私の愛する男性をもう一度、蘇るさせるわ!
私の大好きだった彼はもうこの世に居ない。
私の目の前で、彼は亡くなってしまったからだ。
・・・あの日、私と彼が電車に乗っていると?
急に女性の叫び声が聞こえた。【キャー助けて!】
私と彼は顔を見合わせて何が起こったのか? 周りを見渡す。
そうすると? 長い包丁のようなモノを持った男性が
暴れまわっている。
電車に乗っていた乗客達は、泣き叫び逃げ回っていた。
運悪く、一人の女性が男に捕まり長い包丁で切りつけら
そうになっていたところを、彼が助けたのだ!
狂気的に包丁を振り回す男に、彼は何度も切り刻まれる。
私はそんな彼を見て、その場で恐怖のあまり座り込んで泣き叫び
誰かに助けを求めた。
狂った男は、彼に追いかぶさり何度も彼の体を包丁で刺す。
血まみれになった彼は、私の方を見てニコッと笑って息を引き取った。
彼が息を引き取った頃、複数の警察官が電車に乗り込んできて犯人を
取り捕まえ連行して行った。
私は彼の亡くなった姿をじっと見つめて動けなくなっていた。
そのうち、救急隊が私の所に来て、彼を救急車に乗せて私も一緒に
病院に運ばれたわ。
あっという間の惨劇だった。
私は今でも、まだ信じられないでいる。
あんなに、優しく正義感の強い彼が亡くなった事を、、、。
その病院には、彼が助けた女性もいた。
彼女は私の方へゆっくりと歩いてくると、涙ながらにこう言ってくれた。
『・・・ほ、本当にすみませんでした、私を助けなければ貴女の彼は
死ななくて済んだのに、ごめんなさい、ごめんなさい。』
『もう泣かないで! あなたが無事なら彼も天国で喜んでると思うわ。』
『・・・でも、』
『“助かった命なんだから、あなたの為にこれからも生きて!”』
『・・・あ、ありがとうございます!』
彼女は、何も悪くない!
彼女を責めるのはお門違いだ!
彼も彼女を助けた事を、亡くなっても後悔なんかしていないだろう。
彼はそういう男性だ! 私がよく知っている。
彼女は何も悪くない。
そんなに自分を責めないでほしい。
彼の分も、今ある命を大事に生きてくれたなら、彼の為にも。
私はそれでいいと思った。
*
・・・でも? 私は彼が亡くなって半年ほどは。
彼の事を考えない日はなかった。
ぽっかりと心に穴が空き、これからの私の人生何も考えられないでいた。
そんな時、一人の老婆と私は出会う。
『お嬢さん、何かあったのかい? 彼が亡くなったとか。』
『えぇ!? 何故その事を、、、?』
『ワタシには何でも見えるんだよ、さあーこっちにおいで!』
私は、ゆっくりと腰を据えて老婆の話を聞くことにした。
『一つだけ、“彼を蘇らす方法があるよ”』
『えぇ!? 本当ですか?』
『その代り、“一つ条件があるんだ!”』
『何ですか!』
『貴女が亡くなった時、あなたの魂をもらうよ! いいかい?』
『“私の魂ですか?”』
『そう! その条件を飲むなら、彼を蘇らせる事はできるよ!』
『どうか、お願いします!』
『本当にいいのかい?』
『はい! 彼が蘇れるなら...。』
『よし! このこの紙にサインしておくれ!』
『わかりました。』
・・・1週間後、彼は生きて私の前に現れた。
でも? 彼は生きていた記憶をほとんど憶えていないらしい。
私の事だけ、記憶に残っていたとの事だ。
だから、彼は私に会いに来たと言って私の前に現れる。
私はまた、彼と一緒に生きていくと決めた。
彼と一緒なら、私の魂を渡す事など大したことじゃないわ!
これからの人生を彼と一緒に。
*
それから時間が過ぎ、私が86歳の時に老衰で亡くなった。
私はすっかり、自分が死んだ後の事を忘れていたのだ。
彼と一緒に居れた時間が幸せだったから。
まさか!? “死神に私の魂を渡す事になるとは!?”
『待ちわびたぞ! さあーお前の魂は俺が持って行く。』
『・・・あぁ、うっ、』
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