湯気や霧など
湯気や霧などの水滴たちの活躍です。
そのほんの一部です。
湯気は儚いのだろうか
賢治も中也も 儚く消えそな比喩した
湯気は儚くなんかない
水素も酸素も そう簡単には消えない
湯気がヤカンのくちから登って消えるのではなくて
蒸気がヤカンのくちから登って冷やされたのが湯気
湯気は軽いので浮いてるのだが
固体液体気体のなかでは液体だ
湯気が集まり冷えて重くなれば
ヤカンの外側に冷えて結露する
湯気は儚いのだろうか
賢治と中也は 立上るようとも言った
湯気は儚くなんかない
水素と酸素は そう簡単には消えない
湯気はヤカンのくちから登る途中で水滴になるんだ
蒸気はヤカンのくちから登り空中を自由に飛び交う
蒸気は透明なので見えなくなる
消えて儚く感じるのは蒸気かも
蒸気は分子一個づつ自由だから
天井まで元気に登ったりもする
蒸発霧も儚いのだろうか
河面や海面に 立ち込めるのが蒸発霧
蒸発霧も儚くなんかない
水素や酸素は そう簡単には消えない
蒸発霧は湯気と同じ水滴なんだ
ヤカンか海か出所が違うだけだ
蒸発霧もやがて集まって冷える
上昇気流に乗れば雲粒になれる
蒸発霧も儚いのだろうか
雲粒が集まり 色々な名の雲ができる
蒸発霧も儚くなんかない
水素も酸素も そう簡単には消えない
雲粒は太陽光を乱反射するから
真白で高度や風向きで形も違う
雲粒が濃くなると光が遮られて
雲粒が重くなって地上に落ちる
水滴は儚いのだろうか
そんな訳ない と思ってもらえるかな
水滴も儚くなんかない
水素も酸素も そう簡単には消えない
雲粒の水滴は太陽光のプリズム
太陽光を水滴が反射するときに
太陽光は空一面に分光され虹に
水滴は今日も空を何色かに彩る
湯気や霧が儚いと思われがちと思うのは私の偏見かも。
湯気、霧などの水滴たちは、地球の水の循環にも重要な役割を果たします。他にも、生体内の汗や分子の輸送などにも重要です。
以下、本作の自然に関する注釈です。ご興味がらありましたらで、どうぞ。
注1:「蒸気」は、気体の水です。透明な気体で、
1気圧の元では100℃です。但し、注2で述べる
ように100℃に達しなくても、蒸気になれます。
空気の大部分が常温の窒素と酸素なので、ヤカン
から遠ざかれば蒸気の100℃は体感しません。
また、蒸気機関では、熱い「蒸気」をタービンに
あてます。熱をタービンに与えると、「蒸気」が
冷えて湯気が出るので、「蒸気」は白いと思われ
がちです。
「蒸気」は透明な気体、「湯気」は白い液体です。
注2: 湯気は、水の沸点よりも低い温度で発生します。
ヤカンの水と外気が同じ温度であれば、
ヤカンから外気へ出る蒸気と外気からヤカンに
戻る蒸気は同じです。これを熱平衡といいます。
一方、外気との温度差があるとヤカンと外気の
蒸気圧の差で、ヤカンからでる蒸気の方が
正味で多くなります。
ヤカンの使用環境だと70℃くらいでヤカンから
出た蒸気が冷やされた湯気を確認できます。
お風呂は締め切った浴室内の湿度が100%を超える
ので、湯気が出やすいです。
40℃でいい湯加減です。
注3: 蒸発霧の発生も海や河の水温と空気の温度差に
よります。海や河が太陽で温められます。
例えば、水温10℃、外気数℃で発生します。
気流も関係すると思います。
注4: 蒸発霧とは反対に、外気の温度の方が、水温よりも
高い場合に発生する霧もあります。放射冷却で
冷えた水面に、暖かい湿度の高い外気が接触して、
外気が冷却され飽和水蒸気圧が下がって、外気から
水滴ができて霧になります。移流霧と呼ばれます。
他にも色々な霧があります。
注5: 雲粒はミクロン(μm)以上あり、光の波長(400〜
600nm)よりも大きいです。
どの波長の可視光も同じに散乱するので、雲は白く
見えます。湯気の水滴も白いのでミクロンくらいの
水滴からなるのでしょう。
雲粒が濃くなると雨雲です。
光が多量の雲粒で遮られ黒に、重くなり、雨として
地上に落下します。
注6: 河面や海面にみる蒸発霧はそのまま雲粒になれる
か分かりません。高度が低いので。
しかし、穏やかな雲であれば、その雲の中の人は
霧の中と感じるでしょう。
同じ理由で、蒸発霧の近くでは霧に思えど、事実上
雲と言っても良いかも知れません。
注7: 太陽光は雲粒の水滴で反射します。正確には球状の
水滴へと光が空気から水滴内に入射、水滴の内側
で反射して、水滴内から空気へ光が脱出します。
つまり、この反射は平面での反射ではありません。
詳細な計算はは省きますが、
太陽と雲粒を結ぶ直線と貴方の目と雲粒を結ぶ直線
のなす角度が40°ほどで、貴方は太陽の雲粒による
反射光を見ます。この角度を満たす雲粒の場所を
結ぶと空一面の円ができます。
また、光は、水滴で反射するときに、空気と水滴の
境界を通過する(1往復2回)ときに屈折します。
水滴の屈折率は可視光の波長によって少しだけ
違います。光は、空気から水滴内、水滴内から
空気で屈折されるので、七色に分光されます。
七色の円、虹になります。虹は、海面の霧が
雲粒になった水滴に由来します。
ちなみに、水滴を2往復する反射光もあります。
この反射光の反射角は53°で、副虹(二重虹)と
なります。虹の色の内外が主虹と反対です。
滅多に見れませんが。
注8: 雲粒は、雲を白くします。雲粒の大きさは
可視光の波長よりも長く、どの可視光も同じように
散乱します。これをミー散乱といいます。
光は、散乱回数が多いと光量が減衰します。
雨雲は、雲粒が濃いので、可視光のミー散乱の
回数が多くて、黒くなります。
雲粒の水滴は、虹もつくります。
雲粒の水滴は他にも、雲間の切れ目から出る綺麗な
放射状の光を演出します。薄明光線(別称、光芒、
天使の梯子、ヤコブの梯子、レンブラント光線)
と呼ばれます。以上が、水滴が彩る空の代表です。
空の青と朝日夕陽は、可視光の波長よりも
小さな空気の分子の散乱によります。
散乱が可視光の波長に依存するレイリー散乱です。
これは空気の主成分、窒素分子N2、酸素分子O2
による散乱です。
注9: ミー散乱、レイリー散乱の呼び方にアレルギー
のある方へ。どちらも光が散乱体に衝突して散乱
されるもので同じです。光の波長に対して、
散乱体のサイズが大きい(ミー散乱)、か、小さい
(レイリー散乱)の両極限を別称しているだけです。
両極限の性質をそれぞれ解明した人の名前です。
注10: 作中の「水素」と「酸素」は原子を指します。
これらは水分子H2Oを構成する原子です。
核反応などがなく、化学反応のみであれば
原子はなくなりません。
以上、どうもありがとうございました。