きっと
『きっと』
天気が悪いせいだ
ようやく固まりはじめた心が
またもろもろと崩れて
あちらこちらに
漂い出した
とりとめのない不安が
濃度を増し
息をする度に
だらだらと垂れ落ちる
周囲は
よそよそしく立ちはだかり
にもかかわらず
それは紙に描いたように
簡単にめくれあがるのだ
何も
確かなものはない
どこにも
平安を見つけられない
私は
ネズミの目つきで
おろおろと
街路の端を
逃げ惑う
虚しいと知っていて
ぜんぶ
天気が悪いせいだ
だから
きっと
明日は
きっと