表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

答え合わせ

「じゃあ、内見行ってくるから」


 秘匿コメントでの回答に正解した俺は、一週間後、空港にいた。

 今日からしばらく東京観光、ついでに内見の予定だった。

 少し長めに東京に滞在することにしたのは、人と会う約束をしたからでもあった。


 秘匿コメント欄で、俺はブログ主と数回、メッセージをやりとりをした。

 端的に言って、ブログ主の趣味は『関東近郊連続失踪者事件』とは何の関係もなかった。


 ブログ主の趣味、それは『虚言癖』というやつなのだそうだ。

 実際のブログ主は『×××』に住んでいるわけでも、失踪事件を引き起こしているわけでもなく、しかし『今回のモデル』が『関東近郊連続失踪者事件』だったために俺を正解者として認定するとのことだった。


 俺は肩の力が抜けてしまって、うっかり、今度東京に行くことを話した。『あなたが本当に×××在住なら会いに行ったのに』と。


 するとブログ主は『では、正解者の君に好きな家電をもう一種類追加して贈ろう。モデルまで当てられたのは君が初めてだ。素晴らしい推理だった。』と返信してきた。だから、お互いに東京で落ち合うことにしたのだ。


 流石に×××在住ではないようだったが、関東近郊に住んでいることには違いないらしく、それじゃあ家電を見るために秋葉原に行こうと約束したのだ。


 謎の流れで顔写真を送ってもらったが、俺より少し年上くらいの女性だった。もちろん、本人の写真ではないだろう(ブログ主は虚言癖持ちだからだ)しかし芸が細かいために面白くなって『女性じゃなかったらぶっとばします笑』と送っておいた。ついでに『炊飯器と大型テレビ、ガチで買ってくださいよ笑』とも。


「面白かったけど、家電は期待できないかもなぁ」


 飛行機のリクライニングシートで呟く。なにせ相手は虚言癖持ちの女性(笑)なのだ。

 どのみち本来の目的は引っ越し先の内見だ。実際に待ち合わせ場所に女性がいなくても、大した問題ではない。


 だから、待ち合わせをした秋葉原駅にその女性が立っていたときは本当に驚いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ