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落ち葉とたき火のダンスパーティー

作者: ナマケモノ

ザッザッザッ


こうちゃんは竹ぼうきを手に、いっしょうけんめい校庭の落ち葉をあつめています。

いつもはおそうじはあんまり好きではないのですが、今日はなんだかたのしそう。


「まっかにもえる、ひばしらに~」


竹ぼうきが地面をひっかく音で、こうちゃんの手はリズムにのっておどっています。

力がつよすぎてもよわすぎても落ち葉は上手にはけず、ばらばらとへんなところにとんでいってしまいます。

そこで考えたのが、うたいながらそうじする作戦。

これならうまい具合に力がぬけて、落ち葉がじぶんのねらいどおりのところにあつまってくれるのです。


「よ~し、これだけあればすっごくもえるぞ~」


こんもりとつまれた落ち葉の小山に、こうちゃんはガッツポーズをとりました。

そしてビニールぶくろの口を広げ、バサッとそれにかぶせます。


「よいしょっ、と」


そのままぐるんとビニールをさかさまにすると、ずっしりとした落ち葉のかたまりが中に入っていました。

その重さが、こうちゃんはなんだかうれしくてたまりません。

これだけたくさんの落ち葉をひとりであつめたのを、おともだちや先生に自慢するのが今からたのしみでした。



「わぁ、もえてるもえてる」


ビニールをかついで校庭のまんなかまで行くと、ゆらゆら空気をゆらしながら、ものすごい落ち葉がもえていました。

こうちゃんが落ち葉をどさどさとなげ入れると、さらにたき火が強くなります。


「わぁ、仲間がふえて、火がよろこんでる」


火の中で落ち葉がめらめらときえていき、それが新しい火になって、たき火にくわわっていきます。

ぱちぱちという音にあわせて、落ち葉と火があかあかとおどり、まるでダンスパーティーみたいです。

こうちゃんもその熱気につられ、おもわずステップをふみたくなってきます。


「やっきいもやっきいも」


今日は年に一度の焼きイモパーティーの日。

学校中の落ち葉をあつめてたき火をし、それでおイモを焼いてみんなで食べるのです。


やがてダンスが終わり、先生が火箸をもえカスに突っ込みます。

そして取り出されたのは、銀色のアルミに包まれたおイモたち。

ダンスを見てくれたお礼にと、落ち葉とたき火がプレゼントしてくれたように、こうちゃんはかんじました。


そして先生からこうちゃんの軍手の上に、焼きイモがわたされます。

ぺりぺりと包みをあけると、そこにはほかほかおいしそうな色とにおいが!

がまんできず、こうちゃんはがぶりと一気にくらいつき、


「あっつ!」


あまりのあつさに舌をやられ、そのままじたばたとおどったのでした。


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