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psycho〜親愛なる君へ〜  作者: 山居中次
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人は、人生という名の問いを、恋という名の方程式で説く。

「どうしよう。コバに言わない方がいいかな?」


「別に、言う必要はないんじゃないかな」


 率直な意見を俺は言ってみる。


「そうだけど、夏休みす来たら、コバは、同じクラスになるじゃない」


 みのりんの言う通り、コバと中谷は特に絡みは無かったが、次学期から、同じクラスになる上で、絡みが発生しないとも限らない。その上で、コバと安藤さやかが接触する可能性も捨てきれなかった。


「私も、言う必要は無いと思う」


 サイコが淡々とした態度で、そう言う。


「そうだよね。言わない方がいいよね」


「そうじゃないよ」


 みのりんの言葉をサイコは、そう言って否定した。


「勿論、言う必要は無いが、言わない必要もないさ。中谷を介して、小林と安藤さやかが接触したとしても、その時は、小林自身の問題になるから、私たちにはどうにもならない」


 サイコの言葉に、みのりんは考え込んだ。


「俺も、そう思うかな。サイコの言う通り、最後はコバの問題になるし、俺たちが変に首を突っ込んで、ややこしくするのも変だと思うし」


「でも、トラウマとかで、コバのドモリが今よりも酷くなったら?また喋れなくなったら?」


 みのりんが不安そうな顔でそう言うと、サイコは無機質な表情で、言った。


「小林はそんなに弱くないさ」


「俺もそう思うよ。コバはそんなに弱くない」


「だけど、やっぱり怖い」


 みのりんはそう言って、不安の色をさらに強めた。


「みのりん、何で、そんなにこだわるの?」


 コバの事を気にかけてるのは解った。けれども、彼女はコバの気持ちにこだわりすぎている様に、俺には思えた。


「ドモリが、コバのドモリが、減ってきたんだ」


 みのりんはボソリとそう言った。


  それなら、俺も気が付いていた。なれた相手だと、コバは吃音が減る。だけど、それでもつっかえてしまう場面はけっこうあったが、最近はそれも減って来た。


「ウチ、コバは、喋れる様になったなら、ドモリだって、治せるんじゃないかなって思って、色々やって見ようって、コバに言って、一緒に練習喋るしたんだ」


「練習?」


「うん。つっても、何していいのか、解らないから、とりあえず、千本の海に2人て行って、大声で叫んでみたんだ」


  学校が終わり、俺とサイコを駅まで送った後、コバとみのりんは、毎日2人で、海に向かって、大声で、叫び続けた。


  海はそれを全て飲み込んでくれた。


  ポトリ。


  俯いたみのりんの大きな瞳から、涙が一滴落ちるのが見えた。


  みのりんは、本当にいい娘だと思った。コバを彼女に引き合わせて本当に良かった。いつか、コバが、彼女に自分の気持ちを伝えたなら、彼女は受け入れてくれるだろうか?

 そこは、男と女の問題になるから、どうなるか解らないが、彼女なら、コバが傷つく事を避ける選択をするだろう。


  「みのりん。今は、コバを信じよう」


 おれがそう言うと、みのりんは「うん」と言って、涙を拭った。









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