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14.孤児院視察

この日…

シャーロットが事前にお願いしていたペンキや木材に釘やネジに加えて工具が届いた。


「さぁ…今日はこの木材を使って自分達で使うベッドの枠や机や椅子を作ろうと思います!!」


シャーロットは笑顔でミーシャや子供達へと言った。


(前世で施設勤務していた時はよく日本でいうDIYをしていたからこれくらい作るのはお手のものだわ。自分の使うものを自分で作ることで更に愛着が沸くものだしね。)


シャーロットは皆に話しながらそんな事を思い出していた。



「え?じ…自分達で作る…のですか?!」


ミーシャはシャーロットの予想外の言葉に驚いた。


「えぇ。そうです。机や椅子であればサボでもサポートしてあげれば作れますよ。」


「え?僕でも作れるの?!」


「えぇ。サボも自分で自分の使う椅子や机を作れるわよ。手伝ってあげるから頑張って作ろうね。」


「うん!」


シャーロットは頷きながら笑顔で言った。

そんなシャーロットの言葉にサボが嬉しそうにワクワクした表情を浮かべながらシャーロットへ尋ねた。

そんなサボにシャーロットは笑みを浮かべながらサボの頭を優しく撫でながら言った。

そんなシャーロットにサボは嬉しそうに応えた。


「私でも出来るのか不安ですけど…教えて貰いながら頑張りますね。」


「はい。やり方さえ覚えたらそんなに難しくはありませんので。」


「はい。」


ミーシャは不安そうな表情を浮かべながらも"よし!"と気合を入れる様に言った。

そんなミーシャを見てシャーロットは笑顔で言った。

そんなシャーロットを見てミーシャも笑顔で応えた。


「まずは…どの様な感じで作業を進めていくかを簡単に見せながら説明するわね。説明し終わったら下の子たちの手伝いは私とジョナスとフーパーとミーシャさんでするから安心してね。分からない事があればすぐに私に聞いてくれるといいからね。作業は工具を使うから危ない行動は絶対にしないでね!怪我をしたら大変だから。工具はゆっくり丁寧に扱ってね。」


「「はーーい!」」


「分かりました。」


「分かったよ。」


「了解。」


シャーロットはミーシャと子供達へと説明と注意をした。

ミーシャに言われると下の子たち元気に応えた。

ミーシャ、ジョナス、フーパーも頷きながら応えた。


「よし…それでは早速作業開始しましょう!」


シャーロットは元気な言った。


そして、シャーロットの説明が終わると皆で作業を始めた。


最初は皆分からない事だらけで苦戦していたがシャーロットが丁寧にやり方を教えたお陰で段々とコツを掴んだ様に作業を進めて言った。


「ロッティ!ベッドはピンク色に塗ってもいいの?」


「私は…薄い黄色がいいかな…。」


「僕は青が塗りたいな。」


「僕は水色がいいな。」


「僕は…う〜ん…う〜ん…色んな色がいいな。」


ベッド枠を作成中にサナ、マーヤ、シーマ、トム、サボがシャーロットへと言った。


「もちろんよ。ペンキは何種類か調達したから自分の好きな色を塗るといいわよ。」


シャーロットは笑みを浮かべながら下の子たちへと言った。


「「やったーー!!」」


子供達は嬉しそうに笑みを浮かべながら言った。


(ふふ…皆可愛いわね。自分の好きな様に作るって本当に子供達にとって凄くいい事よね。)


シャーロットは喜ぶ子供達を見て嬉しそうな表情を浮かべながら思っていた。


「それにしても…何で貴族の令嬢がこんな事出来るんだ?!貴族の令嬢ってのはこんな大工がする様な事まで習うのか?」


ジョナスが作業をしながら疑問に思っていたの事をシャーロットへと尋ねた。


「えっ…?それは…個人的に本を読んで勉強したのよ。」


シャーロットはジョナスの言葉にギクリとなりながらも誤魔化す様に応えた。


(急に聞いてくるから驚いたわ…。まぁでもそうよね。普通は貴族がこんなもの作りなんてする訳ないもんね…。そりぁ不思議に思うのは当たり前よね…。)


シャーロットは内心は苦笑いを浮かべながら思っていた。


「ふ〜ん…そうなのか?令嬢ってのは宝石やドレスの事しか考えてなさそうなイメージだったけどロッティみたいな奴もいるんだな…。」


「そうね…。私みたいなのもいるのよ。こんなだから余計お友達も出来ないのよ…。」


「あぁ〜。何となく分かるわ…。」


「ちょっと!分かるって何よ?!」


「え?だって…なぁ…。要は変わり者だってことだろ?」


「ちょっと!!そんな変わり者とお友達になったのはどこの誰でしょうね!」


「はいはい!分かった!分かった!いいから手動かせよ!」


「ジョナスが話しかけてきたから手が止まったんでしょ!」


「そうだったか?さぁ続きすんぞ!」


「ベーっだ!さぁジョナスは放っておいてわろうかしら。」


「クククッ…。」


ジョナスはあまりしっくりとこないという様な表情をしながらも言った。

そんなジョナスにシャーロットは誤魔化すかの様に言った。

するとジョナスはシャーロットをからかう様にシャーロットへと言うとシャーロットがすぐ食い付いて来たのでジョナスは面白くてなって続けたのだった。

二人は何だかんだで仲良く作業を進めていたのだった。



作業を始めてから数時間が経過した頃…

子供達が部屋で使う物に加えて食堂で使う新しい食事テーブルが完成した。


「「完成だーー!」」


下の子たちが嬉しそうに飛び跳ねながら言った。


「そうね。完成したわね。皆お疲れ様。皆が頑張ったからこんなに素敵な物が出来たわね。」


「最初は作れるのか不安でしたがいざやってみると出来るもんですね。」


「自分達で使うものを自分達で作るのって凄くいいね。達成感が凄いよ。」


「初めてにしては上出来だな。」


シャーロットは笑顔で拍手をしながら言った。

ミーシャもフーパーもジョナスも笑みをしながら満足そうに言った。


「明日にはペンキが乾くはずだから明日からこの家具を使って生活するのよ。」


「楽しみだな〜。」

「早く使いたいな〜。」

「何だか使うのが勿体ない気もするね。」

「本当だね。」

「自分だけのベッドなんて初めてだな〜。」


シャーロットが笑顔で言うと下の子たちが嬉しそうな表情で完成した家具を見ながら言った。


「天気も良いことだし今日はこのまま外でお昼にしましょう!」


シャーロットはパンっと手を叩きながら笑顔で皆へと言った。


「「やったー!!」」


シャーロットが言うと下の子たちが嬉しそうに言った。


「いいですね。」


ミーシャも笑顔で言った。


「それじゃぁ…皆お手伝いしてね。サボとマーヤは軽いものを…シーマ、サナ、トムは飲み物や食事を運ぶのを…ジョナスとフーパーと私でこの間市場で購入した大きめの敷物を持ってきて食べる場所を作りましょう。」


シャーロットはそれぞれに役割分担を伝えた。


「「はーーい!」」

「分かりました。」

「OKだよ。」

「了解。」


ミーシャや子供達が返事をした。


そして、皆で外で食事をする為に協力して動き出したのだった。



シャーロット達が食事の用意をしているその頃…孤児院の近くの建物の陰から孤児院を見ていた人物がいた。


孤児院の様子を見る為に王都の街へと出てきていたローランドとアミルだった。


「想像以上に酷い有り様の孤児院だな……。」


「そうですね…。先日オマーン公爵を捕らえる為に訪れた際は暗かった時間なのもありここまで酷いのは見えませんでした…。本当に…これは…酷いですね…。」


「オマーン公爵がどれ程のことをしてきたかが大いに想像がつくな…。」


「はい。仰る通りです…。オマーン公爵は王宮からの助成金を全て自分の腹の肥しにしていたのでしょう…。」


「まったく…愚かな事をしてくれたもんだな…。」


ローランドが孤児院の外観を見て唖然とした表情を浮かべながら言った。

ローランドに言われたアミルも孤児院の外観を見て唖然としながら険しい表情を浮かべて言った。

ローランドとアミルはオマーン公爵の今までしてきた事に嫌悪した様な表情を浮かべながら言った。


「外観がこれならば内観は更に酷い有り様なのも想像がつくな…。これは…父上が視察しなくて良かっただろうな…。」


「恐らくは…。きっと孤児院の子供達は想像以上に辛い思いをしていたでしょうね…。この状況を陛下が見られたらお怒りを鎮めるのが大変な状況になりそうですね…。」


「あぁ…。父上は相当お怒りになるだろうな…。」


ローランドは険しい表情を浮かべながら言った。

アミルもローランドの言葉に頷きながら言った。

二人は国王であるキーランドがこの状況を見たらどれ程の怒りを覚えるかを想像出来る様に言った。


「内観も確認したいところだが…。」


「ロッティがいると思うので内観を見ることは出来ると思いますが?」


ローランドが少し悩みながら言うとアミルが孤児院の中を指差しながら言った。


そんな風に二人が話していると孤児院の裏庭の方から笑い声が聞こえてきた……。


「殿下、裏庭の方から声が聞こえますね。」


「あぁ…。孤児院の者達は裏庭にいるのだろうか。」


「その様ですね。裏庭の方を覗いてみましょうか?そこにロッティもいると思うのでロッティへお願いして孤児院の内観を視察させてもらいましょう。」


「……。そうだな。」


裏庭から声が聞こえたのでアミルがローランドへと言った。

ローランドはアミルの言葉を聞き頷きながら言った。

アミルはローランドへ裏庭を覗いてみようと言うとローランドは微妙な表情を浮かべながら応えたのだった。


(シャーロットに会うのは毎度の事ながら気が引けるな…。)


ローランドはアミルへ応えながらも内心はシャーロットに会う事を面倒臭いと思っていたのだった。


そして、ローランドとアミルは裏庭の方へと回り裏庭を覗いた。


裏庭ではシャーロット達が楽しそうに食事をしている姿があった。


その姿を見てローランドとアミルは思わず息を呑む様に驚いた表情をしていた。

特に…普段はあまり表情を表に出さないローランドがとても驚いた表情を浮かべていたのだった。


「アミル…あそこにいるのはシャーロット…か?」


「え?えぇ…。ロッティです…。」


ローランドは驚いた表情を浮かべながらアミルへと尋ねた。

ローランドに尋ねられたアミルも呆気にとられた表情を浮かべながら応えた。


「あれは…本当にシャーロットなのか?」


「えぇ…。正真正銘ロッティですね…。」


「シャーロットはあの様に笑う者だったか?」


「私も…正直驚いています…。ロッティがあの様に無邪気に笑っているところなど初めて見るかもしれません…。幼い頃ですらあそこまで無邪気に笑っているのを見たことなどないかもしれません…。」


「別人ではないのか?」


「そんなはずないでしょう!どこからどう見てもロッティです。」


「…………。」


ローランドは自分の目に映るシャーロットが自分の知っているシャーロットとはあまりにも違いすぎる故にアミルへと尋ねた。

そんなアミルも驚きを隠せないまま応えた。

二人は目の前にいるシャーロットが自分達が見たことない表情を浮かべている事に驚きを隠せないまま話をしていた。



そんな風に二人がシャーロットへ驚いている時だった…


「ねぇ…ロッティ、何か変な人達がこっちをずっと見てるよ?」


サボがローランド達へ気づいたのか不安そうな表情を浮かべながらシャーロットへと言った。


「なんですって?!どこ?!」


シャーロットはサボの言葉を聞いて慌ててサボへと尋ねた。


「ほら…あそこだよ…。」


サボはそう言うとローランド達の事を指さした。


「?!あの人達って…。」


シャーロットはサボが指さした先を見て目を見開き驚いた表情を浮かべながら言った。


「あれ?あそこにいるのって…ロッティのお兄さんだよね?」


フーパーがシャーロットとサボが話しているのを聞きローランド達の方を見て言った。


「え?えぇ…。そのようね…。」


シャーロットは苦笑いを浮かべながら言った。


(ちょっと!何でここにアミルお兄様がいるの?というか…何故殿下もいるの?!一体どういう事なの?!)


シャーロットはフーパーに応えながらも内心ではかなり慌ててそんな事を思っていた。


「あの人はロッティのお兄ちゃんなの?」


「え?あぁ…。そうなのよ。私のお兄様なのはお兄様なんだけどね…。」


「じゃぁ…お兄ちゃんも呼んで一緒にご飯食べようよ。」


「え?!えっと…そうね…。う〜ん。」


「だめなの?」


「え?いや…だめではないんだけれどね…。」


「だめじゃないならいいでしょ?皆で食べた方が楽しいでしょ?」


「そ…そうね…。」


「私もサボに賛成〜!」

「僕も!」

「僕も僕も!」

「私も賛成よ!」


サボがシャーロットへと尋ねた。

シャーロットはサボへ苦笑いを浮かべながら応えた。

シャーロットの反応を見てサボが残念そうな表情を浮かべながら言った。

そんなサボを見て苦笑いを浮かべながらも誤魔化すように言った。

すると…他の子供達もサボに賛同する様に言った。


(はぁ…どうしよう…。お兄様だけならまだしも殿下がいるならば話は違ってくるわ。それでなくても貴族に対してあまり良くは思ってない子達なんだし殿下が王太子なんて聞いたら空気が重くなるのは目に見えてるものね…。このまま殿下とお兄様には帰ってもらう?うん!それがいいわ!そうしてもらいましょう!そうと決まれば適当に理由を伝えてこよう!)


シャーロットは子供達に応えながらも頭の中ではこの状況をどうしようかと必死に考えて一つの結論が出たのだった。


シャーロットの中で結論が出た時だった。


「「ロッティのお兄ちゃ〜ん!」」


下の子たちがローランドとアミルに向かって言いながら走っていったのだった。


「ちょっ…皆!待って!!」


シャーロットはローランドとアミルの元へと走っていく子供達に慌てて言うとダッシュで子供達を追いかけた。


しかし…

子供達はローランドとアミルの元へと到着したのだった。


「こんにちは。ロッティのお兄ちゃんなんですよね?」


サナがアミルへと尋ねた。


「こんにちは。そうだよ。私はシャーロットの兄だ。」


アミルはにこりと微笑みながら応えた。


「こっちのお兄ちゃんは?だーれ?」


サボがローランドを見て言った。


「こちらの方はね…。」


アミルがサボにローランドの事を紹介しようとしたその時…


「はぁ…はぁ……。そっ…その方は!お兄様のお友達なのよ!!」


シャーロットがローランド達の元へ走ってくるとアミルの言葉を遮るように勢いよく言った。


ローランドとアミルはシャーロットの言葉に思わず目を点にさせたのだった……

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