15.孤児院視察②
「ロッティのお兄ちゃんのお友達なの?」
「良かったら…今皆でお昼ごはんを食べてるんですけどロッティのお兄さんとお兄さんのお友達も一緒にどうですか?」
「一緒に食べましょう。」
シャーロットの発言に目を点にしたローランドとアミルにお構いなしに子供達は声をかけた。
「えっと………。」
アミルが子供達の言葉にハッとなり困った表情を浮かべながら言った。
「皆、ちょっとお兄様とお兄様のお友達の方に話があるから先にミーシャさん達の所へ戻っておいくれる?」
「「は〜い!!」」
「ありがとう。私もすぐに戻るから。」
「うん。ロッティ、絶対にお兄ちゃん達も一緒に戻ってきてよ?」
「え?え…えぇ…。分かったわ…。」
「へへへ…絶対だよー!」
シャーロットは子供達の間を割って入り子供達へと伝えた。
子供達はシャーロットの言葉に素直に応えた。
シャーロットはホッとした表情を浮かべながら言うとサボが念を押すかの様にシャーロットへ言った。
サボの言葉にシャーロットは苦笑いを浮かべながら言うとサボは嬉しそうに言った。
そして子供達は先にミーシャ達の所へと戻ったのだった。
子供達がミーシャ達の元へと戻ったのを確認したシャーロットはローランドとアミルへと近づいた。
「殿下にご挨拶申し上げます…。」
シャーロットはローランドへと挨拶した。
「あぁ…。」
ローランドは相変わらず無愛想に応えた。
「殿下…少し失礼致します…。」
シャーロットはローランドの顔を見ることなく少し礼をしながら言うとアミルの方へと近づいた。
「アミルお兄様、どうしてここへ?」
「どうしてって…陛下のご命令で陛下の代わりに殿下が孤児院の視察をする事になったのでこうして足を運ばれたんだよ。」
「孤児院の視察ですか?!」
「あぁ。オマーン公爵が孤児院に対してどれほどの悪態を晒していたのかも目で確認しないと分からないだろう?だけど思いの外外観が酷い状態で驚いたよ…。外観がこれなら内観も相当なものではないかと思ったから内観も見たいと思ってね。」
「そうね…。私も最初はとても驚いたくらいだもの。本当にオマーン公爵は最悪よ…。って、それより孤児院の中も見るの?!」
「あぁ。そのつもりだけど?視察なんだしきちんと状況を把握してから陛下に報告しないといけないだろう?何か不都合でもあるのか?」
「それはそうだけど…。ん〜不都合とかではないのだけど……。」
シャーロットはアミルへ近づくとアミルへと困った表情を浮かべながら尋ねた。
するとアミルが孤児院へ訪れた理由をシャーロットへと説明した。
シャーロットはアミルの言葉に驚き言うとアミルは頷きながら応えた。
アミルが孤児院を見た印象を話すとシャーロットもそれに賛同しながら言った。
しかし、シャーロットはアミルの"内観も見たい"という言葉に反応して言った。
シャーロットが微妙な表情を浮かべながら応えるとアミルがその表情を見て首を傾げながら尋ねた。
シャーロットは困った表情を浮かべながら言うとチラリとローランドの方を見た。
「もちろん…殿下も中を見られるよね?」
「当たり前だろ。その為にわざわざ殿下が足を運ばれたんだぞ?」
「そ…うよね…。」
(はぁ…やっぱり殿下もよね…。)
そして、シャーロットはアミルに小声で尋ねた。
するとアミルは当然だろといわんばかりの表情で応えた。
そんなアミルにシャーロットは困った表情を浮かべながら言うと内心はため息混じりにそんな事を思っていた。
「私に中を見られると困ることでもあるか?」
ローランドがシャーロットが話しているのを聞き不機嫌そうな表情を浮かべながらシャーロットへ尋ねた。
(何故、私が中を見るのが嫌なのだ?あの様に嫌そうな表情で言うとは。シャーロットの事だ。どうせ見られたら困る様なものでもあるのだろう。父上にあれだけ大きな口を叩いておいて結局は我儘令嬢の気まぐれなのだろう。先程はシャーロットが笑っている姿が別人かの様に思えたがやはり所詮はシャーロットはシャーロットのままだな。)
ローランドはシャーロットに尋ねながらもシャーロットの表情が気に食わないと感じつつそんな事を思っていた。
「えっ…?いえ…そうではありませんが…。」
シャーロットは突然ローランドが聞いて聞いてきたので驚いたものの苦笑いを浮かべながら応えた。
(殿下は地獄耳なのかしら…。小声で話してたつもりなのに。はぁ…困るこというより殿下とはなるべく顔を合わせたくないのよね…。せっかく婚約取り消しの承諾を得たっていうのに…。私が生き抜くためにはとにかく殿下とは距離を置くのが一番だというのに…。はぁ…。)
シャーロットはローランドに応えながらも内心はそんな事を思っていた。
「では、孤児院内を見させてもらおう。」
ローランドが不機嫌なまま言った。
「……。承知しました。ですが…。」
シャーロットは内心複雑だったが王太子の言う事を断る事も出来ず了承し言った。
「何だ?」
ローランドは面倒臭そうな表情で言った。
「中を見て頂く前に…子供達が殿下とお兄様を待っていますのでまずはそちらへ行ってあげて頂きたいのです。」
シャーロットはローランドの目を真っ直ぐ見て真剣な表情で言った。
(殿下がまだこの場へとどまられるのは不本意だけど子供達との約束はちゃんと守らないとね。)
シャーロットはローランドに話しながらそんな事を思っていた。
「何故…私が?」
「ロッティ!殿下はこの後もご予定がありお忙しいのだ。内観だけ見せてもらったらすく王宮へ戻らないといけないんだ。子供達には悪いけどロッティが上手く言っておいてくれないか?」
ローランドは面倒臭そうに言った。
横からアミルがローランドの表情を見て慌てて会話に入ってきてシャーロットへと言った。
(はぁ…前世の私ったら一体こんな人のどこか良くてあんなに好きだったのかしら。こんな子供達の事も考えられない様な人のどこが。あぁ…本当に腹が立ってきたわ…。)
シャーロットはローランドの態度に内心腹を立てながらそんな事を思っていた。
「……。失礼ながら…。殿下がお忙しい事は存じております。しかし…陛下の代わりですが孤児院の視察の為にこちらへ来られたわけですよね?この孤児院は国の孤児院です。という事は孤児院の子供達も国の国民なのです。国民である子供達があの様に嬉しそうに殿下とお兄様に声をかけているのです。その声を蔑ろにされるのはこの国の王太子としていかがなものなのですか?王太子の仕事が忙しいからと子供達の声を無視するおつもりですか?ここの子供達はオマーン公爵にとても酷く辛い目にあわされました。そんな子供達に対し殿下はそれを知っていて声を無視するのですか?王太子の仕事を理由になさるのであればこの孤児院の子供達と接する事も仕事の一つだと思います!」
シャーロットはローランドのあまりの態度に腹が立ち失礼を承知でローランドへ真っ向から自分の意見を伝えた。
ローランドはシャーロットの言葉と堂々とした態度に思わず驚いた表情を浮かべていた。
アミルも口をポカンと開けながら呆気にとられていた。
「ロッ…ロッティ!!殿下に何と失礼な事を言うんだ!」
しかし、すぐにハッとなりシャーロットの話を聞きアミルが血相を変えて強い口調でシャーロットへと言った。
「お兄様は黙っていて下さい!それに、私は間違ったことを言っていますか?!」
シャーロットはアミルの強い口調にも怖気づかずキッとアミルの方を見ながら言った。
(お兄様も殿下と同じだわ!何も分かってないわ。)
シャーロットはアミルにも腹を立てながらそんな事を思っていた。
「ロッティ!何だその言い方は!」
アミルがムッとした表情で言った。
「アミル…黙っていろ…。」
ローランドがアミルの前へと手を出し言った。
「しかし殿下…。」
アミルは慌てて言った。
「……。確かに…シャーロットの言うことは一理ある。孤児院の子供とて国民の一人だ。国民の声を蔑ろにするのは国の王太子としてはよくない事だ。父上が足を運んでいたら迷わず子供達の声に耳を傾けていただろう。今後の我が国の為にも子供達の声に耳を傾けるのも私の仕事だ。約束通り子供達の元へと行くとしよう。」
ローランドはシャーロットの言葉を聞き少し考え込んだ後にシャーロットへと言った。
(不本意だがシャーロットの言った事に一理あるのは事実だ。孤児院の子供達も国民の一人…。その様な事他の公務や執務に忙しく今まで考えもしなかったな。)
ローランドは冷静にシャーロットの言葉を聞き考えていたのだった。
「殿下!」
「この後の仕事の予定は多少なら調整もきくだろう。アミル、王宮へ戻り次第調整を行ってくれ。」
「……。はい。承知しました。」
アミルがローランドの言葉を聞き慌てて言うとローランドは淡々とアミルへと伝えた。
そんなローランドにアミルは応えたのだった。
「殿下…ありがとうございます。殿下のご決断に感謝致します…。それから…先程は失礼な態度をとってしまい申し訳ありませんでした…。」
シャーロットは丁寧にローランドへと頭を下げてお礼と共に謝罪もしたのだった。
「……。構わない…。それより子供達の元へ行くのならば行くとしよう。」
ローランドはシャーロットを見ながら言った。
「はい。あっ…一つお伝えしておきたい事があります。」
「どうした?」
シャーロットが応えるとハッとなりローランドとアミルへと言った。
するとローランドが応えた。
「はい…。ここの子供達はオマーン公爵の件があり貴族の方達をあまりよく思っておりません。現に私も貴族の令嬢ですので最初はあまりいい印象を持たれていませんでした。どうにか話をして私は…受けいれてもらいましたが…。ですので大変失礼ながら殿下が王太子である事は伏せておいて頂きたいのです。この国の王太子だと知ったら皆驚きと混乱を引き起こしてしまいそうですので。お兄様は私の兄ということで皆嫌悪感などは持っていないと思うので殿下もあくまでお兄様のお友達という形にしておいて頂きたいのです。」
シャーロットは子供達の事を思ってローランドへと切実にお願いしたのだった。
「……。分かった…。王太子だという身分は伏せておくとしよう。アミルもよいな?」
ローランドはシャーロットの切実な願いに少し考え込むも頷きながら応えアミルへも言った。
「はい。殿下…。」
アミルは頷きながら言った。
「殿下の対応に感謝致します。」
シャーロットはホッとした表情を浮かべながらローランドへと言った。
そして、ローランドとアミルと話を終えたシャーロットは二人を皆の元へと連れて行った。
「あ〜やっと来た〜。」
「もう…お昼ごはん食べ終わっちゃったよ〜。」
「ロッティ遅かったね。」
「ご飯は食べ終わっちゃったから…どうする?」
「それから皆で絵を描こうよ。」
「いいね〜そうしよう。そうしよう。」
子供達がシャーロット達が来たのを見て皆で言ったのだった。
「ごめんね。少し話をしていたら長くなってしまって。食事は残念だけれど絵を描くのはいいわね。楽しそうだわ。」
シャーロットは申し訳なさそうに皆に言うとすぐに笑顔を浮かべながら言った。
「では…私が紙とペンを持ってきますね。」
「ミーシャさん。ありがとうございます。宜しくお願いします。」
ミーシャが話を聞いてすぐに言った。
そんなミーシャにシャーロットは笑顔で言った。
『殿下…お兄様…地べたに座る事になり申し訳ありませんが少しの間だけなので宜しくお願いします。』
シャーロットはローランドとアミルにしか聞こえない程の小声で申し訳なさそうに二人へと伝えた。
「あぁ…。分かった。」
「分かったよ…。」
ローランドとアミルが応えた。
『ありがとうございます。』
そんな二人へシャーロットは小声でお礼を言った。
そして、シャーロット、ローランド、アミルの三人も皆の元へと座った。
そこへミーシャも紙とペンを持って戻ってきた。
「ミーシャさんありがとうございます。それでは、皆に二人を紹介するわね。こちらはミーシャさんとジョナスとフーパーはもう知ってると思うけど私の兄でアミルさん。そしてこちらが兄のお友達の…………ロッ…ローさんよ。」
シャーロットはミーシャにお礼を言うと皆へとローランドとアミルを紹介した。
シャーロットはいざ二人を紹介しようとしるとローランドの名前を教える際に困ってしまい思わず"ローさん"と言ってしまったのだった。
さすがにその紹介にローランドとアミルは驚いた。
そんな二人にシャーロットは苦笑いを浮かべたのだった。
「アミルお兄ちゃんとローお兄ちゃんだね。よろしくお願いします。」
「「よろしくお願いしま〜す!!」」
サボがシャーロットの紹介を聞くと笑顔でローランドとアミルへと言った。
サボに続きシーマ、サナ、トム、マーヤも言ったのだった。
「あぁ…よろしく。」
「よろしくね。」
ローランドとアミルは子供達に圧倒されながら言った。
「そして…ローさん、アミルお兄様、こちらからシーマ、サナ、トム、マーヤ、サボ、そしてジョナスにフーパー、孤児院で働いているミーシャさんです。」
シャーロットは孤児院の皆をローランドとアミルへと紹介した。
「よろしくお願いします。」
「「よろしくお願いしま〜す!」」
「よろしくお願いします。」
「よろしく…お願いします…。」
ミーシャや子供達がローランドとアミルへと言った。
「あぁ…。よろしく…。」
「よろしくね…。」
ローランドは無表情のまま…
アミルは圧倒された表情を浮かべながら言った。
「ねぇ〜ロッティ…早くお絵描きしようよ〜。」
サボがロッティへと急かす様に言った。
「そうね。じゃぁお絵描きしましょうか。」
「うん!!」
シャーロットはそんなサボに笑顔で言った。
するとサボは嬉しそうに応えた。
シャーロットとミーシャが皆へと紙とペンを渡した。
シャーロットがローランドとアミルへ紙とペンを渡そうとすると…
「私達はいい…。皆が描いているのを見ているから。」
ローランドがシャーロットへと言った。
「そう…ですか。分かりました。」
シャーロットはすぐに了承した。
(はぁ…。本当にこの空気が何なのかしら。せっかく子供達が一緒に描こうって言っているのに…。あぁ〜早く殿下には帰ってほしいわ…。)
シャーロットはローランドに言うと自分が座っていた場所に戻りながらそんな事を考えていた。
「それじゃぁ…何を描こうかしらね。」
シャーロットが考えながら言った。
「ロッティ、お兄ちゃん達の顔を描くのはどうかな?」
「それいいね。賛成!」
「うんうん。そうしよう!」
シャーロットが悩んているとマーヤがシャーロットへ提案した。
マーヤの提案を聞いていた子たちがマーヤの提案に賛同した。
「ん〜…そうね…。分かったわ。では、ローさんとアミルお兄様の似顔絵を描くことにしましょう。」
シャーロットは少し悩んだがまぁいいかという表情を浮かべながら言った。
「「は〜い!!」」
シャーロットが言うと下の子たちは元気に応えたのだった。
「と…いうことなのでロー…さんとアミルお兄様にはモデルになってもらいますね。」
シャーロットはローランドとアミルに拒否権はありません!という様な圧をかけながら言った。
ローランドとアミルは困った表情を浮かべたが子供達の嬉しそうな表情とシャーロットの拒否はやめてくださいという圧を見ると断るに断れないといった表情で二人は頷いたのだった。
そしてしばらく皆はローランドとアミルの似顔絵を一生懸命描いたのだった。
「僕は描けたよ。」
「私も!」
「僕も!」
「私も描けたわ!」
「僕も終わったよ。」
「俺も描いたよ。」
サボが一番のりに描けた事を言うと他の皆も同じように書き終わったようだった。
「では、皆が書き終わったのでローさんとアミルお兄様に見てもらいましょう!では…小さい子たちから見せてちょうだい。」
シャーロットは皆へと言った。
「うん!じゃ〜ん!」
「うんうん!サボ、とても上手に描けてるわよ。」
サボがそう言うと笑顔でローランドとアミルへと自分が描いた絵を見せた。
そんなサボへシャーロットが笑顔で褒めた。
「私のはこれよ。」
「うん!マーヤも凄く上手に描けてるわね。」
次にマーヤが自分の絵を見せた。
そんなマーヤへシャーロットは笑顔で褒めた。
「僕のはこれだよ。」
「トムの上手に描けてるわ。」
次にトムが自分の絵を見せた。
するとシャーロットはトムの事も褒めた。
「私のはこれよ。」
「サナもとても上手に描けてるわ。」
次にサナが自分の絵を見せた。
シャーロットはサナの事も褒めた。
「僕はこんな感じだよ。」
「まぁ…シーマすごく上手に描けたわね。」
次にシーマが自分の絵を見せた。
シャーロットはシーマの絵も褒めた。
「僕はあまり上手ではないんだけどこんな感じだよ。」
「フーパー、これを上手じゃないなんて言ったらいけないわ。上手に描けてるわよ。」
次にフーパーが少し照れながら自分の絵を見せた。
謙遜気味のフーパーの絵もシャーロットは褒めた。
「私はこの様に描きました。」
「ミーシャさんもとても上手だわ。」
次にミーシャが自分の絵を見せた。
そんなミーシャにもシャーロットは褒めた。
「次はジョナスね。」
シャーロットがジョナスの方を見て言った。
「先にロッティが見せろよ!」
ジョナスがツンとした表情で言った。
「私から?いいわ。私が描いたのはこれよ!」
シャーロットはジョナスに言われると頷きなら言い自信満々に自分の絵を見せた。
シャーロットが絵を見せた瞬間一瞬その場が静まり返った。
「ぷっ…ブハハハハハハ…何だそれ!人間を描いたのか?!ハハハ…ハハ…お腹痛ぇよ。ロッティ…お前、絵が下手くそ過ぎるだろ!」
静まり返った次の瞬間…
ジョナスが大声で爆笑した。
そして、お腹を抱えながら大笑いしたままシャーロットへと言った。
シャーロットの絵を見てアミルは苦笑いを浮かべ…
ローランドは目を点にしていた。
フーパーも笑いを堪える様な仕草をしていた。
下の子たちもケラケラとシャーロットの絵を見て笑っていた。
「ちょっと!!どういう意味よ!ちゃんと似顔絵描けてるでしょ?!」
シャーロットは大笑いするジョナスにムッとなりながら言った。
「おまっ…これが似顔絵って。ブハハハハハハ…ブハハハハハハ…笑いが止まんねぇよ!」
ジョナスはとにかく笑いが止まらず大笑いしながら言った。
「まっ…まぁ…よく見たらロー様とアミル様に見えますよ。」
ミーシャが慌てて言った。
「いや…ミーシャさん、それフォローになってませんよ…。」
シャーロットは苦笑いを浮かべながら言った。
「あっ…すいません…。」
ミーシャは慌てて言った。
「どうして皆…そんなに笑うわけ?そんなにおかしくないでしょ?!」
シャーロットは皆の表情を見ながら頬を膨らませながら言った。
「ロッティはね…昔から絵だけは壊滅的に下手なんだよ。」
思わずアミルが苦笑いを浮かべながら言った。
「ちょっと!アミルお兄様!」
シャーロットはアミルをキッと睨みながら言った。
「ブハハハハハハ…本当に可笑しくてたまんねぇよ!」
ジョナスはひたすら大笑いが止まらず言った。
「ちょっと!ジョナス!笑いすぎよ!そういうジョナスの絵はどうなのよ?!早く見せなさいよ!」
シャーロットがいつまでも笑うジョナスにムッとしながら言った。
「ハハ…はいはい!分かったよ。俺のはこれだよ…。急いで描いたから完成度は低いけどな。」
ジョナスは笑いを溢しながら言うと自分の絵を見せた。
「完成度は低いってジョナスだって…私と…。」
シャーロットはジョナスの言葉を聞いてどうせジョナスだって自分と対して変わらない絵を描いたんだろうと言うつもりがジョナスの絵を見て言葉が止まった。
ジョナスの描いた絵は誰が見てもとても上手だというのが一目見てわかる程だった。
ジョナスの描いた似顔絵はどう見てもローランドとアミルにしか見えない程の完成度だった。
ジョナスの絵を見てシャーロットやミーシャ、子供達はもちろんローランドとアミルも驚いていた。
「ちょっ…ちょっと…ジョナス…あなた…絵が驚くほど上手じゃないの。」
シャーロットはジョナスの描いた絵を見て先程までムッとしていたとは思えない程笑顔でジョナスの絵を褒めた。
「兄さんは昔から絵がとても上手なんだよ。風景も人物もとても上手に描けるんだよ。」
フーパーは驚いてる皆へと言った。
「もう少し時間があればもっと上手く描けたけどな。ははは…ロッティとは正反対だな。」
ジョナスは笑いながら言った。
「ジョナス!!」
シャーロットはまた頬を膨らませながらジョナスへと言った。
「本当に…これは…見事だな。ねぇ…殿…ローさん?」
「あぁ。本当だな。よく描けているな。」
アミルがジョナスの絵を見て感心した表情を浮かべながら言うとローランドへも言葉を振った。
ローランドも感心した表情を浮かべながら言った。
「悔しいけど…ジョナスの絵の才能は本物だわ…。」
シャーロットは頷きながら言った。
「今度、絵の描き方教えてやろうか?」
ジョナスはニヤニヤしながらシャーロットへと言った。
「結構よ!まったく…ちょっと自分が上手いからって!」
シャーロットはプーと頬を膨らませながら言った。
「ハハハ…。」
ジョナスはそんなシャーロットを見て笑っていた。
ミーシャや他の子供達もシャーロットとジョナスのやり取りを聞いて笑っていたのだった。
お絵描きの時間が終わるとシャーロットはミーシャ、ジョナス、フーパーに下の子たちと外でもう少し遊んでいて欲しいとお願いしてローランドとアミルを孤児院の中へ案内したのだった。
「外観を見て頂いたら分かると思いますが内観は外観よりも放ったらかしにされていた様でとても酷い状態です。掃除は済んでいますので足元だけはお気をつけ下さい。」
シャーロットが孤児院の中へ二人を入れると二人へと伝えた。
「あぁ。分かった。」
ローランドが応えるとローランドとアミルは孤児院の中を視察したのだった。
ローランドとアミルはある程度の内観視察を終えた。
「ある程度の視察は終わった。」
ローランドが一階で待っていたシャーロットへと声をかけた。
「そうですか。」
シャーロットが応えた。
「あぁ。早速、孤児院での視察報告を父上の方にしようと思うので私達はこれで失礼する。」
「畏まりました。お気をつけてお帰り下さい。」
ローランドが淡々とシャーロットへと言った。
そんなローランドにシャーロットもとくに笑みを見せる訳でもなく応えた。
「あぁ。アミル行くぞ。」
「はい。」
ローランドが応えるとアミルへと言った。
アミルが応えた。
「ロッティはまだ帰らないのか?」
「ええ。私はまだやる事があるから。」
「そうか。なるべく遅くならない様に帰るんだぞ。」
「ええ。わかったわ。」
アミルがシャーロットへと尋ねるとシャーロットが応えた。
アミルは少し心配そうな表情を浮かべな?がら言うとシャーロットは頷きながら応えた。
そして、ローランドとアミルが孤児院を後にしようとした…
「ローお兄ちゃ〜ん、アミルお兄ちゃ〜ん、さよなら〜。また遊びに来てね〜。」
「「さよなら〜。」」
サボが帰ろうとするローランドとアミルを見て遊んでる場所から二人へと笑顔で言った。
他の子達も笑顔で手を振りながら言った。
ミーシャとジョナスとフーパーは二人へと頭を下げて礼をした。
そんな皆へアミルが手を振るとそれを見たローランドも軽く手を振ったのだった。
そして、シャーロットもローランドへと礼をしたのだった。
そしてローランドとアミルは孤児院を後にして王宮へと戻って行ったのだった。
「はぁ〜やっと…帰ったわ…。前世ではいつでも殿下の側に居たいと思っていたけれど今は…とにかく殿下とはなるべく会わない様にしたいと思うばかりだわ…。」
シャーロットは帰っていく二人を見ながらため息混じりにドッと疲れた表情を浮かべたが言ったのだった。
そんなシャーロットは気を取り直してみんなの元へと向かったのだった……
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2022.2.20
異世界転生/転移
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この度、男装令嬢・キャサリンは探偵助手をする事になりました!!
〜探偵様は王子様?!事件も恋も解決お任せ下さい〜
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