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短編類

お仕事行きたくない

 

 1週間という歯車を繰り返し、私の体と心は磨耗していく。


 清々しい朝はいつしか憂鬱に変わり、淡々とその日をこなす。夢と希望は現実の壁に打ち砕かれ、この身に突き刺さる。足元は破片だらけだ、無難な道に狭まっていく。痛みを覚悟して別の道に行く勇気もなくなった。


 帰りの電車は異様な空間である。

 部活帰りの学生、飲み会後の会社員、私の知らない人生を歩む人とこれ程近くに座りながらも目的地で別れていく。もしかしたら電車の中でしか居ない存在かもしれない。


 電車を降りると町の匂いに帰ってきた安堵から心が動き出す。

 家へと歩きながら夜空を見上げると星が煌めいている。人気が少ない夜道を歩いていると混沌が叫び出し、心から溢れて目から流れる。


 途中のコンビニの少年雑誌で曜日を思い出す。もう1日頑張れば休日か……休みが必要な程の負担を強いるのは何かの強度試験なのだろうか。

 ビニールを手に下げて一服吸う。唯一呼吸を意識する一時、自分は生きている。




 また明日の為に家に眠りに行く日々。


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