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11.神様ご降臨

病弱王子とドジっ子姫カップルがやって来て、早数日。

俺は、嫌々ながらも勇者(バカ)を待ち続けている。


しかし、一向に来る気配がない。

何なら誰も来ない。

一度、PC窓口が閉まったのかと思ってメールを確認したくらいだ。


残念ながら、そんな事もなかったので俺は勇者(バカ)が来ることを待ち望んでいる。

本当は来て欲しくないけど。

俺はそんな事を考えながら毎日PC画面を眺めていた。


そして、またもや俺がトイレに旅立ったともに現れるやつがいた。


今度は、職業が村長のじじぃとは違うじじぃだった。

何ならライトも無いのに、神々しい光が放たれている。

何故か有無を言わせない空気もまとっている気がする。


「待っておったぞ、クソガキ。」


おい、このじじぃ俺の事クソガキって言ったんだけど。

じじぃから見れば俺なんかガキだろうけど、クソってなんだ?クソって!

てか、空気感に関しては気のせいだった気がしてくるんですけど!?


「ワシはお前がだんだん人に親身になる事を覚え始めてると思っている。クソボケって感じからクソガキに進化はしたな。」


……ぼろっかすに言われるんだけど。

てか、何なの?

この人、俺の事褒めに来たの?

それとも貶しに来たの?


「ワシはお前の事を褒めに来たつもりだ」


えぇぇえええええ!?

何か心の中読まれたんだけど!?

マジで、このじじぃ何もの!?

エスパーとかそんな感じなの?


「ワシはエスパーなどでは無い。神だ。」


……は?

何言ってんの?

こんな確実にPC画面から来たような奴に神様なんているわけないじゃん。


「ふざけてないぞ。ワシはこの画面から来たが神様だ。と言っても、こちらの世界の神ではないがな。」


え?本物?

異世界の神様って事?


「そうだ。」


「って、人の心の中と会話するんじゃねーーー!!!」


「やっと話したな。」


「耐えらんねーよ!全部、心の中で思ってんのに全部返されるだぞ!?」


「ワシは神だからな。人の心くらい読めんでどうする。」


え?

神様って皆、 心の中読んじゃうの?


「怖いんだけど。」


「そう言うな。基本的には、読めてても口出ししないもんだ。」


「んじゃ、何で俺には答えてんだよ!」


「そもそも、ワシは人には見えん。」


「え?」


何で俺見えてんの?

おかしくね?

俺、人間なんですけど?


「ワシから見れば、人は人でも異世界の別次元の生物だからな。」


だから見えてるって言いたいのか?


「ああ。」


「あ!また人の心の中読みやがって!」


「実際、認識されると話たくなる。」


そういうもんなの?

さすがに神様とか始めて会うしな。


「だろうな。ワシも人と直接、話すのは始めてだ。」


「だから、人の心の中の言葉と会話するな!」


「読まれてると解ってるなら、考えずともそのまま話せばよい。」


「あ、そうか。」


「お前、少しは利口になったかと思えばそうでも無さそうだな。クソガキで十分だな。」


「なんだと!?こっちこそ、お前みたいなクソじじぃに嫌味言われたくねーよ!」


「こんのクソガキ!口のきき方に気をつけろ!こっちは神様だぞ!」


「あ、キレた。神様ってもっと穏やかで超心が広いと思ってたのに。」


「皆が皆そんなんだと思うな!」


「はぁ……。」


「もう、なんなの!?周りの奴らは年々穏やかになってくし。」


「あ、周りと違って年々キレやすくなったんだな。」


「違う!断じて、ワシはそんなんじゃない!」


「もう、落ち着けよ爺さん。何か怒鳴って悪かった。」


「じ、爺さんあつかいすんな!ワシはまだまだ現役だ!」


「もう、いい歳なんだろ?落ち着けって。そっちの方が楽だって。」


「~~~こんなクソガキに慰められるなんて……。神様、失格だ。」


えぇぇえええええ!?

こんな事で失格なの!?

え?誤った方がいい?

でも、頑固爺みたいな感じもあるしな……。


「もう、ワシ神様辞めよかな。」


ちょっとぉおおお!?

俺の発言で神様が一人居なくなりそうなんだけど!?


「どう思う?」


「どう思うって言われても……。」


「やっぱり、ワシ何か居ない方が……。」


女子かっ!

なんなのもう!うじうじと!

もう、最初の神々しい光がだんだん無くなってきてる。


「まあ、信仰してくれる人が一人でもいるなら続ければいーんじゃない?」


あ、俺凄い、いい事言ってない?


「ホントに?」


「うん。」


「わ、ワシ、頑張る。神様頑張る。」


「おう。」


あ、神々しい光戻ってきた。


「んじゃ、帰る。」


「おう。神様業がんばれよ。」


「あぁ。けど、お前みたいなクソガキ大ッ嫌いだ!聞こえないふりしてたけどさ、頑固爺でもなければ女子でもないし、神々しい光はいつでも放ってますぅ!んで、お前別にいい事なんて言ってないしぃ!バーカバーカ!」


そう、捨て台詞を吐いて自称神様のクソじじぃは帰っていった。


何なんだよ!あのクソじじぃ!!

最後の何なんだよ!?

『バーカバーカ』ってガキかよ!

あいつの方がクソガキみたいじゃねーかよ!

本当にあんな奴が神様とか異世界も末だな。

信じられん、てか、信じたくないし俺の世界の神様じゃなくてよかったわー。

てか、あんなクソじじぃに信者いるのか?

いたらよっぽどの好き者だな……。


神様という存在について、深く考えなおさなければならないと俺は思った。

そして、勇者(バカ)以上にこれから先会いたくない人物に認定されたのだった。



続く……


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