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神々の黄昏  作者: 天魔の担い手
水の国編
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閑話休題~ミミ・サイド~

フェルナとレイラが戦っているとき。

他のみんなが寝ている中、起きている人物がいた。


「うーーん・・・」


ミミだ。

ちなみに、彼女はしっかり寝た。

彼女は普通の人より少ない睡眠時間で体力を回復出来るのだ。

で、何をしているのかと言うと


「難しいな〜」


彼女は本を読んでいた。

本というより乱雑に魔方陣などが書かれたものだ。

フェルナが移動中の暇なときに書いてくれたものだ。

詳細はというと


「蒼雷の発現か・・・」


そう、そこに書かれているのは蒼雷という特殊な雷の魔力の発現方法だ。

蒼雷というのは文字通り蒼い雷のことで、普通の雷と違い、放電性に特化している。

だがこれを使うのはかなり難しい。

まず、蒼雷は先天的に宿るのが一般的だ。

なので、後天的にはまず宿らない。

しかし、後天的に宿る方法があるらしい。

それがこの本に書いてあるのだが、


「フェルナは私を殺したいの?!」


方法。

それはフェルナの全力の蒼雷を使った魔法を吸収するというものだ。

相手の魔力を吸収するとその魔力を宿すことがあるらしく、魔力が高いとその確率も高くなるらしい。

そのために必要な魔法をここに書いてくれているのだ。

ミミにしてはもっと物騒じゃない方法を教えて欲しかったが、贅沢を言うわけにもいかない。

それに


(こんなところで挫けてたら、フェルナに並べない)


先の戦い、ミミは結局不意打ちを一発当てただけだ。

それも自分ではなく、フェルナにもらった魔法で、だ。

そして考えた。

蒼雷も、フェルナにもらったことになると。


(意味ないな・・・)


他の人が聞いたらそれくらいいいじゃないかと思うだろう。

だがそれはミミのプライドが許さなかった。

それならどうするか?

決まっている。

そうと決まれば練習あるのみ。

ミミは寝所を出て、城の闘技場を借りようと思い、セイレーンを探した。

先ほどあった時に魔力の感じを覚えていたのでそれを頼りに歩いた。

歩いている間、ミミは少し昔のことを思い出した。

それはミミがセンチェル王国を発った日のことだった。


数年前。


「本当に行くのか?」


そう言ったのはセンチェル王国国王にしてミミとフェルナの父、ムスベルだ。


「はい、私は兄を探しに行きます。」


そう答えたのは当時のミミだった。

その後ろにはアルファとベータ、その他数十人の部下が並んでいた。

みんな、ミミ一人では危ないと有志で集まった者達だった。


「・・・そうか」


そう言った父の顔は少し複雑そうだった。

それもそうだろう。

本当のことも伝えずに長男であるフェルナを捨てたのだから。

・・・まあ、そのあと何度か連れ戻そうと騎士団を送っていたのだが、全員返り討ちにあって帰ってきていた。

それを見かねた私は自ら行こうと決めたのだった。


「ミミ、無理はするなよ。」

「わかっております父上。

 いざというときは騎士団を要請しますので。」

「ああ、お前にはその権利がある。」 


そう、私には一応王位継承権がある。

王位継承権を持つものは第二以下の騎士団を王の許可なしに動かすことができる。

それが王の意向に反することであってもだ。


「でも、私はおそらく呼ばないでしょうね」


そう小さくつぶやいた。


そうして私たちはフェルナを探す旅に出たのだ。


そこまで思い出した彼女は少し笑った。


「私って、かなりブラコンだな」


今の発言を知り合いが聞いたら、今更かい!と突っ込むだろう。

でも、私はずっと・・・


「あれ?」


そこでミミは気付いた。

いつの間にかせいレーンの反応が違うところにあることに。

そしてそれは自分のいる横の部屋で・・・。


「・・・医務室?」


このあとミミは倒れたフェルナ(レイラは目に入らなかった)を見て、セイレーンに尋問するのであった。

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