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栄光へのパラダイムシフト  作者: tanazi1000
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始動への転換期 ACT.7

「ふぅ~なんとか合流できたな」

「本当にな」

合流指示を出してからステラ達が完全に集まるまでに少々時間がかかった。

「まさか、エーテル活性化に依る通信 (ストーム)障害がこんなに頻繁に発生するなんて・・・・・・本当についてない」

ガクッと肩を落として愚痴を溢すルナ。

実際ここに来るまでに幾度となく通信状況が悪くなり、母船からのGPSで表示される自身の位置が更新されず迷いに迷ったところでなんとか合流できたのだ。

「まあ、俺達が追加探索目標にならなかっただけでもよかったぜ」

「それだけは本当に勘弁」

ゲンナリとした様子でステラがカルの冗談に応えた。

「その場合は森林奥深くで変死体となって発見されたかもしれないな」

「「「冗談でもない!」」」

ヌタルのブラックジョークに3人がツッコミを入れ一時的に場の空気が非常に悪くなった。

「まあとりあえず、無事で本当によかった」

ステラが何とか場の空気を戻そうと必死に取り繕う。

「だね、本当に何事も起きなくて。そういえば―――」

ステラの意図を汲んだのか、ルナが話の方向を変えようとして来た

「ステラがシグレさんのこと尊敬してるって理由とか知ってるけど、カルは誰か気になってる人とかいるの?」

「俺か?俺は・・・・・・んー、スターオーシャンのゾーノさんかな。副腕も使って戦うウルガストってあまりいないらしいし、なにより二刀流ってところになんかこう・・・来るんだよな!」

「ゾーノか・・・。それ、自分の叔父だ」

「え?」

「は?」

「へっ!?」

ヌタルの衝撃的な発言により3人はしばらく鳩が豆鉄砲を食ったようにポカーンと口を開けていた。

「「「ええええ!?」」」

3人は素っ頓狂な叫び声を上げる。無理もない、有名人の親戚がまさか同じクラスメイト。それも同じチームにいるなど誰が想像できようか

「ちょ、ま!そんな話聞いてねぇぞ」

「聞かれなかったからな、答えようがなかった」

「いや、まあそうだけどさ・・・・・・でも驚いた~」

「まさかゾーノさんがヌタルの叔父だったとはねぇ・・・・・・世界は狭いというか」

ルナが額に手を当てて呟いた。

「やっぱりヌタルはゾーノさん、自分の叔父が今のとこ気になってる感じかな?」

ステラが問いを投げ掛けると意外にもヌタルは首を横に振ってそれを否定した。

「自分は確かに叔父を尊敬してはいるが、それとは別に興味がある人物が居る」

「それは誰だ?」

なぜか固唾を飲むような気迫でカルがヌタルを詰問する。

「アオギリ=ソウヤだ」

「「「あー・・・・・・」」」

3者同時に困ったような困惑したような声が出た。

アオギリ=ソウヤ、ほんの数年前に業界に入ってきて功績、特にインテグレートに関するものを幾つも立てた。今一番注目されている新人だ。

苗字の通り、ステラが尊敬しているアオギリ=シグレの近親者ではあるが、愛用武器や戦術等の情報が一切出ていないらしいく、調べても特にこれといった情報が無い。

ただ、ノービス課程を飛ばしていたことから元軍人で青年、成人していることや左腕が黒い義手であること等は分かっているものの、それ以上の情報が一切わからない謎の人物である。

「成る程ね~、ソウヤさんか・・・・・・」

「ソウヤか、・・・・・・」

ステラとカルがなぜか彼の名を口にした後考え込むようなしぐさを見せた。

「ルナ? どうしたの?」

「あ、いや、ソウヤさんってよくわからない人って感じだからなんとも言えないのよね。【黒腕】とか呼ばれてるけど、それぐらいしかわからないし」

「ぶっちゃけ、私もそうだよ? シグレさんのことはよく知ってるけど、ソウヤさんはよくわからないしそもそもあの人あんまり表に出てこない人だから・・・・・・」

表に出てこないと言うのはそのままの意味で、キャンペーンや広告等の被写体として活躍する事をしていないということだ。

アオギリ=シグレのように有名でかつ個人で映像コンテンツをアップしているようなタイプはあまり居ない。傭兵としては珍しいらしい。

理由としてはそもそも本業が忙しいというまっとうな理由もさることながら、自身の戦闘スタイルを自らバラしていく有利性がないということである。

一応協力体制にはあるものの、雇われた主によっては敵対することも少なくはないこの仕事で、手段やスタイルをばらしていくことは使用できる切り札や手札を捨てているのと同然の行為である。

戦闘スタイルがわかればソレを使った対策なども立てやすくなる。だから基本は秘密にしておくべきというのが傭兵たちの基本でもある。

そんなこんなで雑談をしながら歩くこと数分、目的地まであと数mというところでヌタルすんすんと鼻を鳴らし始めた。

「何だかオゾン臭くないか?」

ヌタルがそういうと3人とも鼻をすんすんと動かして空気の臭いをかぎはじめる。

「うっ」

眉根をひそめ、呻き声を上げるステラ。苦手なオゾンの臭いが辺りを漂っていたのだ。

「・・・・・・オゾンだな。それも結構キツいぞ」

同じく眉根をひそめたカルが呟いた。

「ここまで臭うって、何だか・・・・・・」

―――不吉な事が起きているんじゃ。そんなことをルナが言おうとしたところだった

突如遠くの方で爆発音が鳴り響き、そして喧騒が聞こえ始めたのだった。

「な、何!?」

ルナが怯えた様子でカルにすがり付こうとする。

「お、おい」

それに慌てたカルはしがみつこうとするルナを必死になりながら離そうとする。

「いったい何が・・・・・・起きてるの」

ステラは爆発地点呟いた重なった、到着地点のマーカーを見つめながらそんな台詞を溢したのだった。

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