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神々の黄昏  作者: 天魔の担い手
水の国編
26/36

休日

遅くなって誠に申し訳ございません。

2ヶ月もの間待ってくださった読者の方々に感謝を申し上げたいと思います。

フェルナとレイラの戦いが終わってからの数日間。

まあこの数日間にはいろいろなことがあった。

とりあえず、フェルナとレイラがどっちが勝ったかで揉め、ボロボロの2人を見たミミは激怒。

故障してしまった闘技場の防御結界を修復したり。

まあ、そんなことがあった。


今は各々が自由な時間を過ごしている。

今まで忙しくて説明し忘れていたが、水の国は観光都市として栄えている。

娯楽施設も充実しており、フェルナはみんなに自由に遊んで来いと言っていた。

それを聞いた雷狼のクルーは嬉々とした様子で街へと遊びに行った。

全員を見届けたフェルナは


「お前たちも遊びに行ってくるか?」


と、誰もいないのにそんなことを尋ねた。

だが、返答はあった。


「あら珍しい、フェルナがそんなことを聞くなんて」

「どういう風の吹き回し?」

「おいおいひどいな、オレの純粋な好意をそんな言い方するなんて」


フェルナはそう言いながら魔法陣を描き、二振りの剣を取り出した。

片方は炎のように紅く、もう片方は氷のように蒼かった。

フェルナはその二振りの剣を地面に突き刺した。

すると


「まったく、荒々しいわね」

「まあ、放り投げられるよりマシですが」


と、剣は輝き瞬く間に2人の女性の姿になった。

一人は緋色の髪と瞳を持った強気そうな少女。

もう一人は蒼色の髪と瞳を持ったクールそうな少女。

一見見た感じでは普通の少女に見える。

だが、2人のまとう魔力を見るとその考えは改なくてはならなくなる。

もしも2人の魔力が秩序の無いものだとしたら、この街は地獄と化しているだろう。

それほどの魔力を制御しているだけでも2人の実力は伺える。

そんな彼女たちにフェルナは申し訳なそうな声で謝った。


「悪かったな、閉じ込めるような真似をしてしまって」

「別に構わないわよ、あなたの事情もあっただろうし」

「それに、霊剣を2本も保持している人なんかが近くにいたら警戒するでしょうしね」


二人は少し悲しそうに言った。


霊剣。

これこそが彼女たちを区別するための名前。

正式名称を『精霊封印儀式魔剣』

その名の通り、この剣は剣自体が封印儀式魔法となっており、剣に精霊を封印することができる。

精霊は並みの魔法使いよりも魔力量が多く、人間の作った魔剣よりも強い。

中でも、この2人は別格である。


「カエデ、ナギサ・・・」

「気にしないで、もう大丈夫だから」

「それに私達にはフェルナがいます。

 これほど心強いことはありません」


この二人は精霊ではない。


もとは天使だったのだ。


彼女たちはある研究者の実験体にされ、その身を剣の中に封じられてしまった。

その瞬間に彼女たちはその研究者を殺してその場から逃げたが、追っ手につきまとわれる毎日を送った。

その逃亡生活の中でようやく一息ついた時にフェルナと会ったというわけだ。


「オレもお前たちがいてくれたおかげで助かったこともあるんだから、お互い様だ」

「それでも私達はあなたに感謝します」

「ええ、まだ恩返しはできてないしね」


この2人は変なところで頑固な部分がある。

実の話を言うとこの2人にはどうしても遊びに行ってもらわなければならないのだが。

と、そこでフェルナはいい案を思いついた。


「なあ二人共、お願いがあるんだが」

「何、なんでも言って?」

「フェルナの願いなら何でも応えますよ?」

「そりゃ嬉しい。実はな・・・」


とフェルナは2人にこっそりとお願いした。

それを聞いて2人は


「なるほど、それはフェルナじゃ行きにくいわね」

「了解しました、必ずやその物を買ってきましょう」

「ありがとう、助かるよ」


そう言って2人はフェルナのお願いに応えるべく、街へと歩いて行った。

その背中が見えなくなったところでフェルナは背伸びして


「さて、お仕事に行きますか」


と街とは逆へと歩いて行ったのであった。








次回はミミなどの女性陣の街での過ごし方を書いてみたいと思います。

また少し空くかもしれませんが、どうか長い目で見守ってください

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