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9.奥様は魔女だけど絶賛浮気中

小人とに癒やされるというイベントまで、こなしていた俺に休息の日々が続いていた。


この有意義な時間を利用し、無事に勇者(バカ)のおかけで吹っ飛んでいたデータを全て修復し、見事ゲームクリアをなしとけだ。


さらにフィギュアも新しい物が届き、ケースまで購入した。

毎日、眺めていられる。

もう、壊れた時はどうなる事かと思っていたが無事なんとかなった。


後は、このまま何事もなく窓口が閉まってくれればいいのだ。


そんな事を俺が考えてしまったからだろうか。

客が来てしまった。

それも不○子ちゃん体型としか言い様のない、ボン、キュッ、ボンな美女。

ただ、怪しい雰囲気だけがもの凄く漂っている。


「ちょっと、お話聞いてほしいんだけど?」


「な、ナンでしょうか?」


うわっ!はずっ!

声裏返った!!

落ち着け、俺。

美女だからってどもるな、落ち着け!


「旦那が最近、感づいてきてると思うのよねぇ」


「何を?」


あー、やっぱり……。

こんな美女ほっとかないよなぁ。


「私の彼氏の存在に」


「……は?」


いや、彼氏って何?

さっき、旦那いる発言したよね?


「もう、彼とはお付き合い始めてそんなに長くないのよ?けど、こんなに早くバレそうになるとは思わなくって」


「……。」


俺の頭に嫌な予感がよぎった。

それは奇しくも当たってしまうのだった。


「あ、私の旦那、魔王やってるのよ。だから、バレたら何されるかわからじゃない?だてに千年生きてきた訳じゃないから私の魔法でどうにかなるとは思ってるんだけど。どう思う?」


「どう思うって言われても……。」


いやいやいや!

やっぱり、魔王の奥さんだったよ!!

あの第四十九代目魔王の奥様で魔女だよ!

てか、その見た目で千年!?

もう、見た目で年齢判断できなくなるじゃねーか……。


「あら、ここ相談所なんでしょ?ちょっとは考えてよ。」


「……。」


そう言われると困る。

別にやりたくて始めたわけじゃない。

けど、やるしかないこの状況。

……辛い。


「あ、あの、ちなみに彼氏さんの職業は?」


「勇者よ。」


「へー、勇者……勇者!?」


「何か問題ある?」


大ありだろ!!!!

だって、魔王の奥さんだぞ!?

絶対、駄目じゃん!

敵!旦那の敵だぞ!?


「旦那さんのためのスパイ行動とかですか?」


「違うわ。若い子と付き合いたくって、たまたま見つけた子が勇者だったのよ。」


違ったーーーー!!

え?何その

最近、旦那が冷たいから浮気しちゃった☆

的なノリ!!!

おかしくね?

実はファンタジー世界では、こんなもんなの?


「へ、へぇ。あのちなみに旦那さんって第四十九代目魔王だったりします?」


「あら?知り合い?」


あー、もうあの可哀想に思えてくるおっさんじゃねーか。

もしかしてとか考えなくてもあってたよ。

だんだん、あのおっさんが可哀想になってくる。

大変だな、魔王というか家族の大黒柱は。


「ま、まあ。」


「そうなの。もし、次会っても私の事は黙っててよ?」


「もちろん……。」


言われなくても黙ってるわ!

あのおっさん娘さんには反抗期で嫌われてて何か息子さんの事でも困ってるっぽいのにだぞ……

そんなところに

「奥さん浮気してますよ」

何て言ってみろ!!

たぶん、また落ち込むぞ!!

てか、勇者(バカ)が頑張らなくても倒れるかもしれないぞ!!


……まてよ、基本的に考えて勇者なんて存在がそこら中にわんさかいるとは思えない。

すっごい、当たると俺のメンタルまで破壊される気がする。

というか、そんな話存在しないでほしい。


「あの彼氏さんの勇者は、顔はかっこいいんですか?」


「凄いかっこいいわよ。旦那はそうゆうのじゃないから、せっかく付き合うなら違うタイプがいいわよ。」


おっとぉ……。

顔がいいという部分が一致してしまった。

いや、基本的にゲームやアニメでも勇者とか主役ポジションはイケメンが相場じゃないか。

うん。

あの勇者(バカ)と決め付けるには早い。


「その彼氏さんのパーティーの面子はご存知で?」


「確か彼の彼女の魔法使いの子と武闘家の子じゃなかったかしら?何か旦那を倒すために、もう一人くらいほしいみたいよ。」


これやっぱり勇者(バカ)じゃないかな?

だって、俺にパーティーに入れといい、その際の説明の時に言ってたパーティーメンバーの職業と綺麗に一致している。

こんな偶然ってあるのだろうか?

数いる(と思われる)勇者のなかから俺が唯一、面識がある勇者(バカ)の特徴?と一致してしまうとは……。

あってる確率が急上昇中だよ!!


って、え?彼の彼女??

どゆこと?

え?仮にあの勇者(バカ)だとして……。

いやいやいや!!彼女って何!?

そんな話聞いてない!


「あ、あの彼の彼女ってどういうことでしょうか?」


「彼にもちゃんと本命がいるってことよ。」


何て台詞がウィンクつきで返ってきた……。

いや、ダメだろ!!

これ本当に勇者(バカ)ならデータとフィギュアの怨みも込みで、マジで殴りたい。

てか、勇者として絶対ダメだろ!!


「彼氏さんは、奥さんのこと魔王の奥さんって知ってるんですか?」


「知ってるわけないじゃない。そんな事言って殺されるのも嫌じゃない?まあ、彼は弱いから私が返り討ちして瞬殺できるけど。」


「そ、そうですか……。」


この人さらっと凄いこと言ってんだけど!?

てか、勇者のくせにそんな弱いの!?

たぶん、奥さんは魔王(ラスボス)戦の前に出てくる魔王抜きで一番強いポジションキャラだと思うんだけど!?

しかも、奥さんには勇者御一行の中身筒抜けだし。

勇者的には、魔王までこの情報が伝わってない事だよな……。


「これだけ、私の話聞いたんだから何かいい意見はないの?」


「考えるんで待ってください。」


うーん……。

とりあえず、あのおっさんにバレなければいいんだろ?

おっさんをこれ以上、可哀想なやつにしないためには……

あ!


「分身とか自分と瓜二つなホムンクルスとか作れないんですか?」


「あー!それで片方を旦那か彼の方に行かせればいいのね?」


「そうそう!」


「その発想抜けてたわ。でも、私の魔力を使うから旦那には偽物ってバレそうだから私の分身は彼の方かしら。」


「そ、その辺はお任せします……。」


「まあ、それなら疑われない程度に程よく楽しめそうだわ。意外と機転が利く子だったみたいね。ありがとう。お礼は、上手くいったら部下に持ってこさせるわ。じゃあね。」


そういうと、奥さんは上機嫌で去っていった、PC画面へと。


上手くいくといいな。

というか、上手くいってくれ。

じゃないとまた、魔王の泣き顔を見る羽目になる。

それだけは、避けたい。

個人的には魔王のおっさんが元気になれば、礼とか別にいいのにって思っても、異世界のお礼の品とか気になる。

って、おい!また流されてるじゃねーか!!

さらっと、あのおっさんの泣き顔をみたくない=おっさんが来るって言ってる様なもんじゃねーか!!

来なくていい!顔いかついから怖いんだよ!!


ん?部下にもってこさせる?

部下って事は、まだ知らねーやつ来る可能性大じゃねーか!!

うわーーーー!!


ちょっとばかし、俺は自暴自棄になった。

が、アニメの放送時間を思い出し急いで放送に備えるのだった。


続く……

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