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3.三度目の人生の幕開け

目を開けて何故か公爵令嬢・シャーロットの姿をしていた事に驚いたシャーロットだったが少し時間が経つと落ち着きを取り戻したのだった…



(つまり…これは……さくらとして死んでしまったけれど…今度はシャーロットとして生まれ変わったという事になるのかしら…。)


シャーロットは自分の置かれている状況を冷静に考えた。


(でも…どうしてまた…シャーロット?)


シャーロットは自分がシャーロットとして処刑されさくらとして命を落としまたシャーロットとして生まれ変わった事に疑問を感じていた。


考え込んでいたシャーロットは急にハッとなっり自分の姿を鏡で見たのだった。


(ちょっと待って…。もしかして…いや…もしかしなくても…この私は…殿下との婚約が決まった直後の私じゃないの…?)


シャーロットは鏡で自分の顔を見ながらそんな事を思い血の気が引いていたのだった。


(そんな…という事は先に待つのは…処刑される結末じゃないの…。)


シャーロットは一度目の人生の事を思い出しゾッとしていた。


(冗談じゃないわ…。さくらとして生まれ変わって真っ当に人生を送っていたのに命を落としてしまって…また生まれ変わったと思ったら待つのは死ですって…?そんなの絶対にダメだわ…ダメよ…絶対にダメよ…。)


シャーロットは焦りながらそんな事を考えていた。


その後もシャーロットは頭を抱えていた。


(あっ…。そうだわ…。そうよ!待っているのは死だけれど…自分の手でその死を回避すればいいってことじゃないの…?そうすれば…私は…シャーロットでも死ななくて済むんじゃないの?そうよ!そうすればいいのよ!)


シャーロットはこれだ!と名案が浮かんだとばかりに笑みを溢しながら思っていた。


(となると…まずは…殿下との婚約取り消しにしてもらわないといけないわね…。)


シャーロットはう〜んと困った表情を浮かべながら考えていた。


(でも…この婚約は私の我儘でお父様に口添えしてもらってこぎ付けた婚約だったからな…。自分で我儘を散々言っておいてからの取り消しなんて許して貰えるかしら…。)


シャーロットは困った表情のまま頭を悩ませながら思っていた。


(婚約を取り消しにしたいのならば…それなりの理由が必要にもなってくるわよね…。理由…理由…理由……。ん〜〜………。)


シャーロットは難しい表情を浮かべながら考えていた。


(あっ!!そうだわ…。確か…この国にも孤児院があるじゃないの!その孤児院で働きたいという事を理由にするのはどうかしら…。それなら殿下もミレイ様と幸せになれる。私も天職だと思っていた事が出来る。一石二鳥じゃないからしら。)


シャーロットは名案を思いついたといわんばかりに目を輝かせながら考えたいた。


(あっ…でも…ちょっと待ってよ…。私の記憶が正しければ…確か…この国の孤児院ってオマーン公爵家が管理していわね…。となると…私がその孤児院で働くとなると難しそうね…。オマーン公爵家とは我が公爵家は折り合いがあまりよろしくないものね…。数年後にオマーン公爵の悪事が知られて確か王国を追放されるまでは何かとオマーン公爵がお父様に敵対心を抱いていたものね…。はぁ…となると…それも理由には出来ないか…。)


シャーロットは先程まで目を輝かせていたが急に困った表情へと変わりながらそんな事を考えたいた。


(ん?オマーン公爵の悪事…?これは…使えるかもしれないわね…。)


シャーロットは肩を落としていたがピコン!っと何か閃いた様な表情で考えたいた。


(オマーン公爵の悪事が明るみになったのは確か…私と殿下の婚約式が行われた年だったはずだったわね…。確か…何年にも渡りオマーン公爵は孤児院の子供達を奴隷市で奴隷として売っていたんだったかしらね…。それが確か…何者かの密告で陛下の耳に入り国外追放されたのだったわね…。)


シャーロットは昔の記憶を辿るように思い出しながら考えていた。


(何だか…前世のシャーロットの時はへぇ〜くらいにしか思ってなかったけれど今思うと本当にオマーン公爵って最低最悪だわ…。未来のある子供達を汚い商売の道具として扱うなんで…。許せない悪党だわ…。ますますオマーン公爵なんかに孤児院は任せられないわね…。)


シャーロットはオマーン公爵に嫌悪を感じながら渋い表情を浮かべてそんな事を考えたいた。


(となると…数年後に明るみになる国の財務大臣を務めているオマーン公爵の悪事を私が今明るみにしてオマーン公爵を懲らしめる…そして…オマーン公爵の悪事を明るみにできた事を陛下が褒めて下さるだろうから何か褒美と言われたら…残された孤児院と子供達を守る為に私が孤児院で働きたい事を理由に殿下との婚約を取り消してもらう………。うん…。この計画でいくしかないわ…。でなければ私に待つのは死よ…。)


シャーロットはオマーン公爵の悪事を明るみにした後の状況までもしっかりと考えたいた。


(陛下へ婚約取り消しのお願いをする前に…まずは…お父様に話をしないといけないわよね…。元はと言えば私の我儘をお父様が聞いてくれたのだから…。でも…さすがのお父様も婚約取り消しをして欲しいと言っても国の存続にも関わる事項だからすんなり首を縦には振ってくれないわよね…。となると…それなりにお父様を納得させる事が大事ね…。)


シャーロットはどうすればいいかと考えながら思っていた。


(という事は…まず優先すべきは…オマーン公爵の悪事の証拠を掴む事ね。まずはそこを明るみにしないと話が先へ進まないものね…。)


シャーロットはうんうんと頷きながら考えたいた。


(さぁ…そうと決まれば善は急げね!早速…オマーン公爵の悪事の証拠を押さえにいかないとね!)


シャーロットはうんと頷き自分に気合いを入れる様に思っていた。


そして…


「マヤ?マヤはそこにいるかしら?」


シャーロットは自分の侍女のマヤの名前を呼んだ。


「はい!お嬢様。ここにおります。」


部屋の外からマヤが返事をした。


「そこに居たのね。部屋に入ってきてちょうだい。」


シャーロットが部屋の外にいるマヤへと声をかけた。


「承知しました。では…失礼します。」


マヤが返事をすると部屋の中へと入ってきてた。


「お嬢様どうなさいましたか?お部屋の片付けをしたらよろしいのでしょうか…。」


部屋に入ってきたマヤは少しおどおどとしながらシャーロットへ尋ねた。


「え?部屋の片付け?部屋の片付けなんて……。」


シャーロットはマヤの言葉の意味がわからず首を傾げながら言うふと回りの光景が目に入り言葉を止めた。


(こっ…これは…。何てこと!部屋が散らかり放題じゃないの…。自分の置かれている状況ばかり考えていたから部屋がこんな事になってるなんて気づかなかったわ…。あぁ…きっと私が何かイライラしていて物に当たり散らかしたのね…。そうよ…前世のシャーロットは我儘が通らないと機嫌が悪くなってよく物に当たり散らかしていたわね…。そして…毎度マヤが私の機嫌を伺いながら部屋を片付けるという…。)


シャーロットは部屋の状況を見て苦笑いを浮かべながらそんな事を思っていた。


「あ〜…マヤ…部屋は自分で片付けるからマヤは何もしなくてもいいわ。」


シャーロットは苦笑いを浮かべたままマヤへと言った。


「え?!お嬢様が…ご自分でですか?!」


マヤはシャーロットの言葉にあまりに驚きながら言った。


(まぁ…今までの事を考えるとそういう反応になるわよね…。)


シャーロットは苦笑いを浮かべながらそんな事を思っていた。


「ええ。私が自分でやるから。置いておいてちょうだい。それよりも…今まで物に当たり散らかしてその後片付けをいつもマヤにさせてしまって申し訳なかったわね…。ごめんなさいね…。今後は物に当たり散らかすのはやめようと思うわ…。」


シャーロットはマヤに頭を下げながら今までの事を謝った。


「そっ…そんな!お嬢様…!頭をおあげ下さい!片付けるのは私の仕事でもありますのでお気になさらず!」


マヤはシャーロットが自分へと頭を下げて謝ってきた事が衝撃すぎて慌ててシャーロットへと言った。


「いいえ…。マヤは他にも仕事があるのに私が散らかしたせいで仕事を増やしてしまっていたから…。」


シャーロットは昔を思い出しながら申し訳なさそうにマヤへと言った。


「そんな…お嬢様…。」


マヤはそんなシャーロットの態度に混乱しながら言った。


「これからはマヤの仕事を増やさない様に気をつけるわね。」


シャーロットは笑顔でマヤへと言った。


「そんな…。」


マヤは更に混乱しながら呟いた。


「あっ!そうだわ!部屋片付けは私がするから置いておいて…マヤ!今から少し出かけたいから支度をお願いしてもいいかしら?」


シャーロットがマヤへと言った。


「え?あっ…はい!承知しました。すぐに支度させて頂きます。」


マヤはハッとなり慌てて応えた。


「ありがとう。よろしくね。」 


シャーロットは笑顔でマヤへとお礼を言った。


(お嬢様…どうなされたのかしら…。何だか…いつものお嬢様じゃない様で…混乱してしまうわ…。)


マヤはシャーロットを見つめながら混乱しつつそんな事を思っていた。


しばらくするとシャーロットの出かける支度が済んだ。


この日のシャーロットはマヤが驚く程地味な格好をしていた。

シャーロットがマヤに地味な服装をお願いしたからだった。



(孤児院付近を偵察に行くならばあまり目立った格好は良くないものね…。)


シャーロットは着た洋服を見ながらそんな事を思っていた。


そして、シャーロットはマヤにお礼を言うとオマーン公爵家が管理する孤児院へと向かったのだった。

ご覧頂きありがとうございます★


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