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私の箱入り紀行録  作者: raira421
第4章 新たな力で
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4-2 魔法の訓練

~サブレside~


シナモン先生の提案で私は魔法の訓練をすることになった。

 これまで御屋敷で魔法を教わったことはあったけど、魔法の仕組みやどんなものがあるかばかりで、お父様の下では実際に使ってみるなんてもってのほかだった。


 人生初めての魔法の訓練。とってもワクワクするわ!

 でも、本当にちゃんと魔法が使えるかドキドキもした。


 私とシナモン先生は停留所の近くの小さな丘の上で向かい合って立っていた。

 周囲には木が数本生えているほかには何もなく、地面には青々とした草が生えていて、訓練にはちょうどいい場所だった。

 ショコラちゃんは少し離れた所にある木陰に座って、私達を見ていた。

 がんばれ、と言うみたいにに手を振ってきたので、私はにっこりと笑って返した。


 さあ、訓練の始まりだわ!

 最初のレッスンは炎の魔法を使うみたい。


「足を肩幅に開いて、杖を両手でしっかりと持ってください」

 シナモン先生が淡々とした口調で言う。

「はい」

 私も素直にそれに従った。

「顎を引いて。目線はしっかりと前に」

「はい」

「頭に炎を思い浮かべて。……呪文を!」

「はい!」

 私はシナモン先生の後に続いて呪文を唱えた。

「出でよ、炎よ! ファイア!」

「出でよ、炎よ! ファイア!」


 お願い、出てきて!


 頭の中の微かな炎を頼りにして、私は杖を握る手に力を込めた。

「えいっ!」


 ……。


 …………。


 待てども、待てども、杖の先から炎が飛び出してくることはなかった。


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