「疼く」
魔王「え?」
厨二病「俺の右手が疼く……もうこの世界に終わりの時が来る…」
魔王「な、なんだと!?貴様の右手はそんなに凄いのか!?」
厨二病「ふっ、このライトフィストにかかれば造作もない…」
魔王「す、凄い……人間界にはこんな猛者がいたとは……おーい、そっきーーん。こっちにこーーーい」
側近「なに子供みたいに呼んでるんですか。こっちが恥ずかしくなりましたよ」
魔王「聞いて驚け。この人間は右手でこの世界を終わらせることが出来るそうだ!」
側近「そうなんですか?見るからに一般人っぽいですが」
魔王「いや、こいつは正体を隠しているに違いない!」
側近「……魔王様、少しは疑うことを覚えてください。これはきっとハッタリですよ」
魔王「ハッタリだと?全くお前ってヤツは……そうだな……おい貴様。我に見せておくれよ、貴様の力を」
厨二病「ふっ、俺のライトフィストの力を見たいのか。いいだろう…」
厨二病「くらえ!インフェルノストーーーーム!!!」
側近「(『ストーム』?風魔法か!?)」
側近「魔王様、あぶなーーーーい!!」
………………
側近「…」
魔王「…」
厨二病「…」
側近「…あれ?技が発動して───」
厨二病「フハハハハ!!俺の技を見破ったか!やるな!」
側近「いや発動してすらいな────」
厨二病「だかこっちが本命だ!くらえ!グランドアクア!!!」
側近「(『アクア』?水魔法か!?)」
側近「今度こそ、魔王様あぶなーーーーーい!!!」
………………
側近「…」
魔王「…」
厨二病「…」
側近「…魔王様。もしかしたら彼は噂に聞く厨二b────」
厨二病「そうか!そうか!これもか!な、ならばぁ、ほ、本当の本命を見せてやろう!」
厨二病「く、くらえ!ダークネスライトォーーー!!!」
側近「(もう技名が意味わからないじゃん)」
側近「一応言っとこ。魔王様アブナーーーイ」
………………
側近「…」
魔王「…」
厨二病「…」
側近「確定です魔王様。コイツは厨二病というただの変人です」
厨二病「ひ、酷いではないか。お、俺のみぎてでお前達をボコボコに、な、なるんだぞ…」
側近「(ライトフィストどこいったー)」
側近「魔王様、この無礼者を懲らしめてやりましょう」
魔王「いや側近。お前は気づいていない……こやつの技はもうすぐ完成するのだ」
厨二病・側近「え?」
魔王「こやつの放った技がどんなものか今から分かるのだ」
側近「そんな訳ないですよ。だってコイツは厨二───」
魔王「来るぞ」
側近「だから何を言って…………ってうわぁっ!急に突風が!」
魔王「まだまだ来るぞ…」
側近「うぐっ、大雨までぇ…」
魔王「次が本命だ!」
側近「本命って……あぁ、空がどんどん暗くなって……」
ピカッ、ドカーーン
側近「ギャアアアアアアアマブシイイイイイ!!雷だぁ!!!」
厨二病「え、マジデ」
側近「お、お前。今なんか言ったかぁ!?」
厨二病「え?あ、いや………フハハハハ!!どうだ見たか!俺のライトフィストの力をぉ!!」
魔王「まさかこんなに強いヤツが人間界にはいるとはな。側近、逃げるぞ!」
側近「は、はいぃぃ!!」
スタスタスタスタ
厨二病「…」
厨二病「死ぬかと思った」
終わり
見て頂きありがとうございました。