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神々の黄昏  作者: 天魔の担い手
水の国編
6/36

水の霊獣との決闘

霊獣とは、他の魔物よりも数倍強い化け物である。

その中でも、ワイバーンは高位の霊獣であった。

しかし、


「あいつは昔、封印されたはずなんだけどな・・・」


フェルナは遠くにいるワイバーンを眺めながら紅月を抜いた。

次の瞬間、ワイバーンが口を開けたかと思うとフェルナは紅月で虚空を斬り上げた。

すると後ろにいたアルファに水がかかった。


「冷たっ!もしかして今のって・・・」

「ああ、高圧の水弾だ

 直撃してたら死んでたな」

「んな・・・」


そんな恐ろしいことを、フェルナは涼しい顔で言ってみせた。


「とにかく、あいつを倒さないことには水の国に入れないからな」

「じゃあ、どうします?」

「この雷狼に主砲はあるか?」

「はい、ですが撃つのに5分程度かかります」

「十分だ」


フェルナはみんなの方を向き、こう言った。


「オレは今から、ワイバーンと戦ってくる。

 みんなはオレの援護を頼む」

「古代兵士はどうしますか?」

「使わないほうがいい。

 相手は水だからな」

「わかりました」

「一人で大丈夫なの?」


と、ミミが心配そうに聞いてきたので


「大丈夫だ、紅月もいるしな」


と答えた。

それからワイバーンの方を向いて大声で言った。


「それじゃあ霊獣狩りを始めるぞ」


その頃、水の国では水の精霊『セイレーン』が王宮に立てこもっていた。

王宮には国民が全員おり、セイレーンが必死に王宮を護っていた。

理由は、やはりワイバーンにあった。

現在ワイバーンは、水の国からエネルギーを吸い取って活動している。

そのため、普通に生活していると国民は全滅してしまう。

なので、セイレーンの防御魔法の中に国民全員がいるというわけだ。

しかし、それもそう長く持ちそうにない。


「どうにかしなければ・・・」


その時だった。水の国の近くに強大な魔力が現れたのは。


「この魔力は、まさか・・・!」

「そのまさかだぜ」

「え・・・?」


声がしたほうを向くとそこには不死鳥がいた。


「なんで、ここにいるの?」

「簡単に説明すると・・・」



1、まず、ワイバーンに斬りかかろうかと思ったが、中の状況がわからないのでまず、情報収集しようと

 考えた。


2、そのために不死鳥を召喚して、こうやって話をしている



「というわけだ」

「そうなの・・・」

「で、こいつは斬ってもいいのか?

 はっきし言ってジャマなんだわ、コイツ」

「それはこっちもよ。

 できれば優先的にしっぽを斬って欲しいのだけど・・・できる?」

「了解。じゃああと5分程度待っててくれ」

「お願い」


そう言って、フェニックスは炎の塊となって地面に落ちた。

セイレーンはそれを拾い上げ、大事そうに抱いた。


「頼んだわよ、フェルナ」



「しっぽを斬って、と言われてもな・・・」

「そうね、斬れそうにないわね」


フェルナは紅月を『悪魔の剣』に変え、しっぽ重点的にを狙っていた。

しかし、相手は水の属性なので決定的なダメージは与えられなかった。


「フェルナ!そこから離れて!!」


と、後ろから声がしたので振り返ると、主砲の準備が整ったようであった。

フェルナは射線上から離れた。

それを見たアルファは


「主砲、発射!!」


の掛け声と共に主砲を撃った。

主砲はワイバーンに直撃し、スタン状態にさせた。


「今なら!」


そう思ったフェルナはワイバーンのしっぽに渾身の一撃をたたきこんだ。

バシュッ!!

という音と共にしっぽは切断された。

しっぽを切られたワイバーンは地面に倒れ、水の体から実体に変化した。

フェルナは炎陽球の呪文を詠唱し、ワイバーンに撃った。

炎陽球は直撃したが、そこまでダメージを受けたようには見えなかった。


「ここからが本番だな」

「そうね」


スタンの解けたワイバーンはいきなり高位の水属性の魔法を放ってきた。

それをフェルナは紅月で斬り裂き、その勢いでワイバーンに斬りかかった。

しかし、ワイバーンの鱗は思ったよりも固く、深く斬ることはできなかった。

ワイバーンは無数の水の刃を生み出し、フェルナに放った。


「くっ・・・!」


何個かは防いだが、数個掠ってしまった。


「強いな、これじゃ勝てねー」

「諦めるのはまだ早いわよ」


フェルナが疑問詞を浮かべていたら雷狼に強い魔力の反応が現れた。


「雷神覇!!」


その反応の正体はミミだった。

ミミは雷神覇をワイバーンに放った。

水に雷は相性がよかった。

ワイバーンは雷神覇によって大きな傷を負った。


「あとはオレに任せろ!」


そう言ったフェルナは右手に持っていた紅月を左手に持ち替え呪文を詠唱した。


「全てを燃やす炎よ、その形を敵を薙ぐ剣に変えよ!」


その手には気刃・豪炎が握られていた。

つまり・・・


「二刀流!?使える人がまだいたなんて・・・」


二刀流とは、はるか昔に使われていた最強の剣技だ。

もう伝承している人はいないはずだったのだが。


「これで最後だ、ワイバーン!!」


フェルナは紅月を『火炎の剣』に変え、二刀流の奥義を放った。



村雨十一之型むらさめじゅういちのかた双炎之乱舞(そうえんのらんぶ)!」



二つの炎の剣は乱れ舞うようにしてワイバーンを斬り裂いた。


「ギャーーーーー!」


ワイバーンは最後に叫び声を上げて燃え尽き、粒子となって消え去った、ように思われた。

しかし、ワイバーンの粒子は空高く舞い上がり、大きな魔方陣を形成した。

その魔法陣が最悪だった。


「なあ紅月、あれは冗談だよな?」

「奇遇ね。私もそうあって欲しいと思っていたわ」

「だよな・・・」

「でも現実を受け止めないと・・・」

「ああ、取り返しのつかないことになる!」


そう言ってフェルナは大きく跳躍した。

その魔法から水の国と仲間を守るために。

―――――ミストルティンの槍を防ぐために。

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