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5.証拠

シャーロットがミーシャに協力して欲しいとお願いした内容はこうだ……


ミーシャに知っている範囲のオマーン公爵が奴隷売買を行っている手順を全て話してもらう事。


いつどこで何時…

何人の子供を…

売買している相手の人数…

売買された子供達の年齢と名前…

現在孤児院にいる子供の人数…


などをシャーロットはミーシャに話してくれる様にお願いした。


そして、オマーン公爵が孤児院へとやってこない間にオマーン公爵にバレない程度に尚且…子供達が飢えない様にシャーロットが差し入れる食事を子供達にさせミーシャも食事をする事もお願いしたのだった。


ミーシャの話によるとオマーン公爵が奴隷売買を行っているのは月に一度その月の最後の週の月曜日のまだ陽も昇らない朝方に…子供一人を売買している様だった。

売買している相手の人数は二人の様で子供の手足を縛り口を布で塞ぎ頭から麻の袋を被らせてわらを運ぶ荷台にわらで隠す様に覆って乗せて連れて行っている様だった。

これまでに売買された子供は五人で年齢はそれぞれバラバラだった。

現在孤児院にいる子供は五歳から十八歳までの子供七人との事だった。




シャーロットはある程度の話聞きミーシャに話をした後に自邸へと直ぐ様戻ったのだった。


シャーロットが自邸に戻ると父や兄も帰宅していた。


(お父様とお兄様達…もう帰ってきているのね…。最初はオマーン公爵の悪事の証拠を掴んでからお父様に殿下との婚約解消をお願いするつもりだったけれど…予想よりも孤児院も孤児院の子供達とミーシャさんの状況も良くないから少しでも早くオマーン公爵の悪事を暴く必要があるわ。子供達やミーシャさんを危険な目に遭わさない為にもここは作戦変更をするしかなさそうね…。)


シャーロットはボブ、アミル、エイルが帰宅している事を確認するとそんな事を考えていた。


そして、シャーロットはフンッと鼻を鳴らして意を決してボブ達がいる部屋へと向かったのだった。


シャーロットはボブ達が談話をしている部屋にノックをしてから入った。


そこには…ボブ、エラ、アミル、エイルの四人が揃って談話をしていた。


シャーロットはその光景を見て目を見開いた。


(あ…皆がいる…。お父様…お母様…お兄様達…。前世で私のせいで…私の目の前で処刑されてしまった皆が生きてる…。)


シャーロットは目の前の家族が揃っている姿に胸が熱くなり涙を浮かべながら思っていた。


「シャーロット?どうした?そんな所に立ち尽くして…。」


ボブが部屋に入ってきたもののその場に立ち尽くしているシャーロットを不思議そうな顔で見ながら言った。


「あっ…い…いえ…何でもありません。お父様…。」


シャーロットはボブの言葉にハッとなり応えた。


「そうか?はは…変なシャーロットだな…。」


ボブは笑いながら言った。


(あぁ…お父様…。いつもの優しいお父様だわ…。)


シャーロットはボブとの会話で更に胸を熱くしながら思った。


(………。よし…!前世では私のせいで家族を死なせてしまったけれど…現世では絶対に死なせないわ。これから私がお父様に持ちかける話は皆を死なせない為の行動でもあるんだから…。)


シャーロットは自分で自分に言い聞かせて気合を入れて決心していた。


「お父様…おりいって話があります。」


シャーロットは真剣な表情でボブへと言った。


「どうした?そんな真剣な顔をして…。まぁ…いい。こちらへ来て話してみなさい。」


ボブは真剣な表情のシャーロットを不思議に思いながらも優しく微笑みながら言った。


「はい…。」


シャーロットは頷きながら応えるとボブ達の座っている椅子へと移動して座った。


「さぁ話してみなさい。」


ボブが座ったシャーロットへと言った。


「はい。今から私がお願いする事は本当に…本当に勝手な話だというのは理解しています…。ですが…どうか受け入れて下さい。」


シャーロットは申し訳なさそうな表情を浮かべながらボブへと言った。


そんなシャーロットの姿をボブもエマもアミルもエイルも驚いた表情で見ていた。


「おいおいっ!シャーロットどうした?!そんな頭まで下げて…。早く顔をあげなさい。そのお願いとは何なのだ?」


ボブはシャーロットの予想外の態度に驚きながら言った。


「……。私と殿下の婚約を取り消して頂きたいのです。」


シャーロットは顔を上げると思い切ってボブへと言った。


シャーロットの言葉に…一瞬その場が

シーンとなった。


そして…


「なっ…何だって?!殿下との婚約を取り消して欲しいだと?」


「シャーロット…一体どういう事なの?」


「ロッティ!正気なのか?」


「頭でも打ったのか?!」


沈黙を破りボブ達四人は驚いた表情で同時にシャーロットに向かって言ったのだった。


(はは…まぁ…そうなるわよね…。)


シャーロットは四人の態度を見て苦笑いを浮かべながらそんな事を思っていた。


「殿下との婚約は私の我儘でお父様から陛下にお話頂いて決まりました。しかし…改めて考えてみたのです。私には王妃どころか…王太子妃になる器ではありません。それに…殿下にも…本当に愛し合い助け合える方と幸せになって欲しいのです…。それと…私は…。」


シャーロットは必死に自分の思いを四人へと説明した。


「それと私は…何なのだ?」


ボブは頭を抱えながらシャーロットへと尋ねた。


「はい…。私は…この国ある孤児院で働きたいのです!!」


シャーロットは意を決してボブへと言った。


「なんだって?!孤児院で働きたいだと?!」


ボブはシャーロットの言葉に更に頭を抱えながら言った。


「はい…。ですので…勝手なお願いだとは理解してますがもう一度…私の我儘を聞いてれないでしょうか!」


シャーロットは真剣で必死な表情を浮かべながら頭を下げてボブへとお願いした。


(ごめなさい…。お父様…。でも…私は本当に孤児院で働き子供達の成長を見守っていきたいしそうする事で殿下はミレイ様と幸せになれるしお父様やお母様やお兄様は死なずに済むの。)


シャーロットはボブに必死にお願いしながらそんな事を思っていた。


「はぁ…。シャーロット…。殿下との婚約というのは国に関わる事だ。婚約する際もそうだが簡単に婚約を解消するなど出来るはずもない事はお前も分かっているだろ?それに…孤児院で働きたいと…一体何を考えているのだ…。それにこの国の孤児院はオマーン公爵家が責任者として任されているのだぞ…?そこへシャーロットを働かせに行かせるなど以ての外だ。」


ボブは頭を抱えて呆れた様にシャーロットへと言った。


「殿下との婚約の件は十分に理解しています…。しかし…それでも解消をお願いしたいのです…。」


シャーロットは一歩も引くことなくボブへとお願いした。


「はぁ…シャーロット…理解してるのなら…。」


ボブがため息をつきながら言いかけた。


「もしも…オマーン公爵が悪事を働いているとしたらこの国の孤児院をオマーン公爵に任せられますか…?」


シャーロットはボブの言葉を遮る様に言った。


「何だと?オマーン公爵の悪事だと?」


ボブはシャーロットの言葉に反応し険しい表情を浮かべながら言った。


「はい…。オマーン公爵は自分が孤児院の責任者な事をいい事に孤児院の子供達を使い闇の奴隷売買を行っているのです。」


シャーロットは真剣な表情でボブの目を真っ直ぐ見て言った。


「何?!奴隷売買だと?!」


ボブが驚いた表情で言った。


ボブだけではなくその場にいたエマ、アミル、エイルの三人も驚いていた。


「はい。ですが…それだけではありません…。オマーン公爵は国からの補助金も受け取りながらそのお金を自分の懐へと入れいるようです。本来補助金というのは孤児院の環境や子供達を守る為に使われるお金です。ですが、オマーン公爵は孤児院はおろかそこにいる子供達や住み込みで働く方にも食べ物はおろかろくに水すらも与えていないのです。」


シャーロットは煮え繰り返そうな感情をむき出しにしながら四人へと説明した。


「なんと…。」


ボブはシャーロットから聞く話があまりにも酷いので言葉を失っていた。


「でも…オマーン公爵の悪事が事実だとして…どうしてそんな事をロッティが知っているだ?」


シャーロットの話を聞きふと気になった事をアミルが尋ねたのだった。


(アミルお兄様…相変わらず鋭いわね…。まさか私には前世の記憶があるなんて言えないしね…)


シャーロットはアミルに尋ねられてそんな事を考えていた。


「それは…少し前に…王都に出た際に耳にした話なのです…。それで…どうも気になって今日孤児院へと行ってみたのです。オマーン公爵の姿はなかったのでこっそりと孤児院を覗いてみたのです。そこには悲惨な光景がありました。そして…孤児院で働いているミーシャさんという方に話を聞いたのです。」


シャーロットは何となく誤魔化しながら説明をした。


「ロッティが?!珍しい事もあるんだな…。ロッティが他人に興味を示すなんてな…。」


「あぁ。兄上の言うとおりだな…。何だか今日のロッティはロッティじゃないみたいだな。あれだけ懇願していた殿下との婚約も解消してくれなんて言うしな。」


アミルとエイルが驚いた表情を浮かべながら言った。


「私も正直…混乱しているがもしもシャーロットの言っている事が事実だとするにらば大変な事態だ…。オマーン公爵がやっている事は犯罪だからな。」


ボブは驚きながらも険しい表情を浮かべながら言った。


「はい。これは一刻を争う事です。ミーシャさんの話によると次の奴隷売買が行われるのは明後日なのです。このまま放っておけばまた一人の子供が犠牲になってしまいます。ですのでオマーン公爵の悪事を暴く為にもお父様達の力を貸して欲しいのです。」


シャーロットは一生懸命にボブへと伝えた。


「……。分かった。一先ず殿下との婚約の件は置いといて…孤児院の件は放ってはおけない事だから私たちも動くとしよう。お前たちもいいな?」


ボブは悩んだ末にシャーロットに力を貸すことにした。

アミルやエイルにも協力する様に言った。


「「はい。承知しました。」」


アミルとエイルは応えた。


そして…

三日後の奴隷売買が行われる日の当日…


奴隷売買が行われる場所にシャーロット、ボブ、アミル、エイルが先回りして身を潜めていた。


そして…

いざ、奴隷売買が行われ様とした瞬間を逃さずボブとアミルとエイルがオマーン公爵と売買先の男の二人を捕らえたのだった。


シャーロットは縛られいた子供の頭から麻袋を取り口の布を外して縄を解いた。


そして…

その後、オマーン公爵の悪事と悪事の証拠を国王に報告する為に王宮へと早馬を出したボブ達はオマーン公爵と男二人を引き連れてグランバート公爵一家は王宮へと向かったのだった。

ご覧頂きありがとうございます★


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