20.試み
シャーロットはこの日、孤児院へ行く前に街の市場へ寄っていた。
(シェフのドルに聞いたとこによるとこの国では牛肉は貯蔵庫で保存する際に温度調整が難しく少しでも気温が変動すると持ちが悪くなりすぐに腐ってしまうと言ってわよね…。その為に牛肉は鶏肉や豚肉に比べて買う人が少ないから他の肉に比べて牛肉は安価で手に入ると言っていたけど…。)
シャーロットはグランバード公爵家専属シェフのドルが教えてくれた事を思い出して考えながら歩いていた。
シャーロットがもう一度シャーロットとして生き抜くと決めた日からシャーロットは使用人達への態度を改めた。
シャーロットは今まで我儘ばかり言ったり八つ当たりをした事などを使用人一人一人に謝ったのだった。
使用人達は今までとは別人な様なシャーロットに最初は戸惑いながらもといつの間にか和気あいあいと話すようになっていたのだった。
使用人達はシャーロットが質問してくる事に対して色々と教えてくれていたのだった。
(あっ!牛肉あったわ!!)
シャーロットは牛肉が売っているお店を見つけた。
「いらっしゃい!」
シャーロットを見て店の男性が言った。
「すいません。牛肉を下さい。」
シャーロットはにこりと微笑みながら男性へ言った。
「牛肉かい?牛肉は最近は特に保管が難しいが本当に牛肉でいいのかい?他にも牛肉よりは値を張るが新鮮な鶏肉や豚肉なんかあるけど。」
「えぇ。牛肉で大丈夫です。」
「そうかい?分かったよ。どのくらい包もうか?」
「えーっと……。この牛肉の塊を全て下さい。」
「え?!全部だって?!」
「はい。うちは子供の人数が多いので…。」
「え?!えらく若いお母さんなのに子沢山とは驚きだね!」
「ふふ…違いますよ。孤児院の子供達ですよ。」
「孤児院の?じゃぁ…お前さんが孤児院へ新しく来た街のもんに修復作業やその他の事もお願いした人なのか?!」
「はい。そうなんですよ。」
「そうなのか?そりぁ驚いた!お前さんが作業を依頼したのは俺の飲み仲間なんだよ!ここ数年はオマーン元公爵のせいでほぼただ働きで何年もこき使われていたんだがお前さんに頼まれた仕事で今まででは考えられない報酬を貰ったと喜んでいた。これで家族にひもじい思いをさせなくて済むと…。オマーン元公爵は国の財務大臣だからとこの辺りをまるで自分の支配下におく奴隷の様な扱いを受けた者たちは少なくないからな…。」
「報酬は仕事に見合った額をお支払いしただけですから。作業をして頂いた方々の仕事はとても丁寧で感謝していますので。お陰で孤児院の見た目が生まれ変わりました。オマーン元公爵に関しては許しがたい事ばかりでしたがこれから少しづつでも明るい未来が見える生活が戻ってくるといいと思います。」
店の男性はシャーロットが牛肉を買うことにも買う量にも驚いた。
しかし、シャーロットは笑いながら孤児院の子供達の分だと説明した。
シャーロットが孤児院から来たと聞いた男性は更に驚いて言った。
そんな男性にシャーロットは優しく微笑みながら応えたのだった。
(オマーン元公爵は本当に最低ね…国民を何だと思ってるのかしら。悪事をぶち撒けて陛下の前へと叩き出して正解だったわ…。それにしてもオマーン元公爵が居なくなって少しづつでも街に明るい光が見えてきてる気がして嬉しいわね。)
シャーロットは男性の話を聞き応えるとそんな事を考えたいた。
「何だか…お前さんの話を聞いたら嬉しい気持ちになり久々に胸が熱くなって目頭まで熱くなっちまったよ…。」
「ふふ…。そうですか?」
「あぁ。よし!そんなお前さんにはおまけで鶏肉もつけてやるさ!子供に沢山食べさせやってくれ!うちの鶏肉は絶品だぞ!」
「本当ですか?!嬉しい。ありがとございます。」
「あぁ。」
男性は目に薄っすらと涙を浮かべながら笑顔でシャーロットへ言うとシャーロットは嬉しそうに笑いながらお礼を言ったのだった。
そしてシャーロットは男性の店を後にした。
その後もシャーロットは二軒程店を回り買い物をして両手に荷物を抱えたいた。
(あぁ〜この感じ何だか懐かしいわね。第二の人生の時はこうして大量の荷物を自転車や車に積み込んで買い物してたな…。重いんだけどご飯を美味しそうに食べてくれる子供達を見ると嬉しくて頑張れるのよね。)
シャーロットは両手に荷物を持ち歩きながら前世の事を思いだし少し口をふっと緩ませながら考えたいた。
※
シャーロットが街から孤児院へと到着した。
到着した頃には昼前になっていた。
「シャーロットさん!どうされたんですかその大量の荷物は…。」
食堂に居たミーシャがシャーロットの両手の荷物の量を見て驚いて言った。
「あぁ。これですか?ここへ来る前に街の市場に寄ったんですけどつい買いすぎてしまって…。それに加えてお店の方におまけまでしてもらったから気づけば量が凄いことになってたんです。」
シャーロットが驚くミーシャへと説明した。
「そうだったのですか…。さぁ…早く荷物を置いてください。片付けるのを手伝いますから。」
「はい。ありがとうございます。」
ミーシャはシャーロットの話を聞き頷きながら言うとシャーロットは笑顔でお礼を言った。
そして、シャーロットとミーシャは買ってきた食材を片付ける物だけ片付けて必要な物はキッチンへと置いた。
「シャーロットさん…これ牛肉ですか?」
「はい。そうです。」
「牛肉は…この時期特に保管が難しいのです。孤児院での保管となると設備が整ってはいないのですぐに腐ってしまいます…。」
「はい。知っています。」
「え?ご存知なのにあえて牛肉を買われたのですか?!」
「はい。作ってみたい料理がありましてそれには牛肉が必要なのです。」
「ですが…この量ですと一度に使い切るのは困難かと思いますが…。」
「はい。普通に切って焼くと残ってしまいますが私が作ろうと思う料理はこの量を一度に全て使うのです。」
「え?!一度に全てですか?」
「ふふふ…。はい。そうなんです。」
「一体何を作ろうとしているのですか?」
「それは…出来てからのお楽しみです。ただ…この肉の量を調理するのは一人では大変なのでミーシャさんも手伝って頂けますか?」
「はい!それはもちろんお手伝いさせて頂きます!」
「ありがとうございます。」
ミーシャはシャーロットがかってきた肉が牛肉だと知ると少し困っ表情を浮かべて牛肉は持ちが良くないことを伝えた。
しかし、シャーロットはケロっとした表情で知っていた事をミーシャへと伝えるとミーシャは驚いた表情を浮かべた。
どうにも不安げなミーシャにシャーロットは笑顔浮かべて作りたい料理があると伝えた。
そして、シャーロットはミーシャへ手伝いをお願いするとシャーロットなりの考えがあると理解したミーシャは笑顔でお願いを受け入れたのだった。
そして、二人は早速作業に取りかかった。
シャーロットが実際に作業を進めながら手順をミーシャへと説明した。
シャーロットの手順を見て説明を聞いたミーシャは同じ様に作業を進めた。
まずは…牛肉の塊を脂身と赤身部分を切り分けた。
そして切り分けた脂身と赤身をそれぞれスライスしていった。
そして最後にスライスしたものを挽き肉の様に細かく細かく切り刻んだのだった。
作業にかかった時間は一時間半ほどだった。
休みなく作業をしたシャーロットとミーシャは少し息を切らせ腕もパンパンに張っていたのだった。
「ミーシャさん…ありがとうございました。とても助かりました。この作業を一人ではやっていたら倍以上の時間がかかってしまっていたでしょうから…。腕がとても疲れたでしょ?ミーシャさんな腕を冷やしながら休んでおいてください。残りの作業は私がやりますので。」
「いえ…大丈夫です。シャーロットさんも同じくらい腕がお疲れでしょう?教えて頂いたら私が作業しますけど…。」
「私は大丈夫です。それに…ここからの作業は新たな私の試みでもあるので私がやりますから。本当に気にせず休んでおいてください。」
「わかり…ました。では…お言葉に甘えて少しだけ腕を休ませて貰いますね…。」
「はい。そうしておいてください。」
ミーシャが腕を擦っている姿を見たシャーロットはミーシャへ休んでいる様に伝えた。
シャーロットに言われたミーシャは慌てて大丈夫だと応えるもシャーロットは優しくミーシャを労る様に伝えた。
ミーシャはそんなシャーロットを見て頷きながら応えのだった。
(やっぱり挽き肉を一から作るのは想像以上に大変だったわね…。あれ程の塊がいざ挽き肉にしてみたら半分程の量だもんね…。でも…これでハンバーグが作れそうだわ。)
シャーロットは自分の腕のだるさを感じながらそんな事を考えていたのだった。
そして、シャーロットは腕のだるさに負けまいと作業を始めたのだった。
まずは…
パンを小さく手で千切りミルクへと浸した。
浸してる間に玉ねぎをみじん切りにしてあめ色になるまで炒めた。
そして、挽き肉をボールに入れるとミルクに浸し絞ったパンと炒めた玉ねぎ、卵をいれて粘り気が出るまでしっかりと捏ねた。
シャーロットの手際の良い作業をミーシャは休憩しながら感心した表情で見ていた。
シャーロットはよく捏ねた挽き肉を同じ大きさに丸く形成した。
「よし…!いい感じに形成できたわ!」
シャーロットは形成したたねを見て満足そうに笑みを浮かべながら言った。
「シャーロット、これは一体なんですか?あの大きな牛肉の塊がこんな量になり不思議な見た目になるなんて…。」
「ふふふ…。まだ完成ではないのですよ。最後にこの形成したたねを焼いたら完成です。どんな料理になるかは完成してからのお楽しみです。」
「???はい…。分かりました。」
満足そうにしているシャーロットを見たミーシャは不思議そうな表情を浮かべてシャーロットへと尋ねた。
そんなミーシャにシャーロットはクスクスと笑みを溢しながら嬉しそうに言った。
そんなシャーロットを見てミーシャは??な表情を浮かべたまま応えたのだった。
そして、シャーロットは形成したたねをすべて焼き始めた。
ジュ〜ジュ〜ととてもいい焼き音がなり始めた。
シャーロットはハンバーグを焼いてる間にハンバーグの付け合せを手際良く作り始めあっという間に付け合せの人参のグラッセにマッシュポテト、茹でブロッコリーを完成させた。
デザートにはマスカットを添えた。
そして、ハンバーグが焼け終わる少し前にハンバーグにかけるソースを作り始めた。
ハンバーグにかけるソースはマッシュルーム入のデミグラスソースにした。
味見をしながら手際良くデミグラスソースを完成させた。
そして、ハンバーグが焼けた。
シャーロットは焼けたハンバーグをお皿に盛り付けた。
そして、付け合せの野菜も彩りよく盛り付けた。
ガチャ!
そこへ扉を開けて外からジョナスが帰ってきたのだった。
「あらっ!ジョナス。外へ行ってたの?おかえりなさい。」
「ん?あぁ。外へ走りに行ってたんだよ。体力をつけるためにな。」
「そうだったのね。丁度良かったわ!今、昼食ができたところなのよ。二階に行くついでに皆を呼んできてもらっていいかしら?」
「あぁ。分かったよ。……何かいい匂いするな。」
「ふふ。そうでしょ?そのいい匂いの正体を早く皆に見て欲しいから早く皆を呼んできてね!」
「あぁ。分かったよ!」
急に外からジョナスが帰ってきたので少し驚いた表情を浮かべたシャーロットがジョナスへと言った。
ジョナスはそんなシャーロットへ説明した。
そんなジョナスにシャーロットは笑顔で伝えるとジョナスは食堂にいい匂いが充満してる事に気づき呟いた。
ジョナスを見てシャーロットはニコニコしながらジョナスへ皆を呼んでくる様にお願いしたのだった。
そして…
ジョナスが皆を食堂へと呼んでくれた。
「わぁ〜いい匂いがする!」
「何の匂い?」
「肉の匂いじゃない?」
「そうだね!肉の美味しそうな匂いだー!」
「鶏肉かなー。豚肉かなー。楽しみだね!」
二階から下りてきた下の子達が食堂の匂いに気づき少し興奮気味に言い合った。
「さぁ!皆早く席について食べましょう!」
シャーロットは嬉しそうに子供達の会話を聞きながら言った。
「「は〜い!!」」
シャーロットに言われて皆は応えると席についた。
「はい!では…今日の昼食です!」
シャーロットは笑顔でそう言うと皆の前に完成したハンバーグとロールパンを置いた。
「これは…何?」
「分かんない…。」
「ねぇ?ロッティ…これはなぁに?」
「でも…凄いいい匂いだよね…。」
目の前に置かれたハンバーグを見て子供達は不思議そうな表情を浮かべて言った。
「ロッティ…これは見たことない料理だけど何という料理なの?」
フーパーがシャーロットへと尋ねた。
「これはね…ハンバーグステーキという料理なの!」
シャーロットは子供達の話やフーパーの言葉を聞きニヤリとしながら言った。
「「ハンバーグ…?!」」
シャーロットの言葉を聞いてそこに居たシャーロット以外の全員が声を揃えて言った。
「ふふふ…。そうよ!牛肉を使った料理なの!きっと皆気に入ってくれると思うわ!さっ!冷めないうちに皆食べてみて?」
シャーロットは全員が同時に言ったのが面白くてクスクスと笑いながら言った。
「「いただきます。」」
シャーロットに言われた皆はそう言うとハンバーグを口へと運んだ。
皆はハンバーグを口にした瞬間表情がパァ〜と明るくなった。
「何これ!とても美味しいです…。牛肉をあの様に細かく切ったというのにとても肉々しくて肉汁も溢れて尚且一口で食べごたえがあります…。こんな料理食べたことありません。」
ミーシャが驚いた表情を浮かべたまま言った。
「本当だね…。これは美味しいね。ステーキは一度しか食べたことがないんだけどステーキよりも食べやすくて口の中が肉汁もあってで肉々しさが溢れてるね。」
フーパーも驚いた表情を浮かべながら言った。
「本当に美味しい〜。」
「熱いけど口の中にお肉が広がるね。」
「ほくほくだ〜。」
「美味しい〜美味しい〜。」
下の子達もハンバーグを頬張りながら嬉しそうに言った。
そんなミーシャや子供達を見たシャーロットは嬉しそうに微笑んでいた。
(皆…喜んでくれてるみたいで良かったわ。初めて挽き肉を作ったから上手く出来ているか不安だったけど上手くいった様ね。やっぱりいつの時代もハンバーグは無敵料理ね。頑張って作った甲斐があったわ!この嬉しそうな表情を見たいから頑張れるのよね!)
シャーロットはニコニコとミーシャ達を見ながらそんな事を考えたいた。
「あれ…?ジョナスは…あまり好きではなかったかしら?」
シャーロットはふとジョナスが黙って食べているのを見て不安げな表情でジョナスへと尋ねた。
「いや…旨いよ。」
ジョナスはそう応えるとまたハンバーグを口へと入れた。
「旨いって…。美味しそうな顔じゃないわよ?」
シャーロットはジョナスの言葉に苦笑いを浮かべながら言った。
「ロッティ…。安心して。兄さんは本当に美味しいと思ってるよ!兄さんは昔から本当に美味しいと思ってるものを食べてると何故か表情がかたくなるんだよ。不思議でしょ?普通は笑顔になるのにね。でも…ほら美味しいと思ってる証拠に兄さんは食べ終わりそうでしょ?」
苦笑いをするシャーロットを見てフーパーがシャーロットへと説明した。
「そうなの?!」
フーパーの言葉を聞いたシャーロットは驚きジョナスへ言った。
「あぁ。」
ジョナスはハンバーグを頬張りながら頷き応えた。
「分かりづら過ぎでしょ!」
シャーロットが思わずジョナスへ突っ込んだ。
「そうか?」
ジョナスはそんなシャーロットへ首を傾げながら言った。
「そうよ!も〜不安になって損したじゃないの…。でも…ジョナスも美味しいと思ってくれて良かったわ。おかわり分もあるから言ってね!」
シャーロットは少し頬を膨らませながら言うとすぐにホッとした笑みを浮かべて言った。
そして、更に笑顔になりおかわりがある事も伝えた。
「ん!おかわり!」
シャーロットがそう言うとジョナスがすぐに皿を差出し言った。
「はいはい…。」
シャーロットはそんなジョナスを見て嬉しそうに言った。
「「おかわり〜!!」」
ジョナスがおかわりしたのを見た下の子達が一斉におかわりをしたのだった。
そんな子供達を見てシャーロットは嬉しくなりながらお皿におかわりを取り分けたのだった。
ミーシャと子供達はハンバーグを食べて大満足な表情を浮かべていたのだった。
「今後も私の新たな試みの料理を皆食べてくれるかしら?」
満足そんにしている皆へとシャーロットは笑顔で尋ねた。
「勿論です!大歓迎です。私にとっては料理の勉強にもなりますし。」
ミーシャはシャーロットの言葉に笑顔で応えた。
「僕も食べるよ。」
「うんうん!絶対食べるよ!」
「私も!次の食事も楽しみだなぁ。」
「そうだね。これからはもっと食事が楽しくなるね。」
「うんうん!」
子供達も笑顔でシャーロットへと応えた。
「僕ももちろん食べるよ!これからどんなものが出てくるか楽しみだね。」
フーパーも笑顔で言った。
「そうだな…。俺も食べてやるよ!」
ジョナスは少し意地悪そうに応えた。
「はいはい!食べてくださいませ!」
そんなジョナスにシャーロットはクスっと笑いながら言った。
「アミルお兄様に言われてジョナスは今体力や筋肉造りをしているんでしょ?」
シャーロットがジョナスへ尋ねた。
「あぁ。」
ジョナスが頷きながら応えた。
「だからね、栄養管理に加えて筋肉にも良い料理を私頑張って考えて作るわね!楽しみにしておいてちょうだい!」
シャーロットは満面の笑みでジョナスへと言った。
「………。あ…あぁ。」
そんな満面の笑みのシャーロットへジョナスは一瞬だけ間があったが応えたのだった。
「ジョナスだけズルいよー。」
シャーロットとジョナスの会話を聞いたサボがプクッと頬を膨らませながら言った。
「ふふふ…。サボ達にも美味しい料理を沢山作るわね。」
シャーロットはそんなサボへ笑顔で応えた。
「本当?やったー!」
サボはシャーロットの言葉に嬉しそうに言った。
そんなサボをシャーロットは微笑ましく見たのだった。
そんなシャーロットをジョナスが何かを思うように見てい事などシャーロットは気づく由もなかった。
この日、シャーロットは前世の記憶を辿りながら現世でハンバーグを作るという新たな試みをして見事に作り遂げたのだった。
※
(皆、喜んでくれて良かったわ…。案外この国でも前世で作っていた様にハンバーグを作れるもんね。と…いう事はハンバーグ以外にも調味料などを工夫したら美味しい肉や魚料理の幅が広がりそうね。やはり…カレー作りも諦めきれないから挑戦してみいわね…。)
シャーロットは孤児院から侯爵邸に帰る馬車の中でこの日の事を思い出しながらそんな事を考えたいた。
(この国では牛肉の売れ行きがあまり良くないからハンバーグ作りを街に広げたら牛肉が売れる様になり街のお金の流れが良くなりそうよね…。ハンバーグを国民に広げる方法があったりするのかしら…。)
シャーロットは更に考えたいた。
(孤児院で催事みたいな事をしてそこでハンバーグの試食でもする?ん〜催事などを開いたら街から人が集まり孤児院の子供達も街に友達ができたりするかしら…。)
シャーロットは更に頭を悩ませ考えたいた。
(最近では子供達もすっかり元気になったし下の子達は人に対しても怯えなくなったから街へ出かける事もさせてあげたいわね。やっぱり街で色々なものを沢山見て刺激を受けるのもいい事だもんね…。そこはミーシャさんと相談してみよう…。)
シャーロットは孤児院の子供達の事を思いながら色々と考えたいた。
そうこうしているうちに公爵邸へと到着した。
シャーロットは孤児院からの勢いで家族にもハンバーグを食べさせたいと思い帰宅するなり厨房へ向かいシェフのドルへ牛肉を使わせてもらいハンバーグを作った。
厨房にいた使用人達はシャーロットの手際の良さに度肝を抜かれた様な表情を浮かべていた。
そして、シャーロットは夕食の時間に作ったハンバーグを家族の前へと出した。
ボブ達は目の前に見たこともない料理が置かれた事に加えて、それをシャーロットが作ったことにプラスして、口にしたハンバーグが美味しい事で皆豆鉄砲を食らった様な表情を浮かべていた。
ボブとアミルとエイルに関してはあまりにもシャーロットが今までと違い過ぎてシャーロットは実は天才なのではないかと小声で話し合う程だった。
そんなボブ達を気にもしてないシャーロットは自分の作ったハンバーグが家族にも好評だった事を喜んでいたのだった…………
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