1.PC窓口開きます
ある日、俺のもとに一件のネトゲ勧誘のメールが着た。
ゲーム好きな俺が見た事も聞いたこともない名前のゲームで《PC窓口》と書かれた所のみがクリック出来るようだった。
特に詳しい内容が書かれておらず怪しいとは思いつつも好奇心に負けてクリックしてしまったのが全ての始まりである。
「何にもインストールされる気配もないし画面は真っ暗だわ何なんだよ、これ」
《PC窓口》をクリックしてから15分程経つが一向に画面が変わらない。
やはり、怪しいゲームよりも新作のネトゲに走るべきだったと俺は思う。
ちなみに俺の現状はというと、専門学校卒業後とともに自宅警備員へと就職し今はゲームとアニメにどっぷり浸かった生活をしている。
まあ、いわゆるニートや引きこもり何て呼ばれるやつで。
「はぁ、何も始まらなさそうだし再起動してPCでオンラインゲームでもするかな」
『小僧、わしの後継ぎにならぬか』
え?
何今の声……。
いや、気のせいだよな。うん。
よし、気を取り直して再起動を。
『無視するでない。後継ぎにならぬか』
え!?
これマジで聞こえてんの!?
いや、ないないないない!!
「話を聞いておるのか小僧」
「……」
え?
言葉も出ないんだけど……。
俺のマイPCからいかつい顔したガタイのいいオッサンが出てこようとしてんだけど……。
俺のマイPCから……
って
「えぇぇぇええええええ!!??」
「うるさいぞ、小僧」
いやいやいやいや!
そんなこと言われても現実離れしすぎてそれしか言えないわ!!
てか、いかついオッサンPCから出てきて俺の前に座ってんだけど!?
「いきなりで悪いのはわかっておる。が、今は深刻な問題の話をしに来ているのだ」
「は、はぁ……」
何言ってんの?
深刻な問題って何?
俺、このオッサンと初対面の時点で俺関係なくない?
「実はわしには後継ぎとなる息子がいたのだが……ぐすっ……ずびっ……」
えぇぇぇええええええ!?
オッサンいきなり泣きだしたんだけど!?
「すまない。わしには悲しすぎる出来事だったもので……ずびっ」
何?
息子さん死んじゃったとかなのか?
「そこでわしは新たに後継ぎとなる者を探しておる。そこで小僧第四十九代目魔王の後継ぎにならぬか?」
は?
魔王っつった?
このオッサン魔王なの?
てか、魔王とか何設定?
いや、PCから出てきた時点でおかしいんだけどさ。
「この第四十九代目魔王の後継ぎになるのは小僧、お前しかおらん」
「は?」
「あぁん?」
ちょ!そのヤンキーの威嚇みたいなの止めて!!
怖い!めっちゃ怖い!
オッサン顔いかついから余計怖い!!
俺、ちびりそう……。
「まあ、小僧考えといてくれ。また来る」
「は、はぁ……」
魔王と名のる、いかついオッサンは再び俺のPCへと帰っていった……。
って、また来るって何!?
てか、これ夢だよね!?
よし、一度就寝を……
と、思ったところに俺のPCにメールが届いた。
とりあえず、着たメールを開いてみると中身はというと
件名
PC窓口ご登録完了のお知らせ
本文
この度は弊社のPC窓口へご登録ありがとうございます。
つきましては、PC窓口へお越し頂いたお客様のご相談等々へとのってください。
そうすると、あなたは相談屋として社会へと復帰できることでしょう。
なお、PC窓口の閉鎖は次のPC窓口担当が決まるまで閉鎖できません。
その間のトラブルなどは一切、弊社はおいません。
な、なんなんだ……。
てか、弊社ってどこの会社だよ!!
あー、もうわけわかんね……。
とりあえず、これは悪い夢だ……。
そうだ、夢だ……。
よし、夢だ。
夢なんだ!!
とりあえず、訳の解らないこの件は保留にしよう。
自分で言うのもなんだが、ゲームのしすぎアニメの見過ぎなんかで頭がちょっとおかしくなってるんだ。
よし、今日は早く寝よう。
この時、俺は今後の生活なんか知るわけもなかった。
続く……




