表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天使と悪魔に花束を添えて  作者: v私立桜咲学園文芸部
12/13

第十二話 これからのこと?

誰よりも大好きな先輩に幸あれ

「そろそろ戻るか」

「そうだね、戻らないと授業に遅れそうだし」

 楓は上手く話せたのかな? 二人の関係が元に戻ってると良いんだけど。いや、二人の関係に私が深く関わるのはダメだよね。気になるけど仕方ない。

「あ、楓! どうだった?」

 聞いちゃった。我慢するとかしないとかの話じゃない。反射的に、脳が反応を起こすよりも早くそれを聞いてしまった。

「うん……それが」

 楓は重い口を開き、事の顛末を語り始めた。



「楓、私は怒っても嫌っても無いんだよ。ただ、楓には迷惑を掛けたくなくて」

「それは、うん……私も月奈の側に居られなかったことが後悔だったから」

 月奈は悪くない。私が一方的に勘違いして、困ってる月奈を見放してしまったんだ。だから私は月奈のために何かしたい。あの時の償いをさせて欲しい。

「月奈、私に償いをさせて欲しい」

「それはダメだよ。私はそんなこと思ってないもん!」

 そうだった。月奈は頑固で、これって決まったら絶対曲げないんだった。この性格は日向の影響が強いんだ。

「いや! 私は償いたい!」

「じゃあ! 拳で解決させるしかない!」

 出た、日向の悪い影響。仕方ない、痛みを感じないように一撃で終わらせてあげないと。

「屋上行くよ」

 これで終わらせて償わせて貰おう。(決闘は犯罪ですよ。マネしないように)


「じゃあ行くよ!」


 月奈の一言で始まった決闘。結果は分かってたはずだったのに、思いも寄らぬ結果になってしまった。もちろん超能力と呼べるモノは全て使った。ズルだって思ったけどバフ系も空間操作系も全部使ったのに負けた。しかも一撃で。

「なっ……なんで?」

「楓、良いこと教えてあげる。大事な人の為なら何だって出来るんだよ。だから私は楓に負けない。楓の為にも」


「って言うことがあってね」

「世の中色んな人が居るもんねぇ」

「軽く受け流さないでよ……」

 楓の言うことには確かに驚いたけど、悪魔も天使も超能力者も居る中で、めちゃくちゃ強い人が一人や二人いてもおかしくはない。いや、居ないとバランスが取れないから大変だ。天界に居る神様だって、バランスはしっかり考えているだろう。

 そうだ。私だって先輩たちや楓に引けを取らないようになったんだし。

「それだと春香も生徒会長として注意出来なくなるね」

「あ~それは心配しなくて良いよ! 時間止めれるし」

「ズルいじゃん」

「超能力者に言われたくないなぁ」

 月奈ちゃんも楓と仲直り出来て心のつっかえも取れただろうし、楓たちも中学の頃みたいに仲良く話せる日も近いはず。めでたしめでたし。

「そう言えば、先輩たち卒業した後どうするの?」

「どうするの?って……大学は一緒のところ目指すけど……」

「同居? 三人で?」

「え!? いやいやいやっ! 先輩たちとはずっと一緒に居たいし大好きだけど、先輩たち自身が幸せになって欲しいし……」

 私が居ると先輩たちが二人きりになれない。簡単に言えば私が居ると先輩たちの邪魔になるってことだ。そんなの絶対に嫌だ。先輩たちには誰よりも幸せになって欲しいもん。私なんかがその幸せを邪魔して良いはずがない。

「まあ良いや。本当に好きだね。先輩のこと」

「うん! 大好きだよ!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ