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私の箱入り紀行録  作者: raira421
第3章 初めての事件!?
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3-13 新たな旅路へ

~サブレside~



 数日後。私達はファリスティナ王国を旅立とうとしていた。

 身支度を済ませたところで、シナモン先生が口を開いた。

「お嬢様の旅の目的は何ですか?」

「目的? 勿論、この広い世界を見て回ることよ。私の目でね」

 私は、腕を大きく開いて見せた。クルリと一回転すると、ミニスカートがふわりと揺れる。

「だから、色んな物が見てみたいし、経験したいわ! 本を読むだけじゃわからないような事が知りたいの!」

 シナモン先生が私のそばに来て、言った。

「では、目的地を決めましょう!」

「目的地?」

「ええ。闇雲に進むだけではつまらないでしょう? どこでもいいんです、お嬢様の行きたいところへ!」

「そうね……」

 私は、昔お屋敷で読んだ数々の本を思い出した。

「他の国に行ってみたいわ! 近場をうろついていても、どうしようもないもの」

「他の国、ですか……」

 シナモン先生は荷物の中から、羊皮紙でできた世界地図を取り出すと、床に広げた。私もその地図をのぞき込む。


 この魔法界は、16の国によって出来ている。

 国によって、土地柄も住んでいる種族も様々だ。

 そして、私達のいる『ファリスティナ王国』は世界の中心に位置するとされていて、地図上でも、真ん中の大陸の、さらに真ん中に描かれていた。

 この大陸には他に、西側に森とエルフの国『ヴァルターティーヌ王国』、東側に砂漠と獣人の国『シャムスワーレ帝国』がある。


「では、先ずはヴァルタティーヌの王都を目指すのはどうでしょうか?」

 シナモン先生は地図を指で示しながら言った。

 シャムスワーレの砂漠には危険生物もたくさん住んでいるという。先生の選択は妥当だった。

 更に、ヴァルタティーヌには私の叔父様も住んでいるし。

「いいわね! 最初の目的地ね!」

 私は胸のウキウキを抑えきれずに、その場でピョンピョン飛び跳ねた。

 その様子を見て、シナモン先生は静かにほほ笑んだ。

「そうと決まれば出発しましょう。バニラ達も待っています」

 そう言われ、私は馬のバニラとキャラメルの事を思い浮かべた。

 この街に滞在する間、公的な馬小屋に預けておいていたのだった。


「そうね! 出発進行よ!」



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