第14話 狼は赤頭巾を被る
リトル・ルビィ・ピープルは、人間である。
リトル・ルビィ・ピープルは、9歳の女の子である。
リトル・ルビィ・ピープルは、笑顔の素敵な少女である。
リトル・ルビィ・ピープルは、家族がいた。
リトル・ルビィ・ピープルは、幸せになろうとした。
リトル・ルビィ・ピープルは、幸せになれなかった。
リトル・ルビィ・ピープルは、不幸になった。
リトル・ルビィ・ピープルは、飴を舐めた。
リトル・ルビィ・ピープルは、幸せになった。
リトル・ルビィ・ピープルは、不幸になった。
リトル・ルビィ・ピープルは、飴を舐めた。
リトル・ルビィ・ピープルは、幸せになった。
リトル・ルビィ・ピープルは、不幸になった。
リトル・ルビィ・ピープルは、飴を舐めた。
リトル・ルビィ・ピープルは、幸せになった。
リトル・ルビィ・ピープルは、腕がうずくようになった。
リトル・ルビィ・ピープルは、物欲が増すようになった。
リトル・ルビィ・ピープルは、家族を思い浮かべた。
リトル・ルビィ・ピープルは、兄のことを理解できた。
リトル・ルビィ・ピープルは、胸が痛くなった。
リトル・ルビィ・ピープルは、その痛みに支配された。
リトル・ルビィ・ピープルは、止められなくなった。
リトル・ルビィ・ピープルは、止める人もいなかった。
リトル・ルビィ・ピープルは、その痛みが緩和されるならと。
リトル・ルビィ・ピープルは、行動した。
リトル・ルビィ・ピープルは、生きるために抗った。
リトル・ルビィ・ピープルは、小さな女の子である。
リトル・ルビィ・ピープルは、小さな脳である。
リトル・ルビィ・ピープルは、欲しがった。
リトル・ルビィ・ピープルは、欲しがった。
リトル・ルビィ・ピープルは、どうしようもなく欲しくなった。
リトル・ルビィ・ピープルは、兄の事が理解できた。
リトル・ルビィ・ピープルは、かつて『生きていた兄』を誇らしく思えた。
リトル・ルビィ・ピープルは、幸せになりたかった。
リトル・ルビィ・ピープルは、幸せになれた。
リトル・ルビィ・ピープルは、魔法使いを信じた。
リトル・ルビィ・ピープルは、絶望した。
リトル・ルビィ・ピープルは、感動した。
リトル・ルビィ・ピープルは、飴を舐めた。
リトル・ルビィ・ピープルは、諦めない。
リトル・ルビィ・ピープルは、また欲しくなった。
リトル・ルビィ・ピープルは、罪を犯した。
リトル・ルビィ・ピープルは、純粋無垢な少女だ。
リトル・ルビィ・ピープルは、純粋故に無垢な故に自分を正当化する。
リトル・ルビィ・ピープルは、否定する。
リトル・ルビィ・ピープルは、生きたかっただけである。
リトル・ルビィ・ピープルは、生き残ろうとしただけである。
リトル・ルビィ・ピープルは、誰のせいにもしていない。
リトル・ルビィ・ピープルは、この世界に悪い人はいないと考えている。
リトル・ルビィ・ピープルは、皆が大好きだ。
リトル・ルビィ・ピープルは、恨むことを知らない。
リトル・ルビィ・ピープルは、全部を恨んでいる。
リトル・ルビィ・ピープルは、目を瞑る。
リトル・ルビィ・ピープルは、昼間が苦手だ。
リトル・ルビィ・ピープルは、影のある場所で生きていける。
リトル・ルビィ・ピープルは、飴を見つけた。
リトル・ルビィ・ピープルは、飴を舐めてみた。
リトル・ルビィ・ピープルは、欲しくなった。
リトル・ルビィ・ピープルは、止められなくなった。
リトル・ルビィ・ピープルは、止める者もいなかった。
リトル・ルビィ・ピープルは、それでいいと思った。
リトル・ルビィ・ピープルは、諦めた。
リトル・ルビィ・ピープルは、欲に負けた。
リトル・ルビィ・ピープルは、とても良い子である。
リトル・ルビィ・ピープルは、狼になった。
リトル・ルビィ・ピープルは、罪を犯した。
大丈夫。私には赤がついている。
大丈夫。困ったら赤が私を守ってくれる。
大丈夫。今日もお兄ちゃんの赤頭巾を被る。
赤い飴を舐めれば大丈夫。
赤い飴を舐めたら幸せになれる。
お姉ちゃん、見つけたよ。
やっと、舐めれるよ。
ようやく、ご飯の時間だよ。
もう、お腹ぺこぺこ。