表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々の黄昏  作者: 天魔の担い手
水の国編
29/36

ナリスナ平原の戦い2

フェルナは圧倒的に不利な状況だ。

まず一つ目の理由として、魔法の完全防御。

近衛騎士の持つ対魔結界によってフェルナの魔法はすべて防がれる。

すなわち、フェルナの攻撃手段が一つ減らされたということだ。

二つ目は近衛騎士自身に物理攻撃があまり意味を成さないことだ。

もともとゴーレムは土を材料に作られている。

そのため、物理攻撃には特に対策を練らずとも防ぐことができるのだ。

しかし、近衛騎士の場合少し事情が違う。

それは材質の土自体に対衝の魔法が使われているので普通のゴーレムよりも物理攻撃に強いのだ。

そして三つ目として、


「こいつの核、ただの魔法石じゃないな」


とフェルナはゴーレムの攻撃をよけながらつぶやいた。

普通のゴーレムの核である魔法石は魔法使い10人分の魔力しか生み出せない。

というのは、それが魔法石の限界であるからだ。

しかし、こいつはなぜかその数倍の出力で魔力を生み出している。

こんな性能を持つ騎士は長い旅の間でも見たことがなかった。

しかし、だからこそフェルナは内心楽しんでもいた。

強者と戦う喜び。

フェルナの心はその気持ちで満たされていた。

フェルナは片手で持っていた気刃を両手でしっかりと持った。

そして、


「村雨五之型・破鎚之刃はついのやいば!!」


近衛騎士の足元に気刃を思いっきりたたきつけた。

それはただたたきつけたのではなく、全ての力を一点に集中させて一点のみに大きな衝撃を与えたのだ。

もともとは盾を破壊するための剣技を応用させたのだ。

そしてそれだけの攻撃をうけた近衛騎士は


「右足損傷、修復・・・完了」


一瞬にしてその損傷を修復させて見せた。

だがこの一瞬こそフェルナが待ち望んだチャンスだった。


「たとえおまえ自身に魔法が効かなくても、剣技が効かなくても」


フェルナの手には魔方陣が描かれたいた。

そしてその魔方陣と同じ文様の魔方陣が近衛騎士の足元にも描かれていた。

色は黒。



「この世界には逆らえないだろう?」


そういって発動したのは圧縮する魔法。

対象は近衛騎士ではなく、近衛騎士の周りの空間。

対魔結界とて完全ではなく、弱点がちゃんと存在している。

それは自分に向けての攻撃しか無効化できないということだ。

なのでフェルナは周りの空間ごと近衛騎士を圧縮しようとした。

そして思惑通り、近衛騎士は空間と一緒に圧縮され体からきしんだ音が聞こえ始めた。

しかしまたしてもフェルナは驚くことになる。


「危険度・大、敵の状態を攻撃対象より殲滅対象に移行

 擬似聖剣構築、展開」


一閃。

それだけでフェルナの魔法は破壊され、空間の圧縮も止まった。

そして近衛騎士は先ほど同様、一瞬にしてその体を修復した。


「擬似聖剣、だと?

 そいつはゴーレムごときが使える代物じゃねえぞ!?」


フェルナの驚きはもっともだ。

聖剣。

この世界においてこの言葉が意味するのは浄化。

全ての魔法を無効化し、世界を元あるべき姿に戻す。

それが聖剣だ。

それだけのことができる聖剣は当然、使用者も限られてくる。

その模造品である擬似聖剣も然りだ。

それをこの近衛騎士は使って見せたのだ。


そこでフェルナは理解した。

いや、理解してしまった。

この近衛騎士は近衛騎士ではない。

人が作り出したものであるなら、人を超えることはできないのは必然だ。

人を超越していないのであればフェルナにも勝ち目は十分にある。

しかし、フェルナは残念ながら勝てる気がしなかった。

ならこいつは人を超越した何かだ。

ではその何かとは何だ?

答えは一つ。

こいつを生み出したのは-ーー





ーーー神だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ