1:ある日、目が覚めたら…!?
※注意
この作品は百合的な内容を含みます、百合が苦手な方は読まれないことを推奨します。
それでは、それでもいいという方はどうぞ。
「ふぁ…」
僕こと小倉 和希はいつも通り、朝7時ちょうどに起きた。いささか早い気がしたが、眠気で気にする余裕も生まれない。
のんきに目を擦りつつ、階段を下りてリビングに向かえば朝ご飯があるので、家族みんなが集まり次第食べ…
そう、ここから日常じみた非日常が始まったわけ。
…なんか声がいつもとは違う、高い。いくらもともと高めとはいえ、違和感を感じずにはいられない…そのとき。
「お姉ちゃん、どうしたの…?」
「お姉ちゃん、って…?」
「はあ…そこまで天然なんて、ね。それに、一人称おかしくない?いつもは『私』なのに。」
その違和感を感じたであろう3つ下の妹の言葉に、そのまま口の中のご飯を丸呑みし慌てて洗面所へ…
僕…いや私が鏡を見れば、そこには下手なモデルより綺麗な、かつ僕の母の面影を残す容姿の少女がそこにいる。もちろん、私が目を擦ればその少女も目を擦り、伸びをすれば同じく伸びをし…
「…!?!?」
あまりにも突然の出来事に、声すらも上げられない。
そう、僕は…今鏡に映っている少女そのものなのだ。
幸いなのは、僕はこういったことを携帯なりPCなりで目にしていることと、いわゆる性転換ものが好きなことだろう…それに…
「It can't be helped…(なるようにしかならないよね…)」
…一応ポジティブに、こう思えることも。
リビングに戻れば残りのご飯を食べ終え、いつもならテレビでニュースを見るのだが…
そういえば、まだ大学に行く用意ができてなかったような…
と思いつつ部屋に戻れば、何故かそこには高校のとき使ったバッグが置いてある。
「ってことは…!」
案の定、辺りに適当に積まれているのは大学の教科書ではなく高校の教科書。
もしやと思い、携帯を開けば…
-2006/4/5 7:25-
「ああ、だからなんだ…」
今の自分の状況に納得しつつそう呟けばバッグの中に…あった生徒手帳を見ると、それは私が高校2年であることを示している。ついでに女子になりどう名前が変わってるか確認し、念のため有効期限を確かめれば…
「一希…私の名前ね。2007/3/31まで有効と…確かに、今年度いっぱいだし。って、えっ…!?」
つまり僕は、女子になった上に2年半もタイムスリップしていたのだ。
仕方ないので、春休み前に貰ったプリントを見ながらいるものを入れていき、終えるなり時間と洗面所を確認して部屋を閉め切り着替えを…まあ、朝は皆が忙しいので着替えは僕の部屋で行わざるを得ないみたい。
「気持ち小さいけど…これくらいならむしろいい方かな…」
やはり元男子、胸が気になってしまうもの。ただ望んでいたサイズでホッとする…
「って、そんなことしてる時間ないのに!」
御家芸の独り言を言いながら着方があまりわからないなりにさっさと制服を着、洗面所へと向かう。リボンが簡単に付けられホッとしたのが印象に残り…やはり寝癖はそこそこすごい、私が長い髪が好きで背中まで伸ばしているせいだろうが。勝手こそわからないが、鏡の周りを見渡せばいつもどの整髪料を使っているくらいは想像がつく。無香料のものを手にとり、髪に馴染ませる…
「なんか、女性の苦労が垣間見えるな…でもかわいい…って、自画自賛じゃん!」
さて洗顔もすませれば、もはや出発する8時になっていたので弁当とお茶を入れて家を出、自転車に飛び乗り学校へ向かう。
さて、私は今日一日無事に過ごせるだろうか…
伸ばした髪を空気抵抗による向かい風紛いなものになびかせながら、私はふと思った…
さてさて「日常?それとも…非日常?」を始めました、思い付くままに書いてるので内容もあまりなく、表現もおかしいとは思いますが批評、指摘、感想など頂けると嬉しく、創作意欲がわきますので是非是非お願いします!
それでは、そこそこはちゃめちゃな主人公の紹介です。
小倉 一希
16歳、清明高校2年A組。
背中の中ほどまではあろうかという明るめな茶色の髪が大人びた顔付きを引き立たせるが、内面はいたって子供っぽくドジで天然、しかもなかなかのマイペース。
百合趣味で変態、攻めよりに見せかけていったん攻められると完全に受けに回ってしまうタイプ。
その割には自分がリバだと思っていて、周りの人の属性を勝手に決めつけては楽しんでいたりする。
よく頭がいいのか悪いのかわからないといわれ、そのうえかなりの運動音痴。
英語と物理、化学と世界史、日本史が得意で古文と数学、生物と体育が苦手で古文から逃げるために理系を選んだとのこと。かなりの声優オタでしかも百合系統の話にやたら詳しい。
歌は好きで声はやたら高く、透き通っている。一人称は私。