表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々の黄昏  作者: 天魔の担い手
水の国編
21/36

フェルナVSレイラ 前編

水の国の王宮には、闘技場が内外合わせて5つある。

一番大きく、結界設備が整っている第一屋外闘技場。

騎士団が主に演習に使う障害物が多い第二屋外闘技場。

機構を自在に「変えることのできる第三屋外闘技場。

課題形式のトレーニングが出来る個人用の第四屋内闘技場。

最後に、未だ使用用途の不明な第五屋内闘技場。

ちなみにフェルナが先ほど使用していたのは第四屋内闘技場である。

そして今、滅多に使われることのない第一屋外闘技場が絶賛フル稼働中だった・


ここは第一屋外闘技場(ここより先、闘技場で書かせて頂きます)の結界制御室。

その名の通り、闘技場の結界を制御している場所だ。

そこには現在、2人の王宮関係者がいた。

1人はセイレーンで、もう一人はセイレーンの部下だ。

その部下は手元の制御魔法陣を操作しながら、泣きそうな声で


「セイレーン様、もう結界が保ちませんよ!!」


と叫んだ。

だがセイレーンはその叫びを聞いてもなお、落ち着いて


「大丈夫よ、内側の結界が破られるくらい」


と、責任感のない言葉を発した。

まあ彼女に責任感がなかったわけではないのだが。

むしろ、責任感があったからこそ、こういったのだった。

なぜなら


「あの2人が戦っているんだものね」


知っているからだ、あの二人が戦ったらどうなるか。

そして「、これから起きるであろう被害も。

だから予め、闘技場の結界のプラスしてセイレーンのオリジナル結界『』を展開してあった。

これである程度の攻撃になら耐えられるだろう。


「ある程度で終わったら、ね」


そうつぶやいてセイレーンは戦いの様子が映ったモニターに目を移した。


---遡ること数時間。

フェルナとレイラは闘技場の真ん中で対峙していた。

医務室の一件のあと、2人はすぐにこの闘技場に移動した。

その時には2人共すでに魔力を解放していた。

数分の静寂の後、先に口を開いたのはフェルナだった。


「ルールはどうする?」

「いつもどおり、エンドレスで行きましょう」


エンドレスルール。

決闘では非公式のルールで、魔力がなくなろうが、死のうが、相手が降参するまでやるというエゲツいルールだ。

2人の決闘にはいつもこのルールでやっていた。

なのでフェルナも別に異論はなかった。

2人はルールを決めて、それ以上は喋らなかった。

戦いの前には無駄なおしゃべりをしないのが彼らのルールだった。

そのため、開始の合図というものは存在しない。

動いたら開始。

それが彼らのもう1つのルールだった。


そして静寂は突然破られた。


フェルナは右手を天に掲げ、


「悪いが最初から本気で行かせてもらうぞ!!」


と、特大の炎の玉を作り出した。

フェルナの魔法『炎陽球』だ。

それをレイラに向かって放った。

威力も干渉力も絶大である炎陽球をレイラは


「それは私もよ!」


と、先ほどのフェルナの宣言に応えるように言ってその手のひらを炎陽球に向けた。

すると、あたりに漂っていた無数の結晶が炎陽球に殺到した。

無数の結晶に襲われた炎陽球はその圧倒的な数の前に消失した。

その結晶は勢いはそのままにフェルナに向かっていった。

それを見てフェルナは


「なるほど、質より量か・・・」


と悠長なことをつぶやき


ドドドドーーン!!


結晶はフェルナに着弾し、爆発した。


爆弾結晶。

真結魔法の中でも中級ほどに位置する魔法で、その名の通り、爆発する結晶だ。

が、ただの爆弾よりも結晶が飛び散るので殺傷能力が高い。

なので直撃したらフェルナも無事ではないはず。


しばらくすると爆風も収まって視界が明瞭になってきた。

だが、


「え・・・」


先程までフェルナがいた場所には何もなかった。

一瞬、死んでしまったという考えがよぎったが、それはありえないと切り捨てた。

かと言って避けたのなら影が見えたはず。

と、いろいろな考えを巡らせているその時だった。

頭上に膨大な魔力を感じた。

急いで上向くと、上空に


「少し気づくのが遅くないか?」


不敵に笑ったフェルナが大きな雷の槍を持って浮かんでいた。


「室より量の攻撃は避けるに限るな」


そんなことを言って雷の槍を回したりしていた。


「さて、」


と言って、回していた槍を構え、


「量より質の攻撃。お前ならどうする?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ