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神々の黄昏  作者: 天魔の担い手
水の国編
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ナリスナ平原の戦い5

まず、投稿が遅れてすいません

何回遅れてるんでしょうね、ほんと・・・



フェルナは『疾風』で加速した体で一気に騎士との間合いを詰め、二振りの剣で騎士の足を斬り抜いた。

先ほどまでは傷一つ付けるのも難しかったその足はなんと、


「足を切断、修復開始」


いとも容易く斬れた。

騎士は一瞬で修復しようとするが、フェルナはそれを許さなかった。

斬り抜き、騎士の後ろに回ったフェルナは上へ飛び、


「村雨五之型・破鎚之双刃(はついのそうじん)!!」


村雨五之型のアレンジで騎士の擬似聖剣を持つ腕を粉砕した。

先ほどから見ていると、跡形もなく粉砕したほうが修復速度が遅いことに気づいた。

フェルナはそのまま追撃の手をやめ一旦距離をとった。

そこでカエデが


「フェルナ、紅月さんからの伝言があるんだけど」

「伝言?」

「ええ、何でも槍を放つ、って」


実際は伝言ではないのだが、伝言という形にしてフェルナの耳に入れた。

二人にはわからなかったことだがフェルナには


「なるほど、なら・・・」


と意味を理解したらしく、剣を再度構えた。

騎士は修復を終えて、こちらに向かってきた。

しかしフェルナは落ち着いて、剣を強く握った。

そして、


「村雨奥剣・四面楚歌!!」


フェルナは走り、四肢に強烈な『斬』をいれた。

すれ違いざまに足を斬り、バックステップで手を斬った。

これは本来の『四面楚歌』とは型がまったく違う。

フェルナがカエデとナギサのために改良した、二人のための剣術。

目にも留まらぬ速さで斬られた騎士はその場に倒れこんでしまった。

騎士の右の切り口は紅く燃え、左の切り口は蒼く凍っていた。

しかし騎士はすぐさま修復しようとしていたが、


「頼んだぞ、紅月!!」


フェルナは遠くから見ているであろう紅月に向かってそう叫んだ。


その声が届いたかは定かではないが、紅月はフェルナが作った隙を逃しはしなかった。

紅月は意識を魔法に集中させた。


「最終セーフティ解除」


そうつぶやくと光の球の輝きが一層強くなった。

そして球は徐々に形を変えていった。

光の球は最終的に光の槍へと変わった。

フェルナがよく使う『インドラの槍』と形状は似ているが、纏っている雰囲気がまったく違った。


「なんなの、これ?」

「私に聞かれてもわからないわよ」


レイラとセイレーンは戸惑っていた。

彼女らとてすべての魔法を知っているわけではないが、少なくともこれほどの威力の魔法を知らないわけがなかった。

下手をするとこの魔法は神が使うとされている『神魔』に匹敵するかもしれない。

そんなことを考えている二人をよそに紅月は


「座標固定完了、空間跳躍魔法展開」


と槍と平行して彼女の目の前に魔方陣が展開された。

その魔方陣はレイラもおなじみの『跳躍』の空間魔方陣だ。

しかし、レイラはまたも疑問に思った。

文字通り、『跳躍』の空間魔法は跳躍する魔方陣で、人に使用、正確には自分に使用するものだ。

しかし紅月は魔法に使用しようとしているのだろう。


(私にも知らない空間魔法の使い方がある・・・?)


もしそれなら紅月は・・・。

そんなことを考えているうちに紅月の魔力が最高潮に高まった。


「くっ・・・」

「ここまでとはね・・・」


二人はあまりの魔力に苦悶の声を上げた。

その魔力は高位の魔法使いである二人でも驚くほどの量だった。

最高潮に高まった高魔力はそして


「放て、フィリアの煌槍こうそう!!」


紅月の意思の元、眩いほどの輝きを纏い放たれた。

直後その槍は空間跳躍し、その場には一瞬の静寂が訪れた。

だが、次の瞬間、ナリスナ平原の方角にとてつもない輝きが立ち上った。


そのときナリスナ平原では、フェルナと、


「損傷率90%超過、自己修復不可、全機能を停止します」


胸部に大きな穴を開けた騎士がいた。

もちろんその穴は『フィリアの煌槍』によってあいたものだった。

騎士はその甚大なる損傷によって動きを止めた。


「やっと終わりか・・・」


とフェルナも体の力が抜けてその場に倒れこんだ。

それと同時にカエデとナギサが剣から人の姿に戻った。

二人はフェルナを上から覗き込みながら


「おつかれさまです」

「ま、私たちに黙っていかなければもっと楽だったのにね」


と、ねぎらいの言葉をかけた。

しかしその言葉はフェルナには届いていなかった。


「・・・・・」


無防備に、平原の真ん中で眠るフェルナを見て二人は


「はあ・・・」

「あいかわらずですね、ほんと」


と言いながらどちらからともなく笑い出し、フェルナの横に座って彼が起きるまで隣に居続けた。



こうして水の国の危機はフェルナによって防がれた。

なぜあの騎士が攻めてきたかは分からなかったが、ただひとつ、人間に操られていたということは後の調査で分かった。

なお、この平原で行われた戦いは報告書の中で『ナリスナ平原の戦い』と名づけられた。




この話で水の国編もそろそろ終わりです。

次回は完全バトルなしで書きたいと思います

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