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13.行動力

翌日、シャーロットは孤児院へと訪れていた。


「はぁ…はぁ……ミーシャさんおはようございます。」


シャーロットがミーシャへと挨拶した。


「おはようございます。…ってシャーロットさん外へ出ても大丈夫なのですか?」


ミーシャは心配そうな表情を浮かべながら言った。


「はぁ…はぁ…。えぇ。大丈夫よ。」


シャーロットは笑顔で応えた。


「はぁ…はぁ…皆もおはよう。」


シャーロットは子供達へも挨拶をした。


「「おはようございます。」」


子供は元気に挨拶を返した。


「おいおい…何でそんなに息切らしてんだ?」


二階から下りてきたジョナスがシャーロットへと尋ねた。


「はぁ…。あっ…ジョナス、フーパーもおはよう。」


シャーロットは手を上げて二階からろ下りてきた二人へと挨拶をした。


「ロッティおはよう。」


フーパーが笑顔で挨拶を返した。


「おはよう…。それよか何でそんなに息切らしてんだよ。」


ジョナスが挨拶を返すと再びシャーロットへと尋ねた。


「えっ?あぁ…それはね…。孤児院へ行くと行ったらお父様やお兄様が全力で反対して止めてきたのよ…。はぁ…私は大丈夫だって言ってるのにしつこくてね。何度も説得したけどなかなか首を縦に振ってくれなくて困ったわよ…。最終的にはお母様のお陰でどうにか出てこれたんだけどね…。お父様達を説得するのに思ったより時間がかかったから急いで用意して出てきたのよ。それで息切れしてたって訳なの。本当にお父様やお兄様は心配しすぎなのよ…。」


シャーロットはバツが悪そうに苦笑いを浮かべながら息を切らしていと説明した。


「ロッティ…それはまぁ…そうなるでしょ…。昨日転んで意識なくしておまけに手首も痛めたんだよね?家族からしたら心配で止めるのが普通だと思うけど…。」


フーパーがシャーロットの話を聞いて苦笑いを浮かべながら言った。


「私もそう思います…。」


ミーシャも苦笑いを浮かべながら言った。


「そう…かしらね…。意識は戻って元気だし手首痛めたっていっても大した事ないんだけどなぁ…。」


シャーロットはミーシャとフーパーの話を聞いて首を傾げながら言った。


「普通の令嬢なら最低でも1週間は家から出ず休養取りそうなもんだけどな。家族が心配すんのもロッティが大事だからだろ。まったく…本当に令嬢かよ…。」


ジョナスは半ば呆れた様にシャーロットへと言った。


「1週間も家に居たら孤児院の事何も出来なくなるわよ。まぁ…家族が私を大事だって思ってくれるのは分かるけどあんまり過保護すぎるのも良くないわ…。」


シャーロットは困った表情を浮かべながら言った。


「はいはい…この話はもういいわ!今日から忙しくなるから話す暇があるなら行動するのよ!」


シャーロットは手をパンパンと叩きながら皆へと言った。


「「はーーーい!!」」


シャーロットの話を聞きに下の子達が張り切って応えた。


「分かりました。」


ミーシャは心配そうな表情を浮かべながらも仕方なく応えた。


「分かったよ…。」


フーパーも心配そうな表情を浮かべながら言った。


「ったく…。怪我したところが痛くなったりしんどくなったらすぐ言えよ!」


ジョナスがぶっきら棒ながらもシャーロットへと言った。


「ふふ…。分かったわ。心配ありがとうジョナス。」


シャーロットはジョナスの言葉を聞いてニヤニヤしながら言った。


「べっ…別に心配なんてしてねーよ!さぁやるなら早く作業しようぜ!」


ジョナスは慌てて応えた。


そして、シャーロット達は早速孤児院の修復作業に取り掛かったのだった。




その頃…


王宮ではローランドとアミルがその日の行動予定を確認していた。


「おはようございます。殿下。今日の行動予定です。」


アミルがローランドに挨拶をすると行動予定を伝えようとした。


「アミルおはよう。今日の行動予定だが一部変更がある。」


ローランドがアミルへ挨拶をするとアミルへ行動予定の変更があると伝えた。


「変更ですか?」


アミルが不思議そうに尋ねた。


「あぁ。朝一で父上から話があったのだ。」


ローランドが頷きながらどこか応えた。


「変更内容は?」


アミルが尋ねた。


「あぁ…。父上から孤児院の様子を用事がある父上の代わりに見てきてくれとのことだ。」


ローランドはどこか不満そうな表情を浮かべながらアミルへと説明した。


「え?孤児院へですか?!」


アミルは驚いた表情で言った。


「あぁ…。あの孤児院は国が設立した孤児院だからな…。長いこと多忙な事を理由に孤児院の様子など父上は見に行かれていないからな。それもあり今孤児院がどのような状況かを確認してきて欲しいそうだ…。」


ローランドは不満そうな表情のままアミルへと説明した。


「そういうことですか…。」


アミルは納得した様に言った。


「そういえば…昨日シャーロットが怪我をしてたと言っていたが大した事はなかったのか?」


ローランドはふと昨日の事を思い出してアミルへと尋ねた。


「それがですね…転げた拍子に頭を強く打ち意識がない状態でした。手首にも怪我負ったみたいでした。」


アミルは心配そうな表情を浮かべながらローランドへと伝えた。


「意識がない状況だと?!」


ローランドはアミルの予想外の話に思わず驚いてしまい言った。


「はい…。ですが、幸い意識は戻り医者の話によると特に頭に異常はない様です。手首の怪我の方も軽い捻挫ということでした…。」


アミルは更に心配そうな表情を浮かべながら言った。


「意識は戻ったのか…。それは良かったな。さすがに意識がないとなるとアミルや家族は心配しただろう…。」


ローランドは無表情のまま言った。


「それはもう…帰宅してロッティが意識がない姿を見て血の気が引きましたよ…。」


アミルは思い出してゾッとした表情を浮かべながら言った。


「今は意識が戻り自宅で悠々と療養しているのだろう?意識が戻ったら戻ったで家族も大変だな…。怪我痛いや気分が悪いなどを理由に我儘ばかり言っているのだろ…。」


ローランドは想像がつくといった様に呆れた表情を浮かべながら言った。


「それが…療養しているどころか朝から孤児院へと出かけて行ったのですよ…。」


アミルはげっそりとした表情を浮かべながら言った。


「孤児院へ…だと?」


ローランドはまたもアミルの予想外の話に驚き言った。


「はい…。ロッティが当たり前のように出かけるというので朝から父と私とエイルでどれだけ止めた事か…。」


アミルは思い出すと疲れた様な表情を浮かべながら言った。


「それで…結局出かけたのか?」


ローランドが尋ねた。


「はい…。どうにもロッティが一歩も引かずでして最終的に母が行かせてやれと言うもんですから…。そのまま我々が止めたとてロッティは絶対に引かないと思ったのでしょう…。」


アミルは更にげっそりとした表情で言った。


「…………。」


ローランドはアミルの話を黙って聞いていた。


(あの…我儘のシャーロットが怪我をしても療養することなく孤児院へ行っただと…?信じられないな…。)


ローランドはアミルの話を聞きながらそんな事を考えていた。


「今までの我儘の方がよほど可愛いものだというくらい今回ロッティを止めるのが大変でしたよ…。」


アミルは疲れた表情を浮かべながら言った。


「ですので…孤児院の視察に行かれるのらばロッティも孤児院へいると思いますのでロッティに見つからない様に少し隠れた場所から視察されるのがいいかと思いますが…。」


アミルがローランドへとアドバイスをした。


「……。そうだな。シャーロットに見つかるのは面倒だからな…。」


ローランドは面倒臭そうな表情を浮かべながら言った。


(シャーロットに見つかると変に近くに来られて面倒だからな。)


ローランドはそんな事を考えていた。


「はぁ…。面倒は一言余計でございますけどね…。でも、私もシャーロットが体調など崩していないか心配なので様子を伺えるのはありがたいです…。」


アミルはローランドの言葉に少しムッとしながらもシャーロットの様子が見れると分かるとホッとした表情を浮かべながら言った。


「はぁ…視察はあくまで公務の一項だからな。」


ローランドはアミルの話を聞き呆れ気味に言った。


「分かっていますよ。」


アミルは頷きながら言った。


「まったく…。」


ローランドはケロッと応えたアミルがに呆れながら言った。


そして…その後ローランドとアミルは王宮外に出る支度をしてから孤児院へと出かけて行ったのだった。


ご覧頂きありがとうございます★


2022.2.16

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213位にランクイン


ご覧頂いてる皆様のお陰です。

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