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アリスの存在理由   作者: 魚屋めばる
3/6

3、アリスは芋虫に助けられチャシャ猫にセクハラされる。

ボーっとふかふかなベッドで目を覚ます。

アレは全部夢だったの?

そう思いたかったけどすぐに違うと分かる。

木をくり抜いたように出来てある見たこともない壁に棚の上にはずらりと何か液体が入った美しい小瓶が並んでいて、嗅いだことがない心地よい匂いが漂っていたからだ。

あの時、私は崖から落ちて…それから…だめだ、それから先が思い出せない。

ーコンコン

「!」

木の扉をノックする音が聞こえ、女の人の綺麗な声が聞こえて来る。

「起きたかしら、水を持ってきたわよ。」

ここの家主さんか?私を介抱してくれたお礼を言わないと…私がそう思っていたら彼女がドアを開ける。

「あの、助けてくださりありがとっ…!!」

私は失礼な事に彼女の姿を見て息を飲んでしまった。

…ドアを開けた彼女の姿は上半身はまるで緑と白の全身タイツを着ているように人間らしい体のラインがくっきりとでてちょっとハレンチなくらいセクシーなのだが腕は虫の手で睫毛が長く白目と黒目が逆転している目は5つあり唇だけは真っ赤で下半身はウネウネと蠢く巨大なイモムシで頭の上には金魚鉢を逆さにしたような丸い大きな球体がくっついてありその中に脳みそがぷかぷかと浮かんでいる。そして髪の代わりにウネウネと半透明の触手が生えている。

びっくりするほど気持ち悪いはずなのに

「…綺麗。」

「!」

彼女の体は彫刻の女神のように美しいとおもった。

彼女は私がうっかりこぼしてしまった言葉に照れながら返事をした。

「変な子ね。普通貴方達の世界では私みたいなのは気持ちが悪いものなんじゃないのかしら。」

「い、いやすごくお綺麗です!あ、あの何が起きたのかあんまり覚えてないのですけど助けていただいてありがとうございました!」

私はテンパりそうになりながら頭を何回も下げてお礼を言う。

そしておそるおそる名前を訪ねる。

「……あの、お名前は?」

彼女は少し微笑みながら私に水の入ったコップを差し出す。

「あたしはキャタピー・グリーン、グリーンって呼んで、そりゃあ覚えてないでしょうねぇ…私が庭でのびのびしていたら空から私の下半身に落ちてきたんだから。不思議なくらい小さな体で。」

「!!すいませんでした!」

「別にいいわよ、気にしてないから…それよりも」

グリーンさんは指で私のおでこをチョンッと触れる

「あたしは薬屋をしているの。体が大きくなる薬、体が小さくなる薬とかをね…そういえば今朝不思議な事が起こったの…薬の原料のキノコが誰かに盗まれてしまったの。」

「え。」

…それって…さっき私が貰って食べた…

グリーンさんは全てを見透かすようにじっとりとした目で私を見て言う。

「貴方は犯人を知らないかしら?」

…………………。

私は左のポケットにあった体を大きくするキノコを取り出し差し出して全力で謝った。

「すいませんでしたー!!!!!!」

「ごめんなさい!!ちょっとこれなんだかあの…変な人から貰って!!どうしても使わなきゃいけなくなって!!二個…心が読めるようになるキノコと!体が小さくなるキノコ!食べてしまいましたー!!!」

あああ、まさか盗品だったなんて!!しかも体が小さくなるキノコ一口かじって捨てちゃったよ!もしお高い品だったらどうしよう!希少なものだったらどうしよう!私ってばなんて悪いことを!!これじゃ泥棒と一緒だ、極悪人だ…私はいつもいつも後先を考えないで…………………!

「…からかっただけよ、別にそんなに希少な物じゃないしそんなに気をやむ必要なんてないわよ。それにあんたよりも叱らなきゃいけない元凶が分かってるし。」

「……本当に、本当にごめんなさい。」

「あーもう、泣かないで。ほら泣いちゃったじゃないあんたのせいよ、出てきなさい。」

グリーンさんは私の頭を撫でながら後ろを向いた。

すると私とグリーンさん以外誰もいなかったはずなのに声が天井から聴こえてくる。


「さっすが姉貴、おいらの事全部お見通し?」

「!!」

見ると白黒のボーダーの大きな猫が天井に逆さに張り付いていた。

「当然でしょ、この泥棒猫。」

グリーンさんはするすると重力を無視するように降りてきた猫の頭にゴツンと拳骨を入れた。

「あいた!ニッシッシ、相変わらず姉貴の拳骨は痛いねぇ〜夜じゃないのに北極星がチカチカ見えるよ。」

「北極星だけじゃ物足りないかしら、じゃあ天の川も見せてあげる、きっと綺麗よ。」

「ヒイッ大魔王様ご勘弁を〜。」

…もう猫が喋るくらいじゃあ驚かなくなってきたなぁ…

何となくだけどこの猫の名前はわかる。

「えっと…はじめまして…チャシャ猫さん?」

猫はその名前を聞くとぐるんと首をありえない角度で曲げてこちらを向き体が軟体生物のように溶けたと思うとぴゅんと私が寝ているベッドの上に乗り猫の姿に戻る。

「正解、正解、大当たりの大正解!オイラの名前はチャシャ猫だよ〜。だけど半分大外れ!オイラ達何処かで運命の出会いをしているのに〜「はじめまして」とは嗚呼悲しや悲しや!あ、ちょっと頭撫でて。」

「あ、はい。いいですよ。」

急に言われて驚いたけど猫は好きだし。

なでなでなで

「ああ〜気持ちいいね〜、そこもうちょい右。」

「は、はい!」

なでなでなで

するとチャシャ猫さんはゴロゴロと喉を鳴らし撫でられながら私の膝の上に顎を乗せて来てこう言った

「この姿なら分かるかな?」

「へ?」

ポンっと音を立てチャシャ猫さんの姿が猫から中学生くらいの長いボサボサの紫髪にお下げ、ボーダーの帽子にダボダボのパーカー、黒の短パンにボーダーのニーハイを履いた少年に姿を変えた


私の膝の上に顎を乗せた状態で


もう一度言う


私の膝の上に顎を乗せた状態で


「この程よい柔らかさ嫌いじゃないね!」


「……!!」


チャシャ猫さんは私の太ももに自分の顔を擦り寄せた直後グリーンさんにさっきよりも強く拳骨を貰った。

「このスケベ猫、皮を剥いで三味線にしてあげようか?」

「凄いね、今度はさそり座が見えた。」

しばらくチャシャ猫さんは殴られた。

チャシャ猫さんには悪いけどちょっとだけいい気分だった。

「アリス!これで頭がお花畑の君でも分かるでしょ?」

チャシャ猫さんは萌え袖をぐいとあげ腕を見せる。その棒切れのように痩せ細った腕には私は見覚えがあった。

「あの…私に心を読めるキノコを食べさせた人!」

「ちょっと待ちなさいチャシャ猫、あんた、あたしの心を覗くキノコまで盗んだの!」

「ヒィ、ばれちゃった!!」

グリーンさんに頭を両の拳でグリグリされながらチャシャさんは言う。

「良かったねアリス、ちゃんとまた会えた。」

「……はい、ありがとうございました。」

「どう言う訳?」

「そう!!これにはまるで大長編映画のように感動不可避のストーリーがあって!」

「悪いけどこいつ馬鹿だからあんたが説明してくれる?」

「は、はい。」

私は出来るだけわかりやすくするように頑張って今までの事を全部説明した。

ちなみに二人の年齢は人間として考えると

キャタピー姉さんは35歳

チャシャ猫は85歳くらいのエロジジイです。

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