5.魔王再び
自分のPCモニターにガムテープを貼って数時間後。
「うおっ!?何だこの粘着物は!?」
魔王が引っかかった。
「おい、小僧!何だこれは外さんか!」
タイミングがもの凄く悪い。
魔王がこのタイミングで来るとか誰が予想した?
でも、すっげぇ怖い顔してるから外す事に俺はする。
「いや、ちょっと悪い奴やっつけようと罠のつもりだったんだけど……」
「それは後継ぎとしては素晴らしいが、わしが来るときは外しておけ。」
「お、おう……。」
いや、後継ぎの話が決定みたいに話さないでほしい。
ちょっと、むかついたのでガムテープを外すのを勢い良く剥がした。
魔王の髭が一緒にすこし抜けて、泣きそうな顔して耐えてたのは見なかった事にする。
「今日は後継ぎの事もあるが別件で来た。」
「は、はぁ……。」
どうやら、後継ぎの話の催促ではないらしい。
「最近、わしの嫁の行動がおかしいのだ。毎晩、わしに黙って外に出て行くのだ。部下に聞いても知らんの一点張りでな……。しかも、娘は最近冷たいし……。息子は……はぁ……。」
もう、魔王ってよりお父さんだな。
奥さんはよく分かんないが、娘さんに関しては確実に反抗期だよな。
息子に関しては何があった。
「わし、皆に嫌われてるのかな?」
「そ、そんな事……」
「「……。」」
「あるのだな!?小僧!?」
めっちゃ、肩もって揺すられてるけど違うともそうだよとも言えねー!!
あ、でも
「ちょっと奥さんはわかんないけど、娘さんのは時間が解決してくれると思う……」
たぶんだけど。
漫画とかでもよくあるじゃん?
「ほ、ホントか!?」
「お、おう!」
やべぇ、魔王が目に涙めっちゃためてる。
そ、そんなに娘さんとの仲が戻るの嬉しいのか?
やっぱり、お父さんとしては娘さんと仲よくしたいもんか。
「よし、わしもうちょっと魔王頑張る!」
え?そんなんで頑張れるの?
てか、初めて来た時とキャラ変わってない?
「んじゃ、小僧また来る。」
そう言うと少し嬉しそうにPC画面からお帰りになった。
いやぁ、どこの世界?もお父さんって大変なんだな……。
ん?
いや、何普通に魔王の存在を受け入れてるんだ!!
おかしいだろ!?
落ち着け俺。これ以上、来訪者を増やしてはいけない。
というより、いきなり来ないでほしい。
俺への連絡は無いの?
っは!だから、この現状を受け入れるなーー!!!
続く……




