表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎ話の悪役令嬢は罪滅ぼしに忙しい  作者: 石狩なべ
三章:雪の姫はワルツを踊る
58/590

第2話 トラブルギャンブルデートはいかが(1)


 ここは、二度目の世界である。


 何が理由か知らないが、絶滅されたと思われた魔法使い達によって、世界は一度終わり、二度目の世界が生まれた。

 義妹のメニーから死刑判決を受け、ギロチン刑にされたあたしは、死刑直後、生きていて、死んでしまった中で大魔法が発動したため、メニーの父親が亡くなった知らせを聞いたのをきっかけに、記憶が蘇った。


 あたしはテリー・ベックス。将来、牢獄に閉じ込められ、死刑となる運命を持つベックス家の次女。


(だけど、未来は変わりつつある)


 一度目の歴史は変わっている。


 誘拐事件では、


(あたしではなくアメリが捕まり)

(救出に来て本来死ぬはずであった『あいつ』は生き延びた)


 通り魔事件では、


(『小さな通り魔』が現れてクロシェ先生が殺されるはずだったが)

(代わりに馬係のデヴィッドが殺された)


 あの事件から、特に変なことは起きていない。

 あたしも、屋敷の皆も、平和な一年を過ごした。

 あたしは無事に12歳となり、年越しを無事に済ませ、どれほど安心したことだろう。

 そして年越しの挨拶に行かなかったことに、どれほど『生き延びたあいつ』から甘い手紙が送られてきたことだろう。


(…いいもん。あたし、紹介所には年賀状を書いたもの)

(ジェフとミスター・ビリーには、今年もよろしくお願いしますって、個人宛に送ったもの)


 そして、小さな元通り魔。


(リトルルビィ)


 新年早々、メニーと挨拶に行って、泣き出すほど喜んだ彼女の笑顔が忘れられない。


(せっかくだから城下町内を歩こうと誘ったら、にこにこしながらついてきた)

(メニーじゃなくて、リトルルビィが妹だったら、あたしは喜んで面倒を見たわ)


 彼女はあたしのお気に入りなのよ。


(福袋を買ってあげて、リトルルビィの家で開けた時の笑顔も可愛かった)


 袋の中に入ってた赤い手袋、使ってくれるといいのだけど。


(ただ)


 生き延びたあいつ。


(二年連続で新年の挨拶に行ってないから、まあ、確かに怒られても仕方ないかもしれないけど)


 あたし、あいつ嫌なのよ。


(会いたくないのよ)


 会いたくない人に会ったら、ストレスが溜まっちゃう。ストレスって、一番美容に良くないのよ。ストレスを溜めない事が一番美容を保つコツなのよ。あたし、いい女でいたいの。まだ12歳のきゅぴきゅぴお嬢様なの。このお肌を大切にしてあげなきゃ。


(ああ、今日もあたし、超可愛い)


 廊下に飾られた鏡を見ながら、あたしは頷く。


(今日の予定はなんだったかしら)


 廊下を歩く。


(お作法、クロシェ先生の授業、あ、ママがなんか出かけるとか行ってた気がする。誘われたら断ろう。別に欲しいものないし)


 廊下を歩いていると、ミス・ポットとすれ違う。


「ご機嫌よう。テリーお嬢様」

「ごきげんよう」


 廊下を歩いていると、花瓶を持ったリーゼとすれ違う。


「ご機嫌よう。テリーお嬢様」

「リーゼ、温室小屋にいる植物達、どんな感じ?」

「後で見てみてくださいな。サボテンのゲルダが花を咲かせましたわ」

「なんですって! ゲルダが!?」

「ええ!」

「後で行ってみる。ありがとう」


 廊下を歩いていると、フレッドとすれ違う。


「ご機嫌よう。テリーお嬢様」

「ごきげんよう」


 廊下を歩いていると、メイドとすれ違う。


「ご機嫌よう。テリーお嬢様」

「ごきげんよう」

「テリーお嬢様、先ほど、お嬢様にお手紙が届きましたよ」

「手紙?」


 メイドから手紙を受け取って封筒の裏を見る。差出人の名前が書かれていない。ただ、高級そうなデザインの封筒に嫌な予感がする。


「…ありがとう」

「いいえ」


 メイドが去る。あたしは足早に部屋に向かい、中に入る。扉を硬く閉めた。じろりと、手に持つ封筒を睨みつける。


「……今度は何よ」


 昨日、スケートリンクで痛めた腰を支えながら椅子に座り、無駄に高価そうな封筒を丁寧に開ける。ふわりと、香りがした。中から溢れんばかりに冬に咲く種類のテリーの花びらが舞い散る。色は青。


「うっ……!!!」


 今まで以上の臭い演出に、今までよりも苦い声が出た。


 呼吸が乱れる。過呼吸になるかもしれない。

 中の手紙を広げると、恐怖と寒気で手が震えだす。

 見開いた目で、冷や汗を出して、手紙の文字をじっと見た。




 拝啓、愛しい我が姫、テリー・ベックス


 あけましておめでとうございます、なんてね。もう何週間も経っているんだから、この挨拶はすでに古い。何度も同じ内容の手紙を送ってしまい、申し訳ございません。しかし、新年を明けて、一度も愛しい貴女と会っていない。これは、とても、非常に、悲しい事です。近頃忙しいようですね。大切なご姉妹とスケートリンクで遊ばれていたり。派手に滑って転ばれる貴女は非常に可愛く愛しかった。この腕で抱きしめてあげたかったほどです。妹君のミス・メニーの手を握り、ぶるぶる震えながらスケートの練習をする貴女は、それはそれはとても微笑ましかった。久しぶりに胸がときめきました。筋肉痛は大丈夫ですか? よろしければ今度、この私ともデートをいたしましょう。もちろん、ワルツのダンスが似合う、あの素晴らしいスケートリンクで。手を取り合って、共に踊りましょう。貴女はきっと素晴らしいダンスを披露してくれることでしょう。もしも、もしも氷の上で踊れない、というのであれば、私が、愛しい貴女の手となり、足となり、支えましょう。寒い時期が続きます。どうかお元気で。愛しい私の、テリー。





 追伸


 早くおいで。







「………………………………………」


 早くおいで、としか書かれてない追伸に、名前が書かれてない追伸に、昨日の出来事が書かれた内容の手紙に、あたしの血の気がさーーーーーー、と下がっていく。顔がどんどん青ざめていく。


(いたの?)


 いや、あそこにあいつはいなかった。


 ……いや、いたのかもしれない。

 遠くに。じっと、動かず、見ていたのかもしれない。

 あいつは、得体が知れない。


(怖い…)

(ストーカーだ…)


 そして何より、


(文字が怒ってるように見える)

(不機嫌です、と言われているみたい)


 どうする?

 行くか?

 無視するか?


 あたしは選択する。


(………よし、無視しよう)


 不機嫌のあいつは笑顔で、か弱いあたしに何してくるかわかったもんじゃない。

 ここは、手紙を見なかったことにするのが一番だ。

 意を決めたその時、トントン、とノックされた。


「テリーお嬢様」

「どうぞ」


 許可すると、メイドが顔をひょこりと出す。


「先ほど、お電話が来まして…」

「あら、誰から?」

「テリーお嬢様の大切な方だと…」

「ん?」

「伝言を預かっておりまして」

「ん?」


 メイドが言った。


「今日中に来ないと、夕方頃に遊びに来るとか」


 バッ! と顔が青くなって、

 バッ! と時計を見て、

 バッ! とメイドに振り向き、

 バッ! と着替えて、

 バッ! と手を上げた。


「あたし、ちょっと、出かけてくる!!」

「え? でもテリーお嬢様、この後、クロシェ先生の授業では…?」

「先生に急用が出来たって言って! お願い!!!」


 叫ぶように言って、メイドの横を通り過ぎ、慌てて、急いで、大急ぎで、廊下を走り、階段を駆け下ると、エントランスホールを歩いていた能天気なアメリに声をかけられた。


「ん? どこかに行くの? テリー」

「行くの!!」

「馬車なら無いわよ。ママが出かけてるから」

「え!」

「あ、でももう一台あったかも。あれ、どうだったかなぁ」

「もういい! 走る!」

「え? ちょ…」


 きょとんとするアメリを背に、扉を閉める。そして、慌てて、急いで、大急ぎで、あたしは屋敷から離れた街を目指して、全速力で雪が積もった道を走りだした。




(*'ω'*)




 ―――一時間後。


 呼吸を乱して街の広場にたどり着く。

 噴水通りで、ぜえぜえと肩で息をして、一度噴水の縁に腰掛ける。


(無理…)

(体力の限界…)


 夕方までは時間がある。少しくらい休んでも大丈夫だと思う。


(あいつ、絶対許さない…)


 見下ろせば、履いてるブーツは雪で濡れていて、湿っていて、どれだけ急いで走ってきたかを物語っている。


(あたし、よく頑張ったわ…)

(この冬の中、あの雪道を、よく馬車も使わず走ってきたわ…)

(あいつ最低よ…)

(本当に最低…)

(もう絶対許さない…)


『あいつ』の顔を思い浮かべ、憎たらしくなって、顔を苦く歪ませる。


「くそ…」


 走ったせいで胸が苦しい。

 胸を押さえて、乱れた呼吸を整える。

 喘息を持っているわけじゃないのに、とても苦しい。


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(深呼吸。深呼吸)

(はあ。苦しい)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(苦しい)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(あれ)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(あれ)

(ちょっと待って)

(本当に苦しい)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(待ってこれ)

(過呼吸)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(あ、そうだ)

(あたし、一度目の世界でもそうだった)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(過呼吸になりやすいんだった)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(ああ、過呼吸の時ってどうするんだっけ)

(あ、やばい)

(これはまずい)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


(冷静になれない)

(頭でどうしようと考えてても)

(呼吸を整えることに集中してしまって)

(冷静が欠ける)


 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。

 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。

 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。

 ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ。


「……………………………」


 あ、これ。

 本当に、

 これ、

 あ、

 苦しい。

 これ、

 ああ、

 これ、


 これ、は、



 ああああああ、



 駄目だ。



 あたし、過呼吸になりやすいこと、


 今の今まで、


 すっかり忘れてた。


 噴水に体が倒れていく。


 あ、まずいわ。


 冬に、雪が積もった、噴水に落ちるなんて、


 そんなこと、


 そんなこと、


 冷たいじゃない。


 あ、


 でも、


 どうしよう。


 体が、


 言うこと聞かない。


 意識が、途切れる。


(ドロシー)


 どうしよう。


(あ)


 もう、だめ。





 体が、噴水に引き込まれる。










「あぶないっ!」







 ぎゅっと、誰かに抱き止められる。

 おかげで、噴水に体が倒れることはなくなった。

 ただ、顔を上げられない。

 ぐったりと誰かに体を預けたまま、荒い呼吸が続けられる。


「君、大丈夫? 息できる?」

「ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ」

「落ち着いて。大丈夫だよ」


 あたしを抱きしめ、手を握る手袋。あたしはその手袋にしがみつくように握りしめる。


「ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ」

「ゆっくり呼吸して。出来る?」

「ぜえはあぜえはあぜえはあぜえはあ」

「えっと、えっと…」


 手袋があたしの手をしっかり握り、手に持っていた紙袋を見た。


「ちょっと待ってて」


 声の主が持っていた紙袋を逆さまにして、入っていたパンを地面に落とした。そして、空になったその紙袋であたしの口と鼻を覆う。


「さあ、ゆっくり呼吸して」

「ぜえはあぜえはあぜえはあ」

「ゆっくり。大丈夫。僕に合わせて」

「ぜえはあぜえはあぜえはあ」

「すーはー。ほら、合わせて。すーはー」

「…ずー……は……はーーー…すーーーーー……」

「そうそう。ゆっくり、ゆっくりでいいよ。さあ、ゆっくり呼吸して」


 すーーーーはーーーー。

 すーーーーはーーーー。


 何度か、繰り返して、繰り返して、ようやく、酸素が頭に回ってきた。

 頭がくらくらする。でも、呼吸は整えられてきた。

 ずっと手袋を握っていた手を緩め、掠れた声を出す。


「だ、だいじょう、ぶ、です。あり、が、とう…」

「大丈夫? ちゃんと呼吸して」

「…ん…、……すー……すー……」

「焦らなくていいよ。大丈夫。ゆっくりでいいよ。深呼吸して」

「……はー……」

「そうそう。その調子」

「…ありがとう。…はあ、…まだ、ちょっと…。…はあ、くる、しい…」

「大丈夫。君が落ち着くまでここにいるよ。ゆっくりでいいからね」


 あたしを励ます細くも明るい声。

 頭が重いせいで、顔を上げられない。貴族令嬢として、助けてくれた親切な人には目を見てお礼を言いたい。


「…あの…」

「無理しないで」


 暖かい手袋が、あたしの手を握り返す。

 あら、大変。あたし、手袋してないじゃない。


(そうか。あたし、慌てすぎて手袋を忘れてたのね)


 手袋。


(……ん?)


 手袋。


(あれ?)


 目を向ける。

 見上げる。

 袋を持つ子供。

 今のあたしと同い年くらいの子供。


 黒髪の、黒い目の、雪のように青白い肌の子供。透き通る白と黒。その姿、その魂、その存在。


(え?)


 え?


「大丈夫?」


 にこやかに微笑み、あたしに声をかけてくるその存在。



 あたしは、覚えている。



(待って)



 あたしは、覚えている。



(なんで)

(なんでここに)



 あたしは、覚えている。



(そうだ)

(だって)

(そうだ)

(あたし、忘れてた)

(この子の存在)



 あたしは、覚えている。




「ゆっくりでいいからね。僕、君が落ち着くまでいてあげる!」




(待って)

(ああ、待って)



 あたしは、覚えている。



(あたし、知ってる)

(覚えてる)



 あたしは、覚えている。



(懐かしい)

(なんて懐かしいの)



 あたしは、覚えている。



(あなたは)



 あたしの目が、憎しみに変わる。




 お ま え は …… ! 




 その時、遠くから男性の声。


「これは、お嬢様!」


 知らない顔の男性が慌てて駆け寄ってきた。知らない顔。だが、この人はあたしを知っているようだ。ということは、―――そういうことだろう。


 男性がぐったりするあたしを見て、隣にいる子供を見て、困惑の表情を浮かべた。


「これは、一体何が…?」

「あの」


 子供があたしの代わりに男性に伝える。


「この子、過呼吸になっちゃって…」

「まあ、なんということだ。君が助けてくれたのかい?」

「うん」

「ありがとう。助かったよ。お礼を」

「お、お礼?」


 子供が目を丸くして、首を振った。


「お礼なんていりません。僕、大丈夫です」

「そう言わずに受け取ってくれ。このお嬢様は、我々にとって大切な存在なんだ。君はお嬢様を助けてくれた。そのお礼だ。さあ。受け取って」


 そう言って男性はポケットから金貨を取り出し、子供に差し出す。金貨を見た子供が驚いて、ぎょっと肩を揺らし、慌てて金貨を押し戻した。


「ぼ、僕、貰えません!」

「私からの感謝の気持ちだ。お嬢様も、きっと君に感謝しているはずだよ」

「いや、あの、でも…」

「マナーとして気持ちを受け取るのは礼儀だ。さあ、謙虚で優しい子。どうか、我々の気持ちを受け取ってくださらないかい?」

「…………あ、あの…えっと……。……それじゃあ……」


 礼儀と言われ、子供は金貨を受け取った。


「これ、貰います。ありがとうございます」


 子供が男性に頭を下げる。そして、大切に金貨を握り、鞄の中に突っ込んだ。その際に、散らばったパンが子供の目に入り、パンの存在を思い出す。


「あ…」


 あたしの手から手袋が離れた。


(あ)


 待ちなさい。


 あたしの手を離した子供が雪の地面に散らばったパンを拾い、再び袋の中にいれ、立ち上がる。


「ぼ、僕、もう行きます!」


 待って。


 あたしの視界がふらつく中、手を伸ばす。子供の手袋を掴む。


「あ…」


 あたしの手に気付き、子供があたしに振り向いた。かがんで、あたしの手を膝の上に戻す。


「あの…。…もう、大丈夫そうだから、僕、行くね」


 待って。

 あたしは手を力ませる。でも、力が入らない。


「もう、呼吸が乱れるまで走っちゃだめだよ」


 子供が微笑んだ。


「それじゃあね!」


 待って!!!


 あたしの声は届かない。声が出ない。

 だから、あたしの声が届かなかった子供は、紙袋を持って、とてとてと走っていく。


 どこか、戸惑ったように、怯えたように、慌てたように、あたしに近づいちゃいけないと言うように、あたしから離れなきゃと言うように、鞄を揺らして、コートを揺らして、マフラーを揺らして、雪の中を走っていく。


あたしは、その後ろ姿に、小さく手を伸ばす。


(待って)


 待ちなさい。


(待ってよ)


 あたし、ずっと訊きたかった。








 どうして、約束破ったの?






「テリーお嬢様、大丈夫ですか? お嬢様?」

「……………」

「こちら、噴水前。テリー・ベックスご令嬢が……」




 その顔を今、思い出した。


 今の今まで、ずっと封じ込めていたように、忘れていた顔。


 黒い目。黒い髪。雪のような白い肌。暖かい手袋。優しい笑顔。


 名前が出てこない。


 忘れてしまった。


 だって、あの子供と過ごした期間は短かったから。


 だからあたしにとっては一瞬の出来事。


 小さな記憶。


 でも、鮮明に覚えてる。


 だって、あの子は、





 あたしの、唯一の友達だったから。





「……………」

「テリーお嬢様? テリーお嬢様? 聞こえますか? テリーお嬢様?」

「……………」

「……ビリー様、彼女を抱える許可をお願いします。これでは動けません」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ